令和2年2月 第16回 川と山のぎふ 自然体験活動の集い

開催した日:

今回で第16回を迎える『川と山のぎふ 自然体験活動の集い 』今回は「まざり場」と「リペア」が主題。

全国、世界でコロナウィルス感染が問題なる中、集まった仲間同士最善の対策を誓いつつ、最小限の人数で開催しました。

この集いに先駆けて、午前中はホールアース自然学校による『組織をリペア「事業企画と組織運営のポイント』を開催しました。

ホールアース自然学校の大武さん、山崎さん、NPO法人サプライスの飯倉さんによるワークショップです。

会場ではマスクを忘れてきた人のための無料のマスク、アルコール殺菌を設置して実施しました。

 

このワークショップは、来年度オープンするmorinosで活動できる団体を育成するためのプログラムで、民間団体が自立できるよう支援することを狙った企画です。

最初は各自の自己紹介からです。 9名の参加者がこれまでの経歴も併せて紹介しました。

次に、メイン講師の一人、飯倉清太さんからの情報

素晴らしい実績をお持ちの飯倉さん、「簡単に言うとアイスクリーム屋がゴミを拾っていたら、大学教授になっちゃった」などと、さらりと自己紹介されたのに始まり、「なるほど!」と思わせるお話しが続きます。

事業企画のポイントは事業性、社会性、自己実現が重要。

『ラーニングピラミッド』の話、つまり学習一週間後の定着率は、聞いただけなら5%しか残らない、読書なら10%、視聴覚なら20%、グループ討議なら50%、人に教えるとなると90%となる。

 

また人の話を聞くとき、質問を考えながら他の人の話を聞くと学習の定着率が上がるなど、学びのポイント教えて頂きました。

山崎さんからは、「より効率的に組織運営するのに何を考えるべきか」

「聴く」→「見つめなおす」→「わかちあう」→「一般化する」→「聴く」などポイントも示唆されました。

 

 

さて、午後から

第16回を迎える『川と山のぎふ 自然体験活動の集い 』の本番です。

全体の代表をつとめるODSSの北川さんが、これまでの経緯、今回のコロナウィルス対応など、様々なことに触れられ、続いて今回基調講演される工学博士の塩坂邦雄先生を紹介。

そして基調講演『地質が解ると山や森・川がもっと面白くなる』と題して、塩坂先生が基調講演されました。

先生は単に地質だけではなく、地質を起点に水や植物、昆虫に至る様々ン分野で環境アセスメントの実勢を持たれる方です。

プレートの中でフィリピン海プレートはエンジンを持たないこと、つまり自身で動いているわけではないこと。趣味のパラグライダーで空から地上を見ると、地質が良くわかることなど、とにかく話が面白い。

 

パラグライダーで飛んでいると、空からリニアメントが簡単に見つけられる。地質の破砕帯が良くわかり、糸魚川静岡構想線に現れるアルカリ玄武岩と堆積岩のポイントを見つけたことも話されました。

このアルカリ玄武岩の地域は静岡県では江戸時代の東海道「鞠子の宿」の場所で、ここはトロロが有名な場所、ここはワサビの名産地でもあり、このワサビが天城方面に持ち込まれ、長野県にも持ち込まれて行った。

標高2500mの山の上でも断層による破砕帯粘土層があるため不透水層となり、そこからしみ出るアルカリ性の水が貴重なヤマトイワナが生息する水域となっている。

そうした目で岐阜県の地質を見ると、また様々なものが見えてくる。

最近は砂漠地などでも利用できる、『セダムによる屋上緑化』にも取り組んでおられます。

セダムとは多肉植物で、通常の植物体による屋上緑化では200mm程の土壌が無いと緑化できないが、セダムは5mmあれば良い。

東京では1m2の屋上緑化に25,000円の補助が出る。セダムは3年で密植して他の植物が入れなくなるが、同時に込み過ぎると枯れ始めるため、新たに植えなおす必要がでる。

このほか、人工林を三角形に伐採しブナを植林する提案や、地下ダムについても説明されました。

 

午後、第二部では『地域をリペア』、『地球をリペア』、『心と体をリペア』、『自然との距離をリペア』、『木製品のリペア』のワークショップを実施しました。

私はまず、『地域をリペア』に出ました。

ここではお客様の”こころ”研究所の田村明先生、グリーンウッド自然体験センターの辻英之さん、森のなりわい研究所の伊藤栄一さん、(有)根尾開発の小澤健司さん、(有)古川林業の古川昌樹さんです。

 

田村先生からは水戸岡さんが手がけた九州の列車の事例から、木材を利用する付加価値、先を見越して考えなければ森は利用できないなどの話があり、

続いて、辻さんからは「子どもたちは樹木の名前ではなく、その木材の価値、つまり使える木材か、燃えやすいのか、そうした実際の利用面に注目する」こと。

薪としての視点から、立木の価値、山の価値、村の生活を作るため、と発展的に見ていくことについても話されました。

伊藤さんや、小澤さん、古川さんからも、それぞれの視点で、納得できる様々な示唆をされました。

皆さん共通して、山を楽しみ、楽しい姿を子供に見せることで地域が維持できる足掛かりとなることを述べられました。

 

次に訪れたのは、グリーンウッドワーク協会の小野敦さんと、森林たくみ塾の佃正壽さんによるワークショップです。この場所には、とにかく木製品が好き、木が好き、といった熱心な方々が集いました。

木製品と言えば、代表的なのは箸やお椀ですね。そした木製品のリペアで、「ものを大切にする心」も育つよねと・・・

さて、夕方になり、交流会をする前に、全体代表の北川さんから、今回の全体内容やワークショップの内容などについて、簡単な取りまとめがあって、「まざり場」として人と人が「リペア」したことを全員で共有しました。

今回はコロナウィルス感染問題で、多くの方々がキャンセルされました。キャンセルされる自己判断は正しい判断であり、是非、来年またご参加ください。また不運にもコロナウィルスに罹患されました方には、一刻も早く回復されますこと願っています。

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

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