【morinos試行プログラム】『うま森プロジェクト』働く馬

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morinos試行プログラム『うま森プロジェクト』、第1弾は木曽馬による 〜 はたらく馬を体感しながら考える「森・人・暮らし」~を開催しました。

今回は美濃市の方、関市の公立保育園の先生方、岐阜市の公園施設の方、郡上市の自然体験活動指導者、飛騨市の森林組合の方、東京や長野県黒姫から遠路ご参加の方、みなさんの自己紹介から始まりです。

自己紹介を終えた後、長野県開田村の『木曽馬の里、木曽馬乗馬センター』の中川剛さんから、木曽馬についての基本講座を受けました。

木曽馬の「耳」、「目」、「鼻」、「口」、「首」、「肢」、「お尻・しっぽ」の動きで、馬の気持ちを知る。

人が馬とコミュニケーションをとるために、何を考えるべきかを学びました。

さて、働く馬を体験する前に、馬と心を一つにするための訓練です。

最初は二人一組になり、互いに短いロープを手で握って、言葉を発せずにお互いを気遣いながら歩きます。

自分のペースだけでなく、相棒のことも考えて歩く、カーブを曲がる時は内側の人は歩幅を狭め、外側の人は大股で歩く、互いに馬と一緒になったつもりで歩きます。

次は、相棒に目隠ししてもらって、ロープをもって安全に誘導します。

人役側であれば、目隠しした馬役の人が不安なく歩けるよう気遣います。馬役側は誘導する人を信じ、頼って歩きます。

これがコミュニケーション訓練に大変役立ちます。相手が人でも、馬の気持ちを考えて歩くことの重要性を感じながら、思いは馬に!

二人ペアでの最終難関は、ダートコースです。目隠した人の前に様々な障害物が置かれます。

誘導者は言葉を発することなく、目隠しした人が安心して歩けるように誘導する必要があります。時には中川さん自身が障害物となって、フェイントをかけられました。

目隠しした側は、誘導してくれる人を信じること重要。これを終えて、みな大満足!

午後からは、木曽馬の「わかなちゃん」が、演習林の自力建設四寸傘に運ぶ角材を人力で少し運ぶと、どれほど大変かを4名の選ばれた方々が体験しました。ほんの80mほどでしたが、結構疲れます。

角材4本を背負って、四寸傘を目指す「わかなちゃん」。

汗をかきながら、鼻息も徐々に激しくなりながらでしたが、全くへたることもなく中川さんと一緒に山を登ります。

途中、勾配が30度近い山道もぐんぐん登って行きました。

要所要所では中川さんが「わかなちゃん」を気遣って歩かれていました。

どちらかと言えば、一緒に歩いていた参加者の皆さんが、慣れない山道でバテバテでした。

さて、目標の四寸傘が前方に見えてきました。足元が不安定ですが、リードする中川さんが熱く場所を選んでくれるため、順調に山道を歩いてくれました。

これでウッドデッキの修復ができます。 「わかなちゃん」ありがとう御座います。

足元が滑りそうな急斜面の下りでも、誘導する中川さんを信じて降りてきてくれました。

地面には大きなチャートのゴロゴロした石がたくさんある中、着地点を選んで歩いていました。

みな、一仕事を終えた「わかなちゃん」をナデナデしていました。

さて、下山後に、働く馬の代名詞、「木材搬出」に挑戦です。

しかしその前に関市の洞戸保育園の長屋園長さんが自ら、「もしも人間がこの小さな木材を引いたらどれほど大変のか?」を身をもって体感されました。

やはり、見ているだけでなく、木曽馬の大変さを体で知ることも重要ですよね。

中川さんが手綱を捌いて、小さな丸太3本を軽々曳いて、時には小走りで曳いてくれました。

やはり人間ではかなわないほど、楽々と動く姿を見せてくれました。

次に、荷物の代わりに、保育士さんを木材の上にのせて曳いてみましたが、これまた楽々でした。

働く馬は木材を運んだり、田畑にいれる刈り柴を積んで運んだり、林業でも農業でも重要な存在だったのです。

さて、一連の働く馬を見学した参加者は、次は手綱をもって「わかなちゃん」とのコミュニケーションを図ります。

時には障害物のところを、歩いたり、走ったり、しかし難しいのは本当にゆっくる歩くこと。

「わかなちゃん」はゆっくり歩く中、美味しそうな草が生えていると、どうしてもそちらに気が向いてしまします。

最後に中川さんとわかなちゃんが、障害物として利用した間伐材を3本を曳いて、元の場所に保管しなおしてくれました。一度運べば、2回目以降は何をすべきかをしっかり覚えていてくれ、スムーズに作業を終えました。

さて、今回の木曽馬による『働く馬』体験。

今回は、単に木曽馬のわかなちゃんが居るだけで、参加者自身のテンションも、気持ちも違ったようです。

「馬と接することで、人が育つ」、馬の存在が正直な人の心を動かすように思える瞬間を感じる一日となったのです。 

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

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