「ピノキオを作ろう!」おとなと子どもの里山ナイフ教室(6月)

開催した日:

前日ギリギリまで、晴れるか雨かが読めなかった6月のナイフ教室。最後は雨は降っても極小・・という天気予報を信じて晴れプログラムでの開催に決めました。(この講座は晴れだと森の中で行い、雨だと屋内開催になるのです)

裏側のお話をこっそりさせて頂くと、毎回、開催の数日前にナイフ教室を行う森の一角の整備作業を数時間かけて行っています。せっかく笹を刈って会場づくりをしたのにー・・というだけではありませんが、やはり、参加者の皆さんに、人の手が入ってない森と人の手が加わっている森の違いを見て頂いたり、毎月少しずつ姿を変えていく森の姿を感じてもらったり・・そんな体験も大切にしたいのです。

今回も、愛知、岐阜の各地から関市の岐阜県百年公園まで足を運んでいただき、下は5歳から大人の1番上は60代までの方に森のナイフクラフトを楽しんで頂きました。

森の整備で材料採取

笹の下草刈りをして作業スペースを作り、小径木を材料に切り出します。

今回で3回目の里山整備地は、まだまだうっそうとした笹だらけの斜面です。そこにまずは剪定ばさみを持って分け入って、笹刈りを行いました。しばらく作業を進めると、何本かのタカノツメやコシアブラの木に手が届くようになり、今回はこれらの木をナイフワークの材料用にみんなで伐り出しました。

3回目になり、多少拓けてきました

整備作業も3回目になり、森も多少拓けてきました。

「開かれた里山」と言うには、まだまだ先は長いですが、少しずつ確実に森の姿が変わっていっています。伐り出した木を使いながら、人が入って居心地の良い森の姿に変えていく。そんなテーマで、この材料採取は行っています。今回は木を伐りながら「昔はこうやって木を使っていた」「地元の山にはこんな木が生えていた」といった木や山の話で参加者の方々が盛り上がったりする場面もありました。リピーターの方は道具を使う手際も良くなり、今後回数を重ねるにつれて、さらに森の姿は変わっていくんだと思います。

カジュアルに木を切るアクティビティ

カジュアルに木を伐るというのが、とても良いのです

身近なところにある森に少し人が手を入れる。それだけで、うっそうとした森や藪が人にとって居心地の良い森(里山)に変わっていきます。
このナイフ教室のテーマの1つは、森と暮らしの距離を近づけること。実は生活の近くに人が入ることができる自然があること。そういった場作りが、意外と簡単にできるんだーという意識が広がっていけば良いなと思います。

材料をナイフワーク用に切り出す

材料をナイフワーク用に伐り出す

山で切った木は1~1.5mくらいに切って運び出し、ナイフ教室の会場でさらに作業のしやすい長さ(20㎝くらい)に切り分けます。

子どものナイフワーク

最初に樹皮をナイフで削っていきます

材料の準備ができ、ナイフの使い方とピノキオの作り方のレクチャーが済んだら、ナイフを使ったピノキオ作りのスタートです。

ナイフ教室の集中タイム

ナイフ教室の集中タイム

このナイフ教室では、ざっくりとした作り方の説明は行いますが、「ここは○○センチで」といった細かい指導はありません。ナイフワークの作品作りはちょっとした削り方や削る量の違いで作品に個性が出てきます。ナイフ教室という名前は付いていますが、ここでは自由な作品作り、ナイフワークを楽しんでもらう事を大切にしたいと思っています。削っていくにつれて「こうしたい」「こんな作品が作りたい」という気持ちがそれぞれの中に生まれてきて、森の中に木を削る音、ナイフが削り台を叩く音が響き、徐々に静かになっていく・・この空気感、集中した自分と向かい合う時間が、このナイフ教室の魅力だと感じています。

少しずつ削って仕上げていきます

集中力が高まるピノキオも完成間近

ピノキオ出来たよ

完成したピノキオを並べて遊んでみたり

ピノキオ完成

首の部分も削って作っちゃいました

色も塗って完成

色付けやゴムを付けてデコレーション

カラフルなピノキオたち

カラフルなピノキオや作者そっくりのピノキオも!

お互いに完成したピノキオのカワイイポイントを紹介しました

最後は全員で完成したピノキオのカワイイポイントを紹介しました

子どもから大人までが交じり合っていると、お隣さんのように作れなくて涙を流してしまう子もたまにいます。でも、ナイフクラフトは失敗したら「ちょっと細い作品にしたら良いんだよ」「削りなおせば大丈夫だよ」「失敗してもいいんだよ」と伝えながら、必要に応じてスタッフも技術的なサポートしながら、それぞれのペースに合わせる形で楽しんでもらうよう心掛けています。結果として、また来てみたいな。ナイフ使ってみたいな。森に遊びに行ってみたいなー・・という風につながっていけば良いなと思っています。

参加者からは「(子どもが)なかなかうまく出来なかったけど、それも含めて良い思い出になりそう。最後は満足していました」「子どもと一緒に経験できて良かったです」「新しい削り方を教えてもらい、子どもが上達しているのがわかりました」といったご感想が聞かれました。楽しさや満足感の方向性はそれぞれに、この場を楽しんでもらえたなら、とても嬉しいです。

次回のナイフ教室は7月1日(土)に、今度は「フォークを作ってマシュマロを焼こう!」を開催します。
ご興味を惹かれましたら、お気軽にご参加ください。
お待ちしています!

森林文化アカデミー
木工専攻講師 前野 健

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