五六川親水公園での自然体験で見えた、子どもたちの輝きと保育者の気づき 〜瑞穂市 いな穂すくすく保育園〜
開催した日:
【きっかけ:先生たちの「お散歩への怖さ」を打開したい】
「森のようちえん」の経験を持つ園長先生とお会いした際、ひとつの大きな課題をお伺いしました。 それは「園長先生自身は自然体験の価値を知っているけれど、現場の先生たちが怪我や事故を恐れるあまり、子どもたちをお散歩へ連れて行くことに心理的なハードル(怖さ)を感じている」 というお悩みでした。

お散歩バックに飾り付け
そこで今回、morinosの出前プログラム「森のじかん(森の出前体験)」として、園のすぐ近くにある「五六川親水公園」へ子どもたちと出かける企画が立ち上がりました。 目指したのは、単なる外遊びではありません。「自然の中で輝く子どもたちの姿を目の当たりにすることで、先生たち自身のお散歩や自然遊びに対する抵抗感を和らげること」 が最大のテーマでした。
【いざ五六川親水公園へ!小さな「お兄ちゃん・お姉ちゃん」の探検】
当日は2歳児クラスの子どもたちと先生方が参加しました。 いな穂すくすく保育園は企業主導型の乳児保育園で現在は2歳児が最年長です。子どもたちには「今日はお兄ちゃん・お姉ちゃんとして、園でお留守番している0歳・1歳児のおとうと・いもうとのために、公園で“素敵な宝物”を集めて持ち帰ろう!」というミッションを伝えて出発しました。

公園へ向けて出発
初めて会うmorinosスタッフに、最初は緊張気味だった子どもたち。しかし、五六川親水公園に到着し、広い草地や木々に囲まれると、一気に表情がやわらぎ始めました。
【子どもたちの変化:目の前に広がる自然の中で見せた「真の姿」と「没頭」】
普段の室内保育では、安全のために「走らないよ」「座ってね」といった指示や注意が多くなりがちです。しかし、目の前に広がる自然の中では、大人の指示はいりませんでした。
・消極的だった「Sちゃん」の覚醒
普段の園生活では自分の殻に閉じこもりがちで、新しいことになかなか挑戦せず見ていることが多かったSちゃん。この日は木の幹の場所にじっと向き合い、黙々と自分の好きな遊びを見つけて没頭していました。先生方も「あんな風に遊ぶんだ!」と驚きと新たな発見がありました。

自分の好きな遊びを見つけて没頭
・不安が強かった子の笑顔とコミュニケーション
常に先生と手を繋いでいないと不安で、普段はあまり喋らない子が、公園では自ら葉っぱを見せてくれたり、バッタを逃がした時に「うー!」と声をあげて笑ってくれたりしました。最後にはスタッフへ自分からハイタッチをしに来てくれるほど、大きな自信と安心感を得ていました。
・「危ない」から「遊びの道具」へ
大人なら「危ないよ」と止めてしまいがちな木の棒も、子どもたちにとっては最高の「釣り竿」でした。ありのままの遊びを認められたことで、子どもたちは表情を生き生きと輝かせていました。
【先生たちの価値観が揺らいだ瞬間:「大人が構えを捨てたら、子どもが変わる」】
実施後の評価会では、現場の先生方から驚きと気づきの声があがりました。
「朝と全然顔が違う!目が本当にキラキラしていました」
「今までは『遠くに行ったらダメ』『お花がある奥はダメ』と、私たちが無意識に制限をかけて止めていました。でも今日、大人たちが奥へ一歩踏み込んでいく姿を見て、子どもたちにも『ここに行っていいんだ!』という解放感が伝わり、探検へのワクワクが広がっていくのが分かりました」

テントウムシ見つけた
「次は何をしてもらおうか」と特別な材料や事前の準備をしなくても、自然の力があれば子どもは自ら遊びを生み出し展開できる という実感が、先生たちの「構え」を解いてくれたのではないかと思います。 「安全管理さえしっかり見守っていれば、お散歩って本当は準備も要らなくて楽なんだ」という保育のゆとりが生まれるのではないでしょうか。

お宝と一緒に帰路へ
【単発から日常へ:一歩ずつ、自然が身近にある保育へ】
単発のイベントで終わらせず、ここから日常の保育へどう繋げていくかが本当のスタートです。
今回の体験を通して、まずは「週1回程度のお散歩」 を目標に自然へ飛び出す機会を増やしていく方針が見えてきました。 さらに、園庭の草刈りをして子どもの目線に合わせた空間を作ることや、保護者参観日を活用した園庭整備イベント、バケツ田植えの実施など、園全体で自然体験を育む具体的なアイデアも広がっています。

さがせ、さがせ!
子どもたちが集めて持ち帰った枝や落ち葉などの「宝物」は、園庭で大切に分け合いました。「大人の許可」ではなく「子どもの好奇心」で動く時間が、いな穂すくすく保育園の日常に少しずつ根付いていくことを楽しみにしています!
報告者: 小川カツオ(将友)/森の知恵共創共同事業体
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529



