令和8年度岐阜県百年公園での『里山林整備講座』1回目
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令和8年度の岐阜県百年公園での『里山林整備講座』で、今回は針葉樹人工林の広葉樹林化に挑む講座です。
一般的には①経済・コスト、②生態・管理、③自然災害 の3つの側面から多くの問題点や課題が生じます。また広葉樹施業のノウハウが不足している現状や、シカの食害問題、種子供給源となる母樹の問題もあります。

里山林整備講座の講義風景
午前中は単に施業方法を学ぶのではなく、樹木に関する基本情報を復習しながらの講義になりました。
維管束植物の細胞構成や木材組織、樹木の生理学についても復習し、続いて頂芽優勢や枝を切るためのCODIT理論、形態的植物分類にもふれました。

樹木の生理について学ぶ参加者
今回は天然更新+人工植栽栽による広葉樹林化を目指すため、樹種による生理特性や菌根菌についても学んでもらいました。
針葉樹の中でもヒノキやスギ、コウヤマキ、イチイ、イチョウ、ネズミサシはアーバスキュラー菌根菌と共生します。広葉樹ならばサクラやカエデ、ケヤキ、トネリコ、ツバキ、アオキもアーバスキュラー菌根菌と共生します。
しかし今回、人工植栽しようとするコナラやアベマキ、クリは外生菌根と共生するため、現場の樹種をしっかり把握する必要があります。
午前の最後は「保安林」の取り扱いについての講義です。土砂崩壊や土砂流出などの保安林内での作業はに厳しい制限があります。そうした森林法上のルールについても学んでもらいました。

向井譲先生から調査地の概要を聞く参加者
午後に入り現地植生調査に向かう前に、向井 譲 岐阜大学名誉教授からバーテックスによる樹高測定法や直径巻尺の使い方、調査地概要についての説明がありました。
今回の講座に先だって、向井先生が調査プロットを8つに区分されていました。

現場確認する参加者
現場は斜面傾斜25~34度の急傾斜面にあるヒノキ人工林です。そこにコナラ、コシアブラ、ソヨゴ、ツブラジイなどが上層木として成立しています。
そこで直径5cm以上の立木にナンバリングし、直径や立木配置図を描くことから始めました。

直径と立木配置を測定する参加者
現場は5m×5mの区画が8区画設けてあり、その区画ごとに胸高直径測定と立木配置図を作成してもらいました。最終的には樹冠投影図や胸高断面積合計なども計算する予定でしたが、雨天であったため上層木の測定はこれだけで切り上げました。

下層木を樹種チェックする参加者
続いては下層木の樹種チェックです。
直径5cm以下の下層木は、ヒノキ、ヒサカキ、サカキ、ソヨゴ、ツブラジイ、コシアブラ、タカノツメ、ウリカエデ、イヌツゲなどがありました。
暗い林内の林床は落葉落枝層が薄く、歩くとすぐに土がむき出しになります。こうした状況では上層木のコナラから堅果が供給されても光不足で発芽できないばかりか、外生菌根菌との共生も難しそうです。

最後に現地調査の復習する向井先生
現地調査を終えて百年公園事務所前で、向井先生と参加者で調査データのシェアリングをしてから、再び室内で向井先生による現地データの補足がありました。
最後に、群状択伐が難しい場合には、将来木施業といって、まず残す木を決め、その木に影響を及ぼす木を伐って光環境を調整する手法なども学んでもらいました。
次回は来年1月に現地作業です。
以上報告はJIRIこと川尻秀樹でした。
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