『森で昆活』しました。
開催した日:
「NPO法人 ふれあいの森 自然学校」の中山久二夫さんをお招きしての『森で昆活』、本日は中山先生が「雨で昆虫が見つけづらいだろうから」と仰り、なんと特別に無料で講座開催して下さりました。
開口一番、「いろんな山がありますが、一番いい山はどこの山?」と聞かれたら、「それは、中山って言うんです」から始まり、おすすめの図鑑紹介などもしてくださいました。
そして中山先生が作成されたオオスズメバチの女王バチ標本を見せて、「今の時期にオオスズメバチがいても、何もしなければ襲われないこと」なども説明されました。
morinosの周辺にある朽ち木に生息していたヤマトシロアリ、これは「アリ」の名があるけれど、「ゴキブリ」の仲間。
女王アリと王様アリがいて、しかも水中で一週間以上生きられる。不思議な生態があるよね。
白い紙の上にボールペンで丸や四角を描き、その中にヤマトシロアリを入れる。ボールペンの種類によっては、その図形の中からシロアリが逃げ出すことなく、その線の上を歩きだす。これはなぜでしょう。
ボールペンのインクにはジエチレングリコールモノメチルエーテル等が入っています。これがシロアリが道しるべに使うフェロモンと構造がよく似ており、ボールペンで引いた線を仲間の出したフェロモンと勘違するらしいのです。
ボールペンの線をシロアリは仲間が残した道筋と勘違いして、線に沿って歩くのです。グルグル書いて迷わせたりすることもできます。
先日、産卵されたばかりのエゾヨツメという蛾の卵、morinosひろば横のコナラで観察しました。
そして少し早く孵化した幼虫も、morinos内で観察しました。
今日は雨模様なため、昆虫が隠れて見つかりません。途中でオトシブミを発見、「これはエゴツルクビオトシブミの揺りかごですね」などと話をしながら他の昆虫を探します。
そこで中山先生が「篩」で落葉層や土壌をすくい上げてふるいました。
トビムシやハサミムシが出ることを期待したのですが・・・、
中山先生が何度も篩に掛けて昆虫を探してくれましたが、なんとアリばっかりでした。
現在、日本には10亜科 約280種のアリがいるとされますが、岐阜県内には8亜科121種(2019年4月現在)確認されているようです。アリも多いね。
歩道沿いの苔の上にはオオイシアブがいました。雨が降って寒いためなのか、全く動かないので近接撮影できました。
中山先生がスラッシュマツの切り株をほじくり始めると、子どもたちも別の切り株を探して見様見真似で昆虫探しをしていました。
中山先生だけに頼るのではなく、子どもたち自身が好奇心に任せて昆虫を探す。これが重要なポイントです。朽ちたスラッシュマツの株をほじくる中山先生
中山先生がクワガタムシの幼虫などを見つけた切り株で、ウバタマコメツキを発見、子どもたちと一緒にどのような行動が「コメツキ」なのか確認しようとしましたが、まったく動きませんでした。残念!
さて2時間の講座を終えて、最後に中山先生がまとめのお話しをしてくださいました。
「風が吹く日に揺れるコナラの枝の上に昆虫がいる。しかしその昆虫を撮影しようとコナラの枝を持った瞬間に、昆虫は落下していなくなってします」、それくらい自然の振動と人間が枝を持った振動を微妙に見極められるのが昆虫です。不思議なものですね。
さて、次回は5月15日『蜘蛛の雲隠れ』です。次回は蜘蛛の糸でどれほどの重さを吊り上げられるかの実験もする予定です。ホームページからお申し込みください。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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