『里山林整備講座』in岐阜県百年公園
開催した日:
morinosと岐阜県百年公園事務所の共催による『里山林整備講座』
限定10名の特別講座もCOVID-19の影響で開催が2回も延期され、ようやく本日に1回目が開催できました。本日は「里山林とは何か」から始まり、午前中は講義、午後から現地実習。
里山林の定義について四手井先生や田端先生の定義などを紹介し、岐阜県中南部の「暖温帯林での人為干渉と植生変化」、岐阜県北部の「冷温帯林での人為干渉と植生変化」についても講義。
森林総合研究所関西支所の『里山林に入る前に考えること』を参考に、「里山は放置してはいけない」という考え方について考えました。
また「里山林の意義・価値」について、①環境保全的な価値、②生物保全的な価値、③保健文化的な価値、④物資利用的な価値、に続けて、⑤森林が存在することによる価値、⑥広葉樹林であることによる価値、⑦人々の暮らしの身近な位置の森であることの価値、などについて説明。
■必要性:整備する必要があるのか
■目 的:何のために整備するのか
■目 標:どんな林にしたいのか
■方 法:何をするのか
◎整備することが目的ではない
2つの目標がある。
■最終目標 最終的にどのような林にしたいのか
■手入れ直後の目標 手入れが終わった直後の姿を思い描く、最終目標に至る過程の一時的な姿、繰り返し手入れが必要なこともある。
◎引き算による整備、足し算による整備もある。
里山林整備を考えると『Artである』
Artの意味: □自然の模倣、人工、人為
□芸術(活動)、美術、美の創造
□(ある分野の)技術、技巧、技、術
午後からは現地検討と作業です。
場所は徳山古民家裏の森林、この森林を建物に似合うように里山風に変化させる
現場に生えているコバノガマズミやヤマハゼ、ヌルデ、ウワミズザクラ、カスミザクラ、エゴノキ、モチツツジ、コバノミツバツツジ、アオキ、ヒサカキ、ソヨゴ、マンリョウ、スギなどの状況を把握し、何を残して何を取り除くかを検討しました。
安全を確保するため上下作業が無いよう、互い声がけしながら、次々に整備をしていきました。多くの中高木はフジやツヅラフジのつるが絡んでおり、真っすぐに切り倒すのも一苦労です。
現場の斜面下では横井先生が全員の活動状況を確認しながら、的確に指示を出していきます。伐るべきか伐らざるべきかに悩んだり、植物名が分からなかったりするたびに、作業を止めて確認することも重要です。
午後の作業が一段落したところで、自分たちが整備した森林を眺め、その作業について「ふりかえり」をしました。伐り過ぎていないか、伐らないで残したカスミザクラはどうかなど、全員で作業内容の確認です。
徳山古民家側から山を眺めると、何とも気持ちい雰囲気がします。
最初はネザサや雑草木で壁のようになっていた現場も、作業をして落ち葉を採取していた里山の雰囲気が少し感じられるように整備できました。
さて、今回の講座は全4回で完結です。
次回は10月31日に「樹木学実習」です。図鑑片手に里山の植物を学びます。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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