シカとクマの足剥製標本つくりました!
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先週に引き続き、高山市から田中正至先生をお招きして『アニマルトラッキングにも使えるニホンジカの足標本づくり』を実施しました。アニマルトレッキングとは動物の痕跡を探るもので、代表的なものが足跡です。
まず前回剥皮したニホンジカとツキノワグマの足の構造について、またエゾシカとホンシュウジカの生態的な違いについて学びました。
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最初に田中さんから動物の骨格について説明
シカの蹄2つは人間の「中指と薬指の爪」に相当すること、ちなみに親指は退化しています。シカは人間で言うと爪部分で大地に立っている状況なのです。しかもこの蹄を一本の骨で支えいていますが、この骨部分が人間の手の平に相当します。
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シカの蹄は人間の中指と薬指
配布した資料で確認すると、クマの足裏を支える骨は「とう骨」と「尺骨」の二本です。シカの足は一本で支えています。
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クマの足部分について資料で確認
鞣し液に一週間漬け込んで、毎日攪拌したものを取り出します。それぞれ加工した人の名札を確認しながら丁寧に水切りしています。シカもクマも一緒に取り出しました。
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鞣し液から毛皮を取り出す
これから洗浄です。洗剤は毛糸用の専用洗剤を洗うのがポイント、そしてその後にはトリートメント剤も使いました。
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毛糸用洗剤で洗浄します
丁寧にしっかり踏み込まないとトリートメントが行渡りません。仕上げる毛皮の肌触りを考えるとしっかり専用薬剤を利用することが重要です。
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足で踏んでトリートメントを浸透させます
洗浄、トリートメントを終えた毛皮は脱水処理します。脱水完了したら、次は剥皮した毛皮の最終仕上げとして、再度、脂肪分などをナイフで剝ぎ取ります。脂肪分をしっかり取らないと、堅くなりやすく、かつ脂肪分が変質して異臭のもととなります。
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再度、剥皮した毛皮から余分な脂肪分などを除去します
毛皮の仕上げができたら次は縫合です。針は三角針か太い針で、もしも力が無ければ千枚通しで穴を開けて縫い合わせます。使用する糸は1mmの蝋引き麻糸、もしくはビニモの#5を利用します。
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毛皮の縫合風景
縫合が終了したら、次は「木毛」を充填します。
充填する場合、乾燥した時の形をイメージしながら、棒で「木毛」をしっかり押し込みます。
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木毛を充填します
今回の講座で作成したシカとクマの足を持ってツーショット!
シカは着地した時をイメージして蹄を広げた状態で、4歳のクマは後足の標本を作製しました。
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完成したシカとクマの足標本
シカの足標本は様々な作り方がありますが、ヒノキの板に釘で貼り付けて、乾燥させるものを作成した参加者もいました。
この標本は乾燥後に釘を抜いて、揉み解すことで柔らかな毛皮と堅い蹄を体感できる標本に仕上げられます。
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木に貼り付けた標本も作製
午後4時には全員が完成させることができたので、作成したての標本を持って記念撮影しました。
各人シカの足2個とクマ1個を作成し、自宅に帰ってから乾燥です。
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最後にみんなで記念撮影
さて、剥製標本はまだこれからが完成です。一週間ほど乾燥させて、充填した木毛を抜き取ったら、次は1年間乾燥させます。しっかり1年間乾燥させれば、虫食いや変質の恐れはありません。
今日から1年かけて立派な標本に仕上げるのはあなた自身です。頑張って下さい。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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