世界に1つだけのマイ・スプーンづくり

開催した日:

 郡上市高鷲町で『木工房 Tabi 』を主宰する水上淳平さんによる「世界に1つだけのマイ・スプーンづくり」講座を開催しました。

 本日使用する材料はコシアブラ(ゴンゼツ)です。このコシアブラはウコギ科の樹木で新芽は山菜として人気があることなどを説明し、新芽の香りや木材の香りを全員で確認しました。

最初に水上さんによる説明

最初に水上さんによる説明

 水上さんの木工房Tabiがある郡上市高鷲町で、水上さん自身が伐採して来たコシアブラを作成予定のスプーンの長さより少し長めにノコギリで切ります。このコシアブラは鋸屑にテルペン系の香りがあり、周辺に香りが漂いました。

 またこのコシアブラは山形県米沢市笹野地区に伝わる笹野一刀彫「お鷹ぽっぽ」に利用する木材としても有名で、これは江戸時代に一刀彫生産を奨励した米沢藩主、上杉鷹山(ようざん)の名にちなんで「お鷹ぽっぽ」と呼ばれています。

コシアブラの丸太を伐る参加者

コシアブラの丸太を伐る参加者

 切り出した丸太を斧で2つに割ったら、その半身の樹皮側に、削り出したいスプーンの形をマジックで描きます。

 おおよその形を描いたら、手斧でスプーンの匙(さじ)のすくう部分の面出しをします。この時に手斧はなるべく手斧の刃に近い部分の柄を持って削り出します。

匙面(さじめん)を削り出す

匙面(さじめん)を削り出す

 マジックで描いたスプーンの柄部分と匙(さじ)部分の境目に木繊維と直行するように手鋸で鋸目を2ヶ所入れます。そして柄の部分に手斧を当ててマレットで叩き割っていきます。

 鋸目を2ヶ所に入れるのは、柄を割り出す時に匙部分まで割れることが無いようにするためで、2ヶ所のうち匙部分に近い方の鋸目はより深く切り込んであります。

スプーンの柄の部分に手斧を当て、マレットで叩いて割っていきます

スプーンの柄の部分に手斧を当て、マレットで叩いて割っていきます

 割り出した柄の部分をより細くするために、手斧でどう削るかを水上さんが実演して見せてくれました。

 手斧で柄の下の方から小刻みに斧目を入れてササクレを複数作り、上から少し力を入れて手斧を下ろすと、一気に薄く削れること。この時にも手斧は刃に近い部分を握って少しずつ削ることなど、詳しく説明してくれました。

手斧で柄の部分をどう削るかの実演をする水上さん

手斧で柄の部分をどう削るかの実演をする水上さん

 今回の参加者の中に、別の場所でグリーンウッドワーク協会のワークショップに参加したことのある方もおられました。

 さすがに手慣れた手さばきで匙部分を削り出されていました。

手慣れた手つきの参加者

手慣れた手つきの参加者

 本日作成するスプーンは下の写真のような順になります。

 見本はシラカンバ材ですが、削ることで左から右のようになっていきます。

本日のスプーン作成手順

本日のスプーン作成手順

 みんな木をけずることに一心不乱に没頭し、削っても削っても納得の逸品に仕上げるまで、一生懸命取り組んでいました。

 細部はモーラのカービングナイフとフックナイフを使って、形を整えたり、スプーンを薄くしたりと工夫していました。

手前の女性はフックナイフで匙部分を仕上げる

手前の女性はフックナイフで匙部分を仕上げる

 

 特にスプーンが舌に触る部分は少しでも薄くなるように慎重に削ります。

 グリーンウッドワークでは刃物の仕上げで終了ですが、今後3日ほどで乾燥したら、サンドペーパーなどで仕上げればまた別の趣のスプーンに仕上がります。

匙の形を整える参加者

匙の形を整える参加者

 

 さて、午前中2時間30分で仕上げたスプーンを手に記念撮影です。

 各々世界に一つだけのマイ・スプーンを作成し終えたので、水上さんから手渡された保湿用の紙袋に入れました。また水上さんから、サンドペーパーとオイルのセットも配布されたので、それを収納してワークショップを終了したのです。

午前中の参加者で記念撮影

午前中の参加者で記念撮影

 

 さて、このワークショップは午後も13:00~15:30まで開催され、全員が自分だけのスプーンを手に帰路についたのです。

 自分だけのコシアブラのスプーン、末永くお使いいただけること願っています。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

 

 

 

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