摩擦発火と焚火マンダラ第2弾

開催した日:

 TVチャンピオン・サバイバル野人王選手権の優勝者である大西琢也さんによる

摩擦発火と焚火マンダラ第2弾!

 本日は3組の方々が「発火」と「焚火」の極意を大西さんから学びました。

参加者から「焚火」についてお聞きする大西さん

参加者から「焚火」についてお聞きする大西さん

 

 摩擦発火とは木材と木材の摩擦による発火(火起こし)です。

 最初に参加者から、初めて焚火をしたのはいつか。どんなところで焚火したのか。火をつける道具と言えば何を思い浮かべるか。火の使い道はどんなことがあるのか。を出してもらい、次に「本日はどんな焚火術を学びたいのか」をお聞きしました。

 参加者の中には「濡れた木材でどう焚火するか」を学びたい。

 「火の粉が飛んで危ないけど、どうしたら良いか」、「煙が出て困るけどどうすれば」

 「もう止めたいのに、まだ燃えているのをどうしたら良いのか」など現実的な意見も出ました。例えば③は最初から燃やす量を考えられること、②は最初に風向きや薪の湿り具合を見ることで対応できますよね。

「火」で何ができるのかの出し合った参加者の意見

「火」で何ができるのかの出し合った参加者の意見

 

 さて、本日の焚火について参加者に御聞きすると、材料はすべて自然から取ってくる。

自分で焚火を組む、と言う方がほとんどでした。

 そこで大西さんが、「桃太郎のお話しで、お爺さんは山に〇〇に」と投げかけ、この〇に入る「シバ」の漢字を「柴」と書くと、全員が「芝」でないと初めて聞く状態でした。山の刈柴は樹木の小枝なので「柴」なんですよ。と言いながら、全員で森に薪拾いに行きました。

森で材料を集める参加者

森で材料を集める参加者

 

 薪を集めて来たら、ペアで「どんな目的」で、「何を拾ってきたのか」などの薪(たきぎ)に対する目の付け所をシェアリングです。

 講座の初めに大西さんが説明された、①火口(ほくち)になるものはあるか? 次に②爪楊枝サイズの細い枝はあるか? そして③鉛筆サイズの枝はあるか?

 この段階で材料が仕分け(分類)されていれば、準備万端なのですが・・・段取り八分です。

集めた材料について説明する参加者

集めた材料について説明する参加者

 

 各自がどのような目的で薪を組んだのか、大西さんに説明していきます。

 焚火に必要な3要素は、①熱、②空気(酸素)、③燃料 に対して、それを有効に活用するための組み上げが問題です。

 まずは焚火する場所は適正か、着火箇所の燃料材は適切か、上昇気流が出やすい構造か、などなど確認しながら各々の組み上げを確認しました。

集めた材料で焚火できるように組んでみる参加者

集めた材料で焚火できるように組んでみる参加者

 

 大西さんから、焚火をするための薪の置き方が「合掌 ー 閉傘型」とか、「並列 ー 2本枕型」とか、説明を聞く中でその組み方の特徴を学びます。

 例えば「合掌 ー 閉傘型」は早く燃えるが、薪を多く使う可能性がある。また薪を追加することを想定して、焚口をつくれば一層良くなる。

各自が組んだ焚火の形など特徴を説明する大西さん

各自が組んだ焚火の形など特徴を説明する大西さん

 

 スギやヒノキの樹皮(外皮)を焚きつけに用する場合は、しっかり樹皮を揉んで綿状に解すと良い火口になります。

 燃やした時に煙が多ければ、燃料材に水分が多いか、もしくは火床の下が湿っている。ではどのように乾いた条件を作るのか。

 燃えてできた熱を薪に反射させているか。様々なことを考えながら着火させると、炎の上がり方でもっと通りにできたかどうか分かります。

実際に焚いてみる参加者

実際に焚いてみる参加者

 

 午後からは「発火方法」についての説明。

 今回は参加者がやってみたい方法で発火させますが、最も古い発火法の「火溝式」はハワイやバヌアツ、トンガなどで利用され、下側の木材は年輪が無いような樹種が良く、バヌアツなどではハイビスカスが利用されているそうです。

 「弓錐式」はエジプトなでも利用されている方法ですが、弓材が手に入り難い北極圏では動物の肋骨を弓にしているそうです。「舞錐式」は江戸時代に開発された方法で意外にも新しい技術なのです。

 両手で錐を揉んで火種を作る「錐揉式」では、今回はキブシを使い、火錐臼(火錐板)にはスギを利用しました。

 大西さんが参考までに硬い石で鉄を削る「火打石」も紹介。群馬県高崎市の吉井本家「火打金」は炭素を多含み、これとメノウやチャートなどの硬度7以上の硬い石とで打ち合わせれば、火種が出ることも説明されました。

摩擦発火について講義する大西さん

摩擦発火について講義する大西さん

 

 「錐揉式発火法」について、両掌でウツギの火錐棒をスギの火錐臼で回転させると、もくもく煙が出て来るはずです。

 大西さんが軽く錐揉みすると、削り出された木屑から煙が立ち上ります。大西さんが本気で発火させると5秒台で火種ができるのです。

錐揉式発火に使う棒を選ぶ参加者

錐揉式発火に使う棒を選ぶ参加者

 

 参加者が錐揉式発火を試みますが、なかなか煙が出ません。

 スギの火錐臼は板厚2cm、臼皿は5~7mm、三角の切り出しは正三角形です。

 火種を作るポイントはウツギの棒を上から下に揉み下ろす時に、手の平(掌)全体でしっかり回転するよう、真っすぐに揉み下ろすことです。

 無駄に腕に力が入らないこと。それを注意しながら木屑を溜めていくと、時間に差はあるものの煙が出始めます。

手で錐揉発火挑戦する参加者

手で錐揉発火挑戦する参加者

 

 弓錐式で挑戦していた方が最も早く火種を作り、麻に包んで見事に発火させておられました。この方は前回の講座にも参加され、錐揉式は体験済みでした。

弓錐式発火で火種をつくって麻に包む参加者

弓錐式発火で火種をつくって麻に包む参加者

 

 多くの方が錐揉式発火法にチャレンジしておられました。

 火錐棒を真っすぐ安定して回転できないと、煙はなかかか発生しませんが、下の写真で少し煙が出始めたのが写っています。

錐揉で煙がっ出始めた参加者

錐揉で煙がっ出始めた参加者

 

 今回は午後から雨模様でしたが、そんな悪条件でも見事に着火できました。

 火種を麻で包んでグルグル回すと煙が少しずつ増えてきます。そして一気に着火して麻が燃え上がるのです。

火種を朝に包んで空気を送り込んでいる参加者

火種を朝に包んで空気を送り込んでいる参加者

 

 最後に大西さんから、「本日のまとめ」と「みなさんの疑問」に対するコメントタイム。

 火の管理には①技術的問題 と ②適応課題 があることも説明されました。

本日のまとめをする大西さん

本日のまとめをする大西さん

 

 最後にJIRIから、「火を囲むこと」「焚火を囲むこと」の価値を考えて欲しい と伝えました。

 焚火を囲んで人がサークルになれば、自然に素直に話せ、人の話も素直に心に届く、「火」にはそんな力があるのです。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

 

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