『蜘蛛の雲隠れ』でクモ探しました。
開催した日:
意外に知られていないクモ(蜘蛛)、そのクモがどのように隠れているのか、どんなクモがいるのかを探ります。
NPO法人 ふれあいの森自然学校の中山久二夫さんをメインに、morinosとの連携事業による講座です。
ガイダンスの後に、本日の題材であるクモ(蜘蛛)について問題です。
『蜘蛛の体を紙に描くとどうなりますか』と中山先生に言われ、参加やは自分が知っているクモを絵にしていました。昆虫は頭+胸+腹の3つからなり、足は6本なのですが、クモは違います。
クモの体は頭胸部+腹部の2つからない、8本の足は頭胸部から出ています。
眼も2つではなく4対、8個あります。多くの昆虫のように複眼ではなく、単眼なのです。
室内で基礎知識を確認してから、木材置き場の方にクモを探しに行きました。
ここではゴミグモ(塵蜘蛛、芥蜘蛛)がたくさんみつかりました。
ゴミグモの学名はCyclosa octotuberculataで、クモ目コガネグモ科ゴミグモ属に属するクモ、またはゴミグモ属のクモの総称です。
ゴミグモは網目にいろんなゴミを付着させ、鳥や他の昆虫から自分の存在を見破られないように工夫しています。
木材置き場でギンメッキゴミグモなど、いろんなゴミグモを観察しました。
観察の途中で、「昆虫は複眼だから、万華鏡を覗いた見える」、「クモは単眼だけど8つあるから万華鏡を覗いたのと同じかな」と言いながら、花びらや葉をちぎって自分だけの万華鏡をつくり覗きました。
筒を覗いて自分の世界にひたる参加者
筒の中身は人によって違います。
最初は自分だけの万華鏡を楽しみましたが、全員で円陣を組みそれぞれ隣に渡して他の人の万華鏡を覗かせもらいました。下の写真はプレーナー(自動かんな盤)の屑とシダ植物を入れたものです。面白いですね。
枯れて黄色くなった葉を入れてみたのもです。
同じ葉っぱだけですが、予想以上にきれいでした。
ところどころでクモを見つけましたが、どこにでもいたのがゴミグモでした。
ちなみに本日見つけたクモは、①ギンメッキゴミグモ、②ウロコアシナガグモ、③サラグモ、④アシナガグモ、⑤アリグモ、⑥ヒメグモ、⑦コモリフクログモ、⑧ハシリグモ、⑨キハダエビグモ、⑩オナガグモなどが見られました。
写真には撮影できませんでしたが、多く見られたギンメッキゴミグモの大きさは5mm前後、腹部は銀色でかなり目立ちます。垂直の円網を張り、網の縦糸のにゴミを付けたりしていることもあります。このクモは他のクモと違い、網の中心で頭を上にして止まるのも特徴です。
いたるところで見られるゴミグモ(頭を上にして待機している)
morinos沿いの道路にはアリグモがいます。
ここでは中山先生がクモだけでなく、虫の見つけ方について詳しく説明されました。その後に子どもたちはクモの網目を探すだけでなく、草の下や木の幹を見てくれるようになり、より一層多くの虫を見つけるようになりました。
森林文化アカデミーのテクニカルセンター前では、少し大きなザトウムシを見つけたお子さんがいました。
これはゴホントゲザトウムシです。
ザトウムシはクモガタ綱ザトウムシ目の節足動物の総称で、頭と胸、腹部が1つになっているのが特徴です。漢字で「座頭虫」と表記され、ほぼ盲目で長い足を使って前を探るようにゆっくりと歩きます。
ザトウムシの多くは肉食性であり、弱った虫や動きが鈍い虫などを捕まえてエサとしています。また、死んだ昆虫やキノコの真菌などをエサとしているオオナミザトウムシなどの種もあり、ザトウムシは森の掃除屋さんと呼ばれることがあります。
さて、本日のクモとは関係ありませんが、スペシャルポイントで中山先生がユキヤナギについたヒモワタカイガラムシについて説明してくださいました。ヒモワタカイガラムシ(Takahasia japonica)はカタカイガラムシ科ヒモワタカイガラムシ属の昆虫で、白いリボン状の卵嚢を4~6cm伸ばして輪のようになるのが特徴です。卵嚢の中に1雌あたり黄色い卵を3000個産んでいることもしばしばです。
最後に今日の講座のしめくくりです。何が面白かったのかを含めて感想を共有して講座を終えました。
さて、中山先生による講座、次回は6月12日(日)の『山の野鳥を探そう』です。まだまだ応募できますので、morinosのホームページからエントリー(https://morinos.net/events/5562/)してください。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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