『はだしのトレイル』つくってまぁ~す。

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 はだしのトレイルづくり7回目

 今回はTEDのスザンヌ・シマード博士の講演拝聴から始めました。

  彼女はPaper birch(アメリカシラカンバ:Betula papyrifera)とDouglas fir(ベイマツ:Pseudotsuga menziesii)、Western red cedar(ベイスギ:Thuja plicata)の3樹種での実験から興味深い植物や菌類のネットワークを解明しています。ちなみにアメリカシタカンバは日本のシラカバとほぼ同じ、ベイマツは日本のモミに相当し、ベイスギは日本のクロベ(ネズコ)に相当します。

TEDのスザンヌ・シマードさんの話を聞く

TEDのスザンヌ・シマードさんの話を聞く

 

 彼女はマツ幼木の実験で、幼木同士が栄養分(炭素)をやり取りすることを目の当たりにして、フィールである森でグリズリーに遭遇しながらも実験を行い、シラカバとモミが栄養分などをやり取りし、かつ菌根菌のネットワークがそうした事に一役買っていること、マザーツリーなる役目をする大木があること突き止めた人です。

 スザンヌさんは①もっと私たちが森に入って、昔からの地域と森林とのかかわりを取り戻すこと。②原生林を残して、遺伝子や母なる木、菌糸のネットワークの宝庫を維持すること。③伐採する際には「遺産」となる木を保存すること。④伐採地を多様な樹種で再生すること。などを訴えています。

スザンヌさんのメッセージ

スザンヌさんのメッセージ

 

 そこで今回は、前回の「近自然工法」に加えて、スザンヌさんんからのメッセージを取り込みながら、具体的に何をするのかを検討しました。

 水の流れ、排水、土砂、悪い施工は浮き出てくるが良い施工は埋まる。などと基本的なことを再確認して実践です。

本日実施することを示す金子さん

本日実施することを示す金子さん

 

 前回の施工箇所を見て、施工内容は良いがトレイルとしてはあまり良いとは言えない。

 ではどうするか。金子さんの指導で全員が、新しいルートを現場で議論していました。

トレイルの再設定を検討する参加者

トレイルの再設定を検討する参加者

 

 ナバさんは「1つの案として、こっちに短縮ルートバージョンもいいかも」と言う感じで、みなが思い思いに理想と考えるルートを提案し、最終的に金子さんがルート決定しました。排水のこと、歩きやすさのこと、樹木の相互関係などなど、様々な事柄を考慮してどこを通ったら一番良いかを検討していました。

ナバさんはルートの短縮案も提案

ナバさんはルートの短縮案も提案

 

 morinosの駐車場などで不要な落ち葉を集めてブルーシートに包み、新しいルート設定作業で林地が痛まないように事前に落ち葉を敷き詰めました。この落ち葉が1ヶ月もすると予想以上に減ってきます。

ブルーシートで落葉を運搬

ブルーシートで落葉を運搬

 

 私たちが森林エリアを整備している傍ら、ナバさんは「はだしの広場」のルート整備を実施。

 砂利と木材を組み合わせて、新たな場所を設置していました。

ナバさんは「はだしの広場」の方を整備

ナバさんは「はだしの広場」の方を整備

 

 金子さんは、地表に樹木の根が飛び出しているポイントや、排水を考慮すべきポイントでは現地調達した石を組んでいました。

 石の隙間は粉炭や腐葉土などで埋めて、周辺の蘚苔類を貼り付けるなどして近自然工法を実践していました。

ルート上に石を組む金子さん

ルート上に石を組む金子さん

 

 石組みが完成したら、金子さんが石の安定度を確認するため、裸足てあるいていました。石の安定だけでなく、足の裏自体のフィット感も重要です。裸足であることの意味深さも考えながら、少しずつルートを作っていく必要があるのです。金子さん自身がはだしで歩いてみる

金子さん自身がはだしで歩いてみる

 

 さて、今回で今年の作業は終了です。次回は来年1月18日です。今後が楽しみな「はだしのトレイル」づくりです。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

 

 

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