ツキノワグマの掌・足剥製標本づくり2回目

開催した日:

 先週に引き続き開催した『ツキノワグマの掌・足剥製標本づくり』2回目

 本日は前回剥皮して骨抜きした毛皮を漬けておいた「鞣し液」から取り出し、それを最初に①毛糸用の洗剤で洗濯して、次に②トリートメント処理、最後に③脱水機にかけて、縫合の準備は整いました。

 縫合に用いるのは、三角針(革針)と蝋引きの麻紐です。

クマの掌・足の剥製標本づくり2回目

クマの掌・足の剥製標本づくり2回目

 

 全員が何も語ることもなく、もくもくと縫合処理していました。今回の参加者はみなうまく剥皮されたため、2度目の剥皮修正する手間が無く、非常にスムーズに縫合が進みました。材料に用いたツキノワグマの掌や足は、1歳のもの3歳のもの、そして5歳以上のものまで、大きさがバラバラです。

 100kg級の大きな個体の掌にチャレンジされた男性が手にするツキノワグマの掌は、近年では最大級のものでした。1つ縫合し終わったので、ご夫妻での記念撮影をリクエストしました。

       縫合途中のツキノワグマの掌を見せて下さったご夫妻

 

 

 昨年に引き続き2回目のご参加の方は、ニホンジカでなれておられるため、順調に縫合されていました。

 縫合は革の外側から縫うと、毛が邪魔して針通しが難しくなりますし、また毛が針に沿って内側に入り込みやすくなるため、必ず内側から外側に向かって針を通します。

       2歳のツキノワグマの掌・足を縫合する参加者

 

 まだ1歳(生まれて1年8か月ほど)の子どものツキノワグマの掌・足を選ばれた女性は、「若い個体だったので針通しが楽だった」と仰って、手早くニホンジカの足の縫合にも着手されていました。

 

 

 

 上記の方は前回剥いだ肉付きの骨を持ち帰り、しっかり掌の骨格標本づくりにも挑戦されていました。どうも大半の骨があるようですが、一部消失している部材もあります。

 しかし初めてチャレンジしたとは思えないほど、きれいな骨標本を作製されていました。

          骨標本と骨を抜き取った毛皮標本

 

 

 下の写真は、参加者の指導の合間に、私が作成したツキノワグマの掌と足です。

 右側が前足、左側が後ろ足です。少しややこしい話ですが、右の前足は実際はツキノワグマの左前の掌です。

 そして左側の後ろ足は左後ろの足です。

        3歳のツキノワグマの前掌と後ろの足

 

 最後に、本日の完成品を持ってみんなで記念撮影。

 前回出席されましたが今回は出られなかった飛騨市河合町の方を除いて、田中正至先生と一緒に記念撮影しました。全員がツキノワグマの掌と足の2つずつ完成させました。

 あとは剥製標本の乾燥です、乾燥の途中段階でしっかり成型して完成です。

 

 さてさて、前回に引き続いての剥製標本づくり、本来捨てられる運命かもしれないものを、毛皮標本として有効利用できました。2回にわたってのご参加、誠にありがとう御座いました。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

 

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