百年公園『里山林整備講座』令和4年度最終回

開催した日:

 岐阜県関市にある岐阜県立百年公園管理事務所とmorinos連携講座である『里山林整備講座』。

 今回は3回目(本年度最終回)で、現場での伐採などを実施する予定でしたが、接近する台風の影響で急遽室内講義中心に変更して開催しました。

里山林整備講座最終回里山林整備講座最終回

 

 今回の講師はJIRIです。最初に里山林と言うより、広葉樹林を管理するのにどのような考え方が必要かを講義しました。

 どんな森林整備も『目的』『目標』があるはずです。これを決めないで行き当たりばったりの整備に向かって失敗している事例を見たことがあるので、どのような目的で、最終目標は何なのかをしっかり検討することを再確認しました。

 次に広葉樹林を整備する場合、①既存の広葉樹林を改良するのか、②広葉樹伐採地から前生稚樹利用するのか、③これから森林を形成するのかによって、考え方が違うこと。そしてすべてにおいて科学的根拠を持つことを確認しました。・・・話が進んで、広葉樹に巻き付いているツル植物を切除するか否かについてなども確認。ヤマフジとフジの違いなども確認しながら、ツタウルシ、ツルアジサイ、サルナシ、ツタなどのうち切除すべきか否かを確認しました。

里山林整備で木に巻き付いたツル植物に対する考え方

里山林整備で木に巻き付いたツル植物に対する考え方

 

 広葉樹林整備はスギやヒノキなど針葉樹林整備よりもいっそう厄介です。参加者は様々な科学的根拠収集のためしっかりメモを取りながら、内容確認していきました。

しっかりメモをとる参加者

しっかりメモをとる参加者

 

 午後からは参加者の1人が抱える問題、「滋賀県長浜市菅浦」の里山林整備問題に的を絞って全員で検討しました。琵琶湖の北端に位置する菅浦は1970年までは道路も無く、舟で他地区へ行き来していた。現在70世帯、140人が暮らしているが高齢化率68%で、若い人は小学生が2人、20代が2人という地域です。

長浜市菅浦の事例紹介

長浜市菅浦の事例紹介

 

 菅浦地区は江戸時代以降水田は無く、琵琶湖での漁以外では、薪炭材利用のクヌギ林整備などをしており、戦国時代にはシナアブラギリの導入による油木生産、桑畑などで昭和期には温州みかんやハッサクなどの柑橘栽培をしてきた歴史あがります。

 しかし現在の住民は、森林そのものやクヌギ林、残された柑橘類には興味がなく、大半が放置された状況の中、長澤さんたちはクヌギ林の整備や残存するハッサクを管理している。菅浦の説明をする長澤さん

菅浦の説明をする長澤さん

 

 昨年800kgのハッサクを出荷したそうで、そのハッサクを収穫した場所の1つが下の写真の現場です。多くの現場は放置され、タケやススキが侵入して荒廃していたり、台風で折れたクヌギやスギが倒れ込んでいたりしていました。

ハッサクの植わった現場の写真

ハッサクの植わった現場の写真

 

 3か所について説明を受けた結果、現場現場での問題点を書き出すと、隣接するスギ林の対応、クヌギ林を更新させるか否か、更新させるならどのような方法で、道路から80m上にあるハッサク畑を今後どうするか。タケが侵入して竹藪化している現場をどうするか。などについて、参加者全員で検討しました。3か所の現場での問題点

3か所の現場での問題点

 

 最後に、里山林整備の問題は、現場現場によって異なり、一律同じ手法で向かうのは意味がありません。今回も滋賀県や三重県、岐阜県内でも岐阜市や美濃加茂市、御嵩町、白川村の方々参加して下さいましたが、各自が抱える問題が違うだけでなく、現場の地質、歴史、植生も大きく異なるので如何に現地現物主義に立脚した対応ができるかが重要となります。

 今回参加して下さったみなさん、百年公園事務所のみなさん、ご苦労様でした。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

 

 

 

 

 

 

 


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