自分で生活を作ろう -鹿革ハンドクラフト体験を実施しました

開催した日:

最近、ジビエという言葉で注目されるようになってきた、シカやイノシシといった野生鳥獣。
食肉としての利用以外は、廃棄物として処理されてしまうことが多く、命をできるだけ無駄なくいただく、という考えで鹿革を使ったハンドクラフト体験(今回はペンケース作り)を実施しました。
定員10名に対して40名を超える応募をいただき、岐阜県内から10名が参加しました。

会場の入口

講師の浅子智昭さんは、ホールアース自然学校に所属し、富士山麓で自ら猟師として狩猟に取り組む一方、野生鳥獣解体処理施設「富士山麓ジビエ」の責任者も務めています。
浅子智昭さん
また、小野亜希子さんも同じくホールアース自然学校に所属しています。
以前、服飾を学びオーダーメイドシャツなどを作ってきた経験を持っています。
浅子さんから、シカをはじめとした野生鳥獣問題や狩猟の実際についての話をしていただき、ペンケース作りの手順は小野さんに指導していただきました。

小野亜希子さん

会場には、岐阜県内で捕獲されたニホンジカの剥製が展示され、なめす前のシカの毛皮の感触を確かめました。

ニホンジカの剥製

最初はデザイン決め。
様々に染められた鹿革と、革専用の糸を組み合わせ、どのようなデザインにするか考えます。
型紙を参考に、鹿革を裁断します。
2面同じ色にする人もいれば、対照的な色の組み合わせを考える人もいて、様々でした。
材料どり

続いて、ファスナーを縫い付けます。
他の革細工と同様、あらかじめ下穴を「菱目(ひしめ)打ち」と呼ばれる道具で開け、そこに糸を通して縫い合わせていきます。予想以上に鹿革は柔らかく、比較的スムーズに作業は進みました。
作業風景

ファスナーと縫い付けた後は、本体を縫い合わせていきます。
菱目打ちで穴を開け、ひたすら縫い続けます。
皆さん黙々と作業を続け、ストーブの音だけが室内に響き渡っていました。
作業風景

昼食休憩をしっかりとって、後半は仕上げの作業。
ファスナー以外の三方を縫い終わったら、いよいよ革をひっくり返して表面を出します。
鹿革独特の柔らかい風合いが出て、とても個性的な作品に仕上がりました。
ワンポイントとして、富士山麓ジビエの焼き印を押す方もいて、「可愛い!」と喜んでいました。
焼き印のワンポイント

最後に作品発表とコメントを1人ずついただきました。
「集中してとても楽しかった。」
「道具があれば、意外に簡単にできることが分かった。」
「野生鳥獣問題にさらに興味を持つようになった。」
といったコメントが聞かれ、講師の浅子さんからは
「狩猟を通じて生活が豊かになります。タンパク質(肉)を自ら調達できるだけでなく、革や角などを使って身の回りの小物を作ることもできます。」と自身のライフスタイルの紹介もしていただきました。
作品発表1
作品発表2

昨年、やむを得ずオンラインで実施した、鹿革クラフト体験。
やはりリアルで実施すると、講師だけでなく参加者同士の交流も深まり、充実した時間となったと思います。
楽しみながら、実は身近に潜む野生鳥獣との付き合い方を考えるきっかけとなった1日でした。

報告者:大武圭介(ウォーリー)NPO法人ホールアース研究所

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