アカデミー教員プログラム 「大人の森遊び ブッシュクラフト入門」を実施しました。

開催した日:

「ブッシュクラフト」と呼ばれる、森などの自然環境の中における「生活の知恵」を学ぶ講座を3月5日(日)に行いました。
ゲストは森林文化アカデミー林業専攻講師でJBS認定ブッシュクラフトインストラクターの新津裕さん。定員の4倍を超える応募の中から選ばれた、岐阜県内在住の20代から60代まで幅広い9名が参加しました。

今回はブッシュクラフトの基本的な技術であるロープワーク、ナイフワーク、火の取り扱い方を通じて、アウトドアでの過ごし方などを実践から学びました。

ガイダンス

 初めにロープの種類と特徴について理解した後に、自分で使うロープの末端処理を行いました。パラコードロープと呼ばれる、化学繊維で作られた細いロープをナイフで切り、末端をライターであぶって皮膜を溶かしてほつれないように処理しました。
ロープの末端処理
 その後のロープワークでは、3人グループで行いました。1人が講師から結び方を習い、それを別の2人に教えるという方法で5種類の結び方(ひと結び、ふた結び、巻き結び、本結び、自在結び)を学びました。聞いて、見て、やってみて覚えるのが一般的ですが、今回はさらに教えることで、自分が分かっていること、分かっていないことがはっきりして理解が深まりました。
ロープワーク指導 ロープワーク実践

 次にペグ(杭)づくりを通じてナイフワークを学びました。刃物の取り扱い方の良い例・悪い例を、実例を交えて解説してもらった後、実際に枝をノコギリで切り、ナイフで削ってペグを作りました。
周囲の安全を確認しつつ、自身の安全も得られるように刃物の前に体を置かないように気をつけながらペグを仕上げていきました。
ナイフワーク指導 ナイフワーク

 昼食後は午前中に学んだロープワークとペグを使って、シートで簡易シェルターを建てました。
 シートのハトメと支柱、そしてペグをロープを使って固定しました。この時最初に習った結び方の特徴と、こうした場面でこの結び方を使うということを体感することができ、ロープワークの奥深さを一層実感しました。
シェルター建て 完成したシェルター 完成したシェルター

 最後は完成したシェルターの前で、直径20センチ程度の大きさの浅い穴を掘ってたき火を行いました。
 森に落ちている細い枯れ枝を集めて薪とし、ほぐした脱脂綿を火口としてメタルマッチで火を点けました。メタルマッチは金属同士を擦ることで火花を飛ばし、それを燃えやすい火口に点けるもので、参加者は慣れると数回で簡単に火が点けられることに驚いていました。
 火は完全に燃やし切った後、十分冷ました上で燃え残った炭は回収し、元のように埋め戻して痕跡を残さないように処理しました。
たき火材料集め たき火準備 メタルマッチで着火

 たき火の後、新津さんからアウトドアやサバイバル状況下で生命の確保・保持するのに必要な環境の優先順位を理解し、1日の体験を振り返りました。
ルール・オブ・スリー ふりかえり

 1日の体験を通じて、参加者は今回取り組んだシェルターづくりが、自然をシンプルに楽しむ方法であるだけでなく、生命の保持にも重要な役割を果たすことを実感したようです。早速自宅の庭でシェルターづくりを実践します、と言った参加者もいて、皆さん今回の学びを実践していきたいという気持ちが高まったようです。

 森へ一歩踏み出し、身近に感じるきっかけとしてのブッシュクラフトの可能性を実感しました。

参加者の声(アンケートより抜粋)

・初めての参加で少し不安でしたが、分かりやすい説明とアドバイスで楽しく体験することができました。ありがとうございました。覚えたロープワークでシェルターを作ることが出来たのは、とても嬉しくて少し自信が付きました。
・本講座の内容は、初めて知ることばかりで楽しかったです。また、久しぶりに木の香りに包まれ、生き返りました。
・講師の教え方、講座の内容等、とてもわかりやすく楽しく学ぶことができました。ありがとうございました。

報告者:大武圭介(ウォーリー)NPO法人ホールアース研究所

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