morinos試行プログラム『森と校庭で算数・英語』
開催した日:
昨日に引き続き、山本幹彦さんによるプログラム『森で算数・英語』を実施しました。
今日は岐阜県教育委員会の自然体験講座(2日間)の2日目です。今日は午前中に美濃加茂市の山之上小学校にお邪魔し、小学2年生と1年生の生活科の授業、1・2時間目と3・4時間目で、実際に子どもさんたちに『森で算数、校庭で算数・英語』を実践しました。
実は、山本幹彦さんやナバ先生は、早朝から山之上小学校に来ており、2年生に対して1時間目から森で体験授業を実施ししてから校庭に来たところで、私たちと合流。
そのため、森バージョンが無い途中からの報告です。
校庭では2年生がビブスを着用して、校庭の端にあるオナベ橋(蒲鉾型の鉄棒)にいるナバ先生にタッチして、戻ってくる体育的要素を入れて、戻ってきたらペアとなる友達を見つけて2人でしゃがむ。そして、ビブスに記された数値で足し算を、その数値を英語で発表する。例えば子どもたちが「8+6=14、英語でFourteen」と答えます。もちろん、ElevenとかTwelveとかも答えてくれました。他にも服の色や靴の色で、RedとかGreenとかも答えていました。
次はボードによるアクティビティ。次は「算数の時間」と聞いて、がっかりする子どもたちに、「でもゲームだよ」と言うと目の輝くが変わる。
2つのサイコロを転がして出た数値を足したり、引いたりして1~10までの数値を埋め、その上にドングリを置いて、隣のチームと競い合う。
さて、2年生が終了してから、今実施したアクテビティの改良点や良かった点を皆で共有し、改良方法も検討しました。
さぁ、1年生の登場です。
山本幹彦さんの案内で、校庭横の学校林に向かいます。森入り口では「山の神様に扮したナバ先生」がいました。子どもたちは「山の神様、お邪魔しまぁ~す」と挨拶をして入山していきました。
山本さんから、「これから目的地に着くまでに、一人一枚の葉っぱを採ってきて下さい」と子どもたちに伝えました。
山本さんが、「みんな、葉っぱ一枚持ってきましたか」と聞くと、みな嬉しそうに葉を掲げて見せてくれました。
実は、この前の2年生の時に「長いものを持って来てください」と声をかけた結果、2年生はとにかく自分が一番長いものを持ってきたと言われたいために、運びきれないほど大きなものに手を出したり、追い抜かされると、さらに長いものを再度持ってきたりしたので、今回は「葉っぱ1枚」としたのです。現場で多様に変化できる柔軟さが重要です。
子どもたちは「一番短い葉 ~ 一番長い葉」の順でサークルになるよう言われると、一生懸命比べ合いながら、自分の立ち位置を確認していきました。
その次は、「大きな葉の順だよ」と言うと、大きいって面積なのか、横幅なのか、どんな基準なのかも、子どもたちのなかで基準の決め方まで考え始める。
そして子どもたちが2グループに分かれて、自分たちの持っている葉を「何かを基準に分類」してもらいます。子どもたちは白いシートの上に置いた葉を、重さや色、太さなどで分類します。そして、「別のグループはどのような基準で分類したか」を推測します。
子ども同士で、どのように分類すべきかの議論が面白い。
次は「1mの紐を渡すから、その1mと同じ長さのものを探して見て」と言われて、1mの測り方も含めて考えます。子どもによっては、「自分の鼻までの高さ」とか、1mという長さの基準を実体験の中で学びます。
子どもたちが見つけてきた「1mのもの」を山本さんが、みなにシェアリングするように確認しながら、1mの長さを子どもたちに実感させます。
さて、「これから森を出ます」と言うと、「えぇっ、もっと森で遊びたい」と言われてしまいました。
さて、「これから算数です」と言われると、やはり子どもたちからため息が漏れる。
しかし続いて「ビブスを着て、算数や英語をやるよ」と言うと、また反応が良くなる。
子どもたちは2年生同様、オナベ橋にタッチして戻ってきて誰かと2人でペアになる。
そして最初はビブスの番号で足し算し、みなの前で「4+4は8、Eight」と答え、色もRedとかBlueなどと答えていました。
続いて、ボードによるアクティビティ。
森林文化アカデミークリエーター科1年生森林環境教育専攻の今井さんが、説明しています。
今回は2年生で実施した反省から、サイコロを振るエリアを作りました。説明方法やサイコロの見せ方も工夫させました。
1度経験して、2回目に入る前には、子どもたちが自主的に作戦会議に入りました。小学1年生にしてこの団結力、見事でした。
子供たちは、算数をやっている感覚ではなく、野外で楽しくゲームをしているような感覚で、「これで2時間経過したので終わりです」と言うと、「もっとやりたい」の連呼。
最後に、1年生徒の「ふりかえり」です。みな活発に手を挙げて、感想を言ってくれましたが、印象的な発言は1人の女子。
「私は算数が苦手で好きでなったけど、今日は算数が楽しく感じた」と感想を「言ってくれました。仕込んだような回答、期待した回答に、私たちも驚きました。
こうして午前中に山之上小学校での実践を終えたのです。
私たちは森林文化アカデミーに戻って、遅めの昼食をとりながらの「反省会&ふりかえり」を行い、午後からの実践に向けて相談をしました。
小学1年生に、「短い、長い、だいたい」の意味や使い方を理解してもらえてよかったとか、子どもたちが自然発生的に役割分担し、相談する姿に感動したなど、室内では見られない子どもの姿に驚きました。それと子供たち自身が、やらされている感がないことを実感しました。などの意見がありました。
午後からは幼児教育、小学校。中学校、高校に分かれて、アクティビティ実践です。オリジナルから改変して、各チームがそれを仲間に披露します。
4つに色分けされたカードと同じような色の物を拾って来て、それについて解説するゲームなど。
ゲームを披露した後の、改良点をみんなで探します。
すると、1~10までのボードを横に並べて、持ってきたものの数を目で分かるように並べてもらう案も出ました。
続いては、小学生用にボードのアクティビティを地面に書いて、各番号に複数人が入っていられるように改良したもの。ここでも数字のところで座るとか舘とか、数字を斜めに配置するとか、様々な改良ポイントが出されました。
次は中学校や高校のバージョン、中学校では「〇〇の仲間」で分類するとか、高校ではリンネの分類のように、「分類」を学んだり、自分たち流に分類したりを試すことができることも提案されました。
そして最後に、みなで記念撮影です。
先生方も自分が教鞭をとる学校では見せられあないほど愛嬌あるポーズで記念撮影に応じてくれました。岐阜県教育員会の試みにも感謝いたしました。
今回は山本幹彦先生、萩原ナバ裕作先生のお陰で、私たち自身も、互いに、楽しく、体験を通して学ぶことができました。
参加されました先生方も、今回の笑顔と同じ笑顔を戻られた教育現場で子どもたちと共有されますこと願っています。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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