森のじかん『高山市 龍華保育園の自然体験』
開催した日:
morinos出前授業『森のじかん』。今回は高山市にある龍華保育園での活動報告です。この保育園は、①自ら考え行動する子、②健やかな心と体の子、③食べることが好きな子に育ってもらうための「生きる力を育む」ことを保育目標にしています。

保育園を出発!
そんな龍華保育園の年長さん20人、年中さん31人とともに、石浦町の御旅所(おたびしょ)を目指して、荷物を載せたカートを引っ張って出発しました。今日は御旅所でいろんな植物について、体験を通して学んでもらいます。 御旅所(おたびしょ)は、神社の祭礼で神輿に遷った神様が一時的に鎮座する場所のことで、高山市で「御旅所」と言えば、日枝神社や水無神社の祭礼に利用される神聖な場所です。

御旅所の入口に到着したよ
御旅所に到着して最初に、『フクロウの染物屋』という日本の昔話の紙芝居を聞いてもらいました。
もともと野鳥はみな白色でした。フクロウが染物屋を始めたことを聞いた野鳥たちは、仲間を見分けられるようにと染めてもらいに来ます。そんな中、美しい白色が自慢だったカラスが来て、自分も他の野鳥のように美しい色を付けて欲しいと頼みます。
しかしカラスは色付けする度に、次から次へと色の付け方の注文を変えるため、とうとう真っ黒になってしまいます。黒くなったことに怒ったカラスはフクロウをつつくようになり、フクロウはカラスが活動する昼間はじっとしていて、暗い夜だけ活動するようになったのです。

「フクロウの染物屋」の紙芝居
続いて、画用紙に描かれたカラスに色付けチャレンジです。
そこで、「あっ、ごめんなさい。今日は色付けに利用するクレヨンや絵の具を忘れちゃった」と伝えると、園児たちが「それじゃ~、葉っぱで描けばいいじゃん」「花でも描けるよ~」と言ってくれたので、早速、画用紙を配って自然の材料で色付けに挑戦してもらいました。

葉っぱや花で画用紙のカラスに色付け
園児たちは、画用紙のカラスにいろんな色を付けるための雑草や花を探しに向かいました。普段は入ることもない、自分たちの身長より高く生い茂った雑草の中を、ずんずん進んでいろんな色を探していました。
普段は草が生え過ぎていて入るのをためらう場所でも、一生懸命に分け入って、知らないうちにいろんな種類の植物を見つけ出していました。

生い茂る雑草をかき分けて色付け用の葉っぱ探し
いろんな雑草がある中、紫色の美しいムラサキツユクサを見つけた園児たちは、「これがきれい」と言いながら、花を摘んで画用紙にこすりつけていました。
他にもツツジの花を見つけた園児は、朱色や桃色の花を摘んでいました。
緑色はヨモギがいいみたいで、園児同士で情報交換しながら色付けしていました。

ムラサキツユクサを見つけたぞ
みんなカラスをいろんな色で染めてくれました。全体を色づけした園児や、クチバシや足だけ色付けした園児、たくさんの色で翼を染めた園児など、それぞれ特色あるカラスに染め上げてくれました。

色付けした画用紙を見せてくれる園児たち
次に観察したのは、御旅所にあったアカマツとチョウセンゴヨウです。アカマツは2本の葉に「二葉松」、チョウセンゴヨウは5本の葉の「五葉松」です。
葉の長さはアカマツの方が長いので、最初にアカマツの落ち葉で「松葉相撲」をしてもらいました。

マツの葉について学ぶ
アカマツの根元で拾った葉で松葉相撲に挑戦です。
2人がお互いに協力して葉を組合せなければ、相撲ができません。こうしたちょっとした共同作業も重要な学びになります。子どもたちは何度も来ている御旅所ですが、松葉相撲は初めての体験だったようです。

マツの葉で「松葉相撲」
次に、チョウセンゴヨウの下へ行くと、よく見ると大きま松ぼっくりが落ちていました。葉の長さはアカマツより短いですが、松ぼっくりはアカマツの3倍くらいの大きさです。
このチョウセンゴヨウの存在には、園児も保育士の先生たちも初めて気づいたようです。なお、チョウセンゴヨウの松ぼっくりはヤニ(樹脂)だらけで、手や服につくと大変です。

チョウセンゴヨウの説明を聞く園児たち
チョウセンゴヨウの葉でも松葉相撲をしてもらいました。これでチョウセンゴヨウの葉の強さを感じ取った園児に、
「このチョウセンゴヨウの葉と、さっきのアカマツの葉のどちらか強いと思う葉を1つ拾ってきて」
と言うと、各々アカマツの根元やチョウセンゴヨウの根元に行って葉を拾ってきて、お友だちと松葉相撲をしました。なお、勝った園児へのご褒美は、morinosのスラッシュ松ぼっくりです。

自分の信じる葉で「松葉相撲」
最後に、「お宝探し」です。
ここにはチョウセンゴヨウやアカマツの松ぼっくりだけでなく、ナンテンハギ(あずき菜)やムラサキツユクサ、アザミの紫色の花、どんぐりなど、いろんなものが落ちていました。
ササもたくさん生えていたので、園児たちと保育士さんで「笹飴」を作って「お宝」にしていました。

ササでつくった「笹飴」
最後に、御旅所の象徴でもあるソヨゴ(正五位:しょうごい)の前で記念撮影です。
高山市をはじめ飛騨地方では、寒さのためサカキが育たないため、代用としてソヨゴ(冬青)を神前に供えます。これは「ショウゴイ」「ショウゴエ」と呼ばれ、古くから神棚のお供えや神社の例祭、玉串として利用されてきた、神事に欠かせない必需品として大切にされてきました。

ソヨゴ(左後ろの常緑広葉樹)の前で記念撮影
記念撮影後に、みなんなでお宝を持って、2台のカートを引いて保育園に戻って行きました。
以上、報告はJIRIこと川尻秀樹でした。
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529



