山を歩いて、作って、食べてのナイフ教室「ナツハゼジャムを食べるジャムスプーン作り」

開催した日:

セラミックパークMINOで開催した2回目のナイフ教室のレポートです。(前回の活動はこちら)
この活動は施設管理者の方や美術館職員さん、地域の方々と活動する「セラパークあそび隊!」とのコラボ企画で実施しています。セラパークあそび隊は施設とその周辺環境を活用した楽しみ方の提案や、地域の文化や芸術に楽しみながら触れられるような企画をしていて、森林文化アカデミーの教員、学生もそれに関わらせてもらっています。

この企画が動き出したのは今年の2月25日のこと。犬のタローとジローを作りながらのスタッフの雑談中に、ジャム作りがお得意な美術館職員さんがいらっしゃったことが発覚しました。それを聞いた施設管理の方が「敷地内の木で、夏過ぎなら採った実でジャムを作れますよ」と、雑談が転がりだしたのがきっかけ。そしたら話は盛り上がってしまい、木の実がなるシーズンから逆算する形であれよあれよと雑談は企画に、企画は「講座」というふうに名前が変わって、参加者の募集が始まりました。察しの良い方は気付いてしまったと思いますが、今回はあそび隊スタッフたちがセラパでできる「好きな遊び」をくっつけたまんまの企画だったんです。

犬のタローとジロー

犬のタローとジロー

そんなこんなでむかえた「おとなと子どもの里山ナイフ教室」。たった2時間しかない枠の中に「森の散策をしてナツハゼの実の収穫体験」「ジャムスプーン作り」「ジャム作り」「試食タイム」とぎゅうぎゅうにやることを詰め込んだ欲張り講座がスタートしました。

ナツハゼの実を収穫!

ナツハゼの木から実を収穫。すっぱい!!

セラミックパークの緩やかな傾斜の散策路を歩いていくと、展望台のほど近くに1本の木が生えています。この木が、今回ジャムの材料になる木の実を付けるナツハゼという木です。実の熟すタイミングには少し遅れてしまったのですが、探してみるとちらほらと程よく熟した紫色の小さな木の実が見つかります。さっそくとった実を口に含んだ参加者からは「すっぱーい!」という声が。そう、自然の木の実の味って「食べられる」と言われるものでもこんな味なのです。果樹として育てられている木は人が長い時間をかけて苗や種を選抜し、えり抜かれた高糖度の品種であることがほとんどです。そして、この酸っぱい木の実のジャムをこれから食べるのか・・という現実を知って、若干テンションの下がる一部参加者もいたりしましたが。それはさておき、地域一円を見渡せるセラミックパークの展望台で景観を満喫して、みんなで調理キッチンのある建物へと戻ってきました。

ナツハゼに似ているけど違う木の実は髪飾りに

ナツハゼに似ているけど違う木の実は髪飾りに

これがナツハゼ

これがナツハゼの実

ちょっと疲れた体に休憩を挟み、ジャム作りは本日のシェフである美術館職員さんチームにお任せすることに。

本日のシェフ

本日のシェフたち。真剣です。

参加者の皆さんは、ここから試食用のジャムスプーン作りスタートです。

この日のナイフ教室は、森林文化アカデミー卒業生、かのちゃんが指導にあたります。いつものように、ナイフの使い方、安全に行うためのポイントを確認したら、それぞれ「タカノツメ(木の名前)」「ウワミズザクラ」「イソノキ」から材料にする枝を選んで、枝を半分に割るところから作業を始めていきました。

ジャムスプーン作りスタート

山から戻ってきたら、さっそくジャムスプーン作りスタートです。

木を割るところから

ナイフ教室では普通によく見る木を割る作業

以前に自分で作ったクサビで木を割る参加者も

自分で作ったクサビで木を割るのも楽しい体験(クサビは以前のナイフ教室で作ったもの)

削り台を上手に使って削っています

削り台を上手に使って削っています

難しいところはフォローしつつ、でも自分で作っていくのが基本です

難しいところはフォローしつつ、でもみんな自分で作品を作っていくのがこの講座の特徴です。

ナイフ教室で教えるのは基本の形だけ。後は好きに工夫して完成させます。

ナイフ教室で教えるのはジャムスプーンの基本の形だけ。後は好き好きに工夫して完成させます。

そんな風にして、ちらほらとみんなのジャムスプーンができあがったころ・・ちょうどナツハゼのジャムの方も完成しました!

