大径木伐倒・集材プロジェクト授業(集材編)

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いよいよ集材する週です!ここ美濃市では連日の最高気温が38度に達する日もあり、今週も真夏の炎天下での実習になりました。

今回の課題は、酷暑の中、85日から9日までの一週間で、伐倒した材を末口の幹回り1,150㎜、長さ7.0m以上に造材し、アカデミーの広場まで12本出材するという、とてもインポッシブルなミッションです。

演習林実習では、安全を確保するため、毎回、作業前にリスクアセスメントを実施し、作業後にはヒヤリハットを実施して、記録を残しています。

一例を紹介すると、集材作業の初日は、枝払いと玉切りの造材作業から始まるので、リスクとして「チェーンソーによるキックバックで切創する。」が挙がりました。このリスクは頻度も多く、重度も大きいことから評価は最高の「5」と判定され、低減対策として「ガイドバー先端上部の接触を避ける」を心掛けて作業することで、評価を「2」までに落として、リスクを保有したまま作業できると判断し、これを記録用紙に残していきます。外にもリスクとして「熱中症になる」ので「一時間毎の休憩とこまめな水分補給」など、挙がったリスク毎に検討した低減対策を意識して作業することで、危険の顕在化を抑え込むことができます。

伐倒木は大径材であるため、広く点在していたことから、少しでも早く集材できるよう2班体制で行いました。

1班は、0.093ベースの小型バックホウと1t積の小型運材車を使った車両系作業システムで出材に当たり、2班は0483ベースのスイングヤーダと3t積の大型運材車による架線系作業システムで出材しました。

最初はどちらの班も、伐倒木のつるを切ってチルホールで引き、元木を根株から外し、地面に付け安定した状態で造材を始めて行きました。

  

1班は玉切りした単材をバックホウに付けたワイヤで引きずり出し集材しました。

スイングヤーダ班は、元玉を単引きで、2番玉以降はランニングスカイライン方式に架設し集材する方法でスムーズに出材することができました。

  

その他の集材ポイントは作業道の幅員や勾配の制限からこれら使用した機械が山に入らないため、集材機で集材を行いました。

集材機はエンジン音が大きいため、荷掛け場からの無線指示を運転者が聞き取ることが困難でした。

このため、荷降ろし場にいる荷外し者が、山の荷掛場からの無線を受け、手信号で合図を送り集材機の運転者はその指示で運転しました。

  

  

荷降ろし場に降ろされた単材はスイングヤーダのグラップルで掴んで大型運材車に積み込みますが、元玉は傷が付かないようベルトスリングで2点吊りし載せて、トラックの積込み土場まで降ろしました。

  

このようにして、多様な機械を組み合わせて作業する中で様々な技能を学んでもらい、無事に納期までに材を納めるというミッションをクリアすることができました。

通常の授業では、伐倒、造材、集材など作業をパーツ毎に実習しますが、このように伐倒から出材の一連作業として林業現場に近い形で学生に提供でき、林業の面白さと同時に大変さも学んで貰えたことと思います。現地でご指導いただいた杉本先生、新津先生ありがとうございました。

教員 池戸秀隆

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