パーマカルチャー講座 Earth Oven & Community
開催した日:
岐阜県民からの依頼講座『パーマカルチャー』講座。
森林文化アカデミーでは岐阜県民から、「是非、パーマカルチャー講座を実施して欲しい」という要望によって、県庁からの依頼もあり、2日間にわたって講座を開催しました。
今回は岐阜県から多くの方が参加して下さいましたが、他にも埼玉、東京、千葉、神奈川、長野、愛知、和歌山、京都、大阪、岡山からもご参加。
メイン講師は千葉からお越しいただいたフィル・キャッシュマンさん、そして岡山からお越しいただいたカイルさん、そして全体進行はナバさんです。
まずはフィルさんの指導で、仲間となる「ギルド」をつくり、結束を高めるため、アイスブレイクを兼ねたアクティビティ。
「今回、自分自身が大切にしたいものは何か」
「今回、パン焼き窯をつくりたいという原動力、内面的な価値観はどこから来ているのか?」
「命を豊かにしてくれるもの、希望・繋がりを考える2日間にして欲しい」ともお話しされました。
参加者同士で、「今、ここにどんな気持ちでいるのか?」、「暮らしの中で感謝していることは何か?」、「あなたは何に動かされて、このワークショップに来ているのか?」などを共有して、ギルドの仲間づくりが進行。
パーマカルチャーでは、少ない時間での学びを最大にするため、仲間同士支え合い、伝えあい、学び合うことがポイントとなります。そのためにギルドをつくるのです。
今回はわずか2日間で、固定式の窯と移動式の窯を作る無謀かもしれないチャレンジです。
ところで、みなさん、「ピザ窯とパン焼き窯との違い分かりますか?」。
ピザなら高温になればよく、内部温度は500℃、パンなら200℃~260℃くらいかな、加えてパンの場合は蓄熱(保温)できる窯でなければ意味がない。
一度発生した熱エネルギーをキープできることがパン窯には重要。
こうして保温効果が高い窯を作れば、ドライフルーツもつくれます。
今回の窯は一方は耐火煉瓦、一方は一般的な赤煉瓦を使います。ちなみに耐火煉瓦は1300℃にも耐えられます。
窯は何層にもなった構造で、基礎部分や窯のある層にはバーミキュライトとセメントを6:1の比率で混合したもの、またある層には泥と砂を15:55で混合して用いました。そうそう藁も粉砕して入れてありました。
フィルさんの丁寧な解説が続く中、参加者は一所懸命に窯土をこねていました。写真で踏んでいるのは、泥と砂を15:55で混合したものです。
ナバさんの歌に合わせて、踊るように踏んで混合して下さいました。
窯の直径など、重要なポイントは必ず、フィルさんかカイルさんが抑え、解説通りに参加者自身でパン焼き窯を作り上げます。
さて、こちらは移動式のパン焼き窯です。
こちらは固定式の窯と作り方が違います。強度を保つために金網などを加工して、強度を高める下準備です。
金網で骨格ができたら、バーミキュライトとセメントを6:1の比率で混合したもの入れて、形を整えていきます。
規定面ができたら、赤煉瓦を乗せて、フラットを出します。みなで力を合わせて、誤差修正しながら窯を作り上げます。
窯の焚口など重要な部分は、カイルさんがどのようにするのかをデモンストレーションして下さいます。なお、後から美しく仕上げる方法も伝授して下さいました。
移動式のパン焼き窯も、参加者自身の手で作成再開です。難しいとはいえ、参加はみな楽しく、意気揚々と作成に没頭されていました。
再び、固定式のパン焼き窯です。こちらはバーミキュライトとセメントを6:1の比率で混合したものを全体に貼り付けました。なお焚口の高さは窯全体の高さの65%でないと、内部の熱がうまく対流しないそうです。これは大きなポイントです。
表面は新聞紙で覆って、少し次の層をつくり材料づくをしました。窯の構造を何層にもすることで、蓄熱効率を高めるのです。
次の層は泥と砂を15:55で混合したものを煉瓦くらいの大きさに手で作って、それを積み上げていきます。空気が入っていないように、しっかりハンバーグを作る時以上に真剣に空気抜きして貼り付けるように積み上げます。
固定式窯の方は、これで1日目終了です。フィルさんの指導と、みな頑張りのお陰で順調に終了しました。 明日までにどれほど乾燥するでしょうか?
それと1日を通して、フィルさんが問い掛けてられた「内面的な価値観、原動力」を見つめ直すことができたと思います。私も裸足で土捏して、いい振り返りができました。ありがとう御座います。
さあ、明日は2日目、仕上げまでみなさん頑張ってください。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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