morinosカフェVol.11「好きなことを仕事にしよう―ナリワイ始めませんか」実施しました

開催した日:

 連日の猛暑から一転、終日雨で若干しのぎやすくなった7/3(日)、12名の参加者でmorinosカフェを実施しました。
 今回のテーマは「ナリワイを始めませんか」。
 ゲストは井東敬子さん(鶴岡ナリワイプロジェクト代表)。大手旅行会社、民間自然学校を経て、2011年に東京から山形県鶴岡市に家族で移住しました。

井東敬子さん

 冒頭、鶴岡市に移住するまでの経緯を紹介してもらいました。
 大手旅行会社(JTB)に就職した井東さんは、営業成績でトップをとるなど華々しいOL時代を過ごしていました。その後、静岡県に本拠を置くホールアース自然学校に転職すると、生活は一変します。

 富士山を仰ぎ見る環境で、青木ヶ原樹海の洞窟探険ツアーのガイド(インタープリター)として、中高生を相手に連日駆け回る日々でした。また、各地で行った自然体験活動指導者の養成事業が、ナリワイ起業講座の運営に役立ったと井東さんは言います。

ナリワイ起業とは

 ナリワイ起業とは、自分の「好き」を地域の「ささいな困りごと」の解決に活かすことで、月3万円程度の収入を得ることを目指します。この月3万円は、藤村靖之さん(非電化工房主宰)の著書『月3万円ビジネス』を参考にしたそうです。

 2015年からスタートしたナリワイ起業講座は、これまで11期・77名の卒業生を輩出しています。講座では「自分から動く人」を増やすことを目的としており、これまで継続率79%、本格起業21%、副業率100%(2021年3月現在)といずれも高い数字となっています。年代は30代が最も多く、次いで40代、20代と比較的若い世代がナリワイ起業に取り組んでいます。

 ところで、いざ「起業しましょう」となると、「1人じゃできない」と尻込みする人が多いそう。そこで井東さんは2014年「部活のノリでプチ起業しよう」と呼びかけ、まずは手軽にできそうなことで起業することを実践したそうです。例えば、余っている柿を農家から無料でもらい、干し柿にして販売する「干し柿部」など。「ちょっと失敗しても、部活だからいいか」という気軽な気持ちで、「失敗O.K.」と言い続けたそうです。

 でも井東さん自身は、起業を教える経験がなく、どのように指導してよいのか分からなかったそうです。
そこで活かしたのが、かつての樹海ガイドや研修でのファシリテーターとしての経験でした。場を創ることで、勝手に参加者同士が話をし始めて、自分の好きや得意なもので、相手の苦手や足りないものを補うチームができました。
「大御所の先生を読んで講演会を開いて、盛り上がっても起業した人はいなかった。でも、参加者同士を自由に話す機会をつくったら複数の起業が起こった。このままやめてはもったいない。」
トヨタ財団の支援を受けてさらに2年間続けることになりました。

 井東さんから、ナリワイ起業の4つの特徴を挙げていただきました。
1.みんなでわいわいつくる(みんなで仲良くしなくてもいい)
2.売る=役に立つことが実感できる
3.60点で始める(100点を目指さなくてよい)
4.お客さん2人から始める(たくさん集めなくてよい)

干し柿からの商品例

 その後、起業講座を経て庄内地域に4つのお店がオープンしました。商店街にカフェと花屋を起業した人の下には、子育て中のお母さんが集まるようになりました。今では商店街で賑わうお店の1つになっています。他にも、農家から柿の木を譲り受けて干し柿入りエナジーバーを作った人。雑草や摘果した柿の実で素敵なフラワーアレンジメントでリースを作った人。それぞれが、自分の「好き」をちょっとした困りごとに掛け合わせて、プチ起業をしています。

 ナリワイ起業を通じて「働く」ということの意味を、問い直すことになると井東さんは言います。単にお金を得るための手段だけでなく、仲間の存在や自分が役立っていることを実感すること。地域の中での居場所や、セーフティーネットが作られることにもつながっているといいます。

ナリワイ起業で得られるもの

 地域には問題(困りごと)があふれています。井東さんは問題があっても放置されない地域にしくていくことが大切と言います。絵本『スイミー』に描かれているように、1人1人の力は小さくとも、それぞれが自分で考え、判断し行動していくことを目指しています。

 「鶴岡にだけ起業したい人がたくさんいたわけではない。」と井東さんは言います。地域には好きなことを活かして何かやりたい人がたくさんいるけど、きっかけがないだけだと。場を創ることで応援する人が現れ、動き始めている鶴岡市の例を紹介することで、参加者の胸に「何かできそう、できるかもしれない」というきっかけが、確かに生まれたと感じた2時間でした。

カフェの様子

【参加者の声】※アンケートより抜粋
・井東さんの人柄に魅せられた方が多い事。あまり考えこまず、まずは声出して手を挙げてやってみる。自分でハードルを上げすぎない事を感じました。
・井東さんの伝えたいことがわかりやすく、話が聞きやすかった。話し方がうまいなーと思いました。ナリワイをやりたいと考えたときに、失敗する要素ばかり考えて結局やらない、となりがちだ。小さく始める、60%でいい、などとりあえずやってみようと思えた。

報告者:大武圭介(ウォーリー)NPO法人ホールアース研究所


morinos
  • モリノスfacebookページ
  • モリノスYouTubeチャンネル

住所:〒501-3714 岐阜県美濃市曽代88番地 (森林文化アカデミー内)

MAP

電話番号:0575-35-3883

ファックス:0575-35-2529

Address : 88 SODAI, MINO-SHI, GIFU-KEN, ZIP# 501-3714 JAPAN
Phone : +81- (0)575-35-3883
Fax:+81-(0)575-35-2529
岐阜県立森林文化アカデミー
ぎふ木遊館
Sustainable Development Goals