【出前授業】いわ桜小学校5・6年生の製材から火起こしまで
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岐阜県山県市谷合にある『いわ桜小学校』、この学校は地元の石灰岩地質に生育するイワザクラが地域シンボルであり、そのイワザクラが減少してきたため小学校で繁殖させた地元個体を地元に戻す活動をしてきたことから、学校統合に伴い「いわ桜」と名付けられました。
今回は学校から1年前に『出前講座』の依頼を受け、本日、モリノスからmori no devanで出掛けさせて頂きました。
今回は「火起こしをして、自分たちで摘んだ北山茶を飲む」のが目標です。また、この地域は「美山のスギ板」で有名な地域です。
実は事前打ち合わせで教頭先生に、「日本一製材工場の多い岐阜県、その中でも製材所の密集度が最も高いこの地区を子どもたちに再認識してもらいたい」、「そのため事前学習で、子どもたちが製材所を訪問し、お話を聞くと同時に、火起こしに使えそうなカンナくずや樹皮、端材をもらってきて欲しい」とお願いしておきました。
お子さんたちは、2グループに分かれて、樹皮や端材、カンナくず、そして神社で拾ったスギ枝などを燃えやすそうな物ごとに分けて袋で持参してくれていました。
スージーから「火起こし道具」を渡されたお子さんたちは、それをどのように使って火種をつくるのか相談しながら試行錯誤していました。
いわ桜小学校は5年生と6年生が複式で学んでいます。手前の6年生は、とにかく棒にロープを巻き付けて、1人がロープを動かす方法で試していました。
この火起こしは火種を作ることが目的と言っても、重要なのは子どもたち自身が考え、いかにチームワーク良く動くかが重要なため、ある程度はノーヒントで挑戦してもらいます。
事前学習でいわ桜小学校近くの「藤木製材所」を訪問し、そこで得られた材料と学校横の神社で採取したスギ枝などを下記写真のように記されていました。
こうした材料を燃やして、山県市北山で採取したお茶を飲みます。この北山茶はいわ桜小学校の一部のお子さんも体験学習で茶摘みしたものです。
効率良く火種を作るには、「ロープを引くストロークが大きい方が良いよね」などとスージーが出したヒントを参考に、直線状でロープを引き合うことが良いことに気が付いた子どもたち。
火錐棒をどう押さえるか、火錐臼はどのように固定するか、掛け声のタイミングはどうするのか、お子さんたちのタイミングで火種ができるまで先生方と私たちが応援し続けました。
火種ができたら、それを解した麻に包んで空気を入れることが重要、ゆっくりと継続して息を吹きかけで火種を育てます。
うまく火種が麻に燃え移り、それを焚火台におかれたカンナくずやスギ葉に燃え移らせることに成功しました。
燃え始めたら細い製材は材を入れて、火を大きくしていました。
ある程度木材に火がついたら、その木材をケリーケトルの火皿に入れてお湯を沸かします。
ケリーケトルは本体がロケットストーブのような構造になっているため、小さな火でお湯を沸かすことができます。
ケリーケトルはお湯が沸くとホイッスルが「ピー」と音を出します。
沸いたお湯を北山茶の入った急須に入れて、お待ちかねのティータイムです。
出来上がった「北山茶」それを飲む前に乾杯です。
火起こしが成功した達成感だけでなく、自分たちで摘んで作られた北山茶の一杯はとても美味しく、日頃の日本茶以上に味わい深い一杯となりました。
北山茶をの産んだ後には、岐阜県でよく利用されているホオノキの葉、そのホオノキの葉のお茶も飲んでみました。
最後に、北山茶を飲むために実施した火起こし、「火種を作るために何が必要だったか?」をお子さんたちに考えてもらって、それをシェアリングして出前授業を終えたのです。
いわ桜小学校の皆さん、「北山茶」美味しかったね。ありがとう御座いました」、そして事前学習に協力して下さった教頭先生や担任の先生、本当にありがとう御座いました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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