「どんぐり拾い」のその先へ 〜市之倉保育園の森あそび〜
開催した日:
市之倉保育園への森の出前体験プログラムも、園が抱える想いや課題からスタートしました。
当初、園からの希望は「自然を使って体を動かす遊びをしたい、自然物を使ってできる遊びをたくさん知りたい」でした。しかし、打合せをし、どんぐりの森を一緒に歩いていると、「普段の遊びがどんぐりを拾うことなどに留まりがちで、もっと遊びの幅を広げたい」というお悩みが出てきました。

森で遊ぶ子どもたち
そこでmorinosでは、ただ自然散策をするだけでなく、「身近に手に入る簡単な道具や材料を利用して遊びの幅を拡げる」 提案を行い、「秘密基地づくり」と「森のおべんとうやさん」を実施することとしました。
【いざ「どんぐりの森」へ!自分で選んで作戦会議】
当日、年長・年中の子どもたちとスタッフが園庭に集まりました。最初から子どもたちはワイワイガヤガヤと賑やかな様子でしたが、まずはアイスブレイクで、クローズドクエスチョン(朝ごはんは食べましたか?)からオープンクエスチョン(何を食べましたか?)へ進めながら、少しずつ、morinosスタッフとの距離感を縮めていきました。

朝ごはんは食べましたか?の質問に答える子どもたち
「どんぐりの森」へは、morinosスタッフは初めて入るという演技をし、『子どもたちに道案内をして欲しい』、『出会いたくないものを教えて欲しい』と伝えると、子どもたちからは、『イノシシ、クマ、シカ、ヘビ、ハチ、オオカミ』などの名前があがってきました。続きのアイスブレイク代わりに、現実的に出会いそうな、ウルシやヘビ、スズメバチなどの危険予知と対策について全体で共有しました。
ノコギリを使って木を切ったり、丸太や枝を運んだりしながら基地づくりに没頭しました。倒木や木の根元を活かしてどんぐりや石を敷き詰め、「ゴリラのお家」や「リスのお家」といったテーマのある秘密基地を作り上げました。具体的な秘密基地のイメージが持てない子どもたちは、途中で丸太を運んだり、虫さがしをしたりなど、他の遊びを始めていましたが、自分で遊びを創っていけることは、実は目標がある活動よりも大事なことだと思っています。

リスのおうち

ゴリラのおうち
●「森のおべんとうやさんグループ」
おべんとうやさんグループは、どんぐりの森では、おべんとうの材料だけを集めにいくことを説明し、園庭に帰ってきてから、おべんとうをつくることにしました。森の中では、見立て遊び(例えば、松ぼっくりを唐揚げに、苔をサラダに見立てる)をしながら、どんどん素材集めをしていきました。中には「おべんとうにキノコを入れたい」と、数少ないキノコを探していました。
園庭に戻って、舟型の器に、どんぐりや松ぼっくりだけでなく、苔やキノコ、色鮮やかな落ち葉や小枝などを吟味して盛り付け、彩り豊かなオリジナルおべんとうを作り上げました。お箸にも注目!

おべんとうづくり

できあがったおべんとう
ただ素材を「探す・拾う」だけでなく、「集めた素材を遊びに活かす」体験も、自ら創り出す遊びの幅を広げるきっかけとなり、子どもたちの視野と発想も広がる時間となったと思います。
【園長先生からの声:目的を持った活動と選択肢を与える保育】
今回の取り組みについて園長先生から、「普段はどんぐりを拾ったりしかしないので、目的がある活動ができて、園児と職員らの視野が広がってよかった」との感想をいただきました。

さようなら
拾ったり探したりしたものを「身近にある道具や素材を取り入れていくことは難しくない」ということを、職員の皆様が実感するきっかけとなったのではないかと思います。子どもたちの反応を受け止め、子どもたちに選択肢を与えることも、主体性のある教育の手法の一つであることも伝わったのではないかと思うのです。
報告者: 小川カツオ/森の知恵共創共同事業体
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529