ちなみに今回、シェフに作って頂いたジャムは午前の部が「白糖+ナツハゼ」のジャム「ソヨゴのはちみつ+ナツハゼ」の2種類のジャム。午後の部が「白糖+はちみつ+ナツハゼのジャム」とブルーベリーのジャムの2種類です※ナツハゼの実とブルーベリーは事前に収穫したものを主に使いました。食べ比べてみると、見た目はまったく同じなのですが、味わいはまったくの別物!はちみつはコクのある味で白糖だとすっきりした甘さに。ブルーベリーはソヨゴよりもフレッシュな瑞々しい印象の味でした。個人的な好みで言うと、はちみつと白糖の良いところ取りのブレンドジャムがほど良い甘さで美味しかったです。

ナツハゼジャムのお味は・・

ナツハゼジャムのお味は・・

ナツハゼジャム、おいしい!

ナツハゼジャム、おいしい!

木の実をそのまま食べたときは酸っぱかったナツハゼも、砂糖と一緒に煮詰めると、甘いおいしいジャムになります。

この後は皆で食べ比べ。クラッカーにそんなにジャムって盛るもの?というくらいに大盛りにして、皆さん美味しそうに満足するまでジャムを楽しんでもらいました。

ナツハゼジャムどーん!

ナツハゼジャムどーん!

どっちのジャムが好きかなー

どっちのジャムが好きかなー

大人の方は気持ち、少なめに・・多分、これくらいがほど良いバランス

大人の方は気持ち、少なめに・・多分、これくらいが甘みのほど良いバランス

素敵なジャムスプーンが・・

素敵なジャムスプーンが・・(ウワミズザクラ)

完成しました・・!

完成しました・・!(イソノキとタカノツメ(右側))

参加して頂いた皆さんから頂いた感想をご紹介します。

  • 今日のスプーンは家でも使えるので良かったです!
  • ナツハゼジャムが思った以上に濃厚で美味しかったです。
  • ジャムスプーンは子どもには形のイメージをつかむのが難しかったかも・・家にある木で、もう1度一緒に作ってみたいと思います。
  • ちょっと難しかったけど、楽しかった!
  • 自分で作ったジャムスプーンだから、持ちやすいし食べやすい
  • ナイフで木を削るのは楽しくて時間を忘れてしまいます!
  • 森の散歩も楽しかった。スプーン作りでは子どもの自信につながるような声がけをしてもらえてありがたいです。

などなど

ジャムスプーンの製作面にはちょっと難しい要素もありましたが、皆さん素敵な作品が完成して、山の味も楽しんでもらえて、とても楽しく過ごして頂けたようです。今回の企画は、運営サイドもとても楽しくてはまってしまったような感じもあります。もしかしたら、1月ごろに再び「食」がテーマの企画のアナウンスをさせて頂くかもしれません。そちらも楽しみにお待ち頂けたらと思います。

ご参加頂いた皆さま、また企画にご協力頂いた皆さま、どうもありがとうございました!

ナイフ教室終了後・・あれ?

ナイフ教室終了後・・あれ?

今回は会場も空調が効いて快適だったこともあって、残業して製作に取り組む方々も‥こうやって、ナイフクラフトを楽しんでもらえる場が増えていくと良いなーと思います。

森林文化アカデミー
前野 健

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開館時間:10:00 〜16:00
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岐阜県立森林文化アカデミー
ぎふ木遊館
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