JIRIさんのリスクマネジメント研修:関市保育士版

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 梅雨の晴れ間の土曜日、関市立公立保育園10園の保育士の先生方の自主勉協会として、洞戸保育園(乾千穂園長:チーム森リーダー)で『周辺の森や川を利用したリスクマネジメント研修』を実施しました。

 最初に関市保育園の有志メンバーによる「チーム森」のサブリーダー、長屋美佳富岡保育園園長のご挨拶で皆気を引き締め、現場に向かいました。

 まずは子どもたちが利用するコースを一回下見し、どこがどう危険なのか、どうしたら良いかをグループで洗い出しました。

洞戸保育園園庭での出発式

洞戸保育園園庭での出発式

 

 今回は53人の保育士の先生が9グループに分かれ、普段、洞戸保育園のお子さんたちが活動されるルートの地図に、危険箇所、危険理由、その対処法などを記入してもらいます。

 下の写真で青線がそのルートです。

 一度、自分たちの目で足で、現場確認して、それが終了したら、3グループで危険箇所の情報共有、それが終わったら再度、JIRIの指導の下で危険ヶ所の確認とその対処法を学びます。

今回の散策ルート

今回の散策ルート

 

 保育園を出て南側の道路を少し歩いていく途中、側溝にある危険なグレーチング(曲がって飛び出している部分がある)とか、樹液を出しているカクレミノが数本生えているのを確認しました。

 そして山へのアクセスは、少し恐怖感を覚えるようなコンクリートの急な階段です。

 普段、年長さん、年中さん、年少さんが、クラス毎に各々4人の保育士さん付き添いのもと、ここを登るそうです。

山へのアクセスはコンクリートの急な階段です

山へのアクセスはコンクリートの急な階段です

 

 山の中の歩道は、もともと関市が市町村合併する前に整備された場所で、歩道や東屋がありました。しかし放置されて入れないような状態であったので、昨年の秋からバスの運転手さんや園長先生が刈払い機などで再整備された場所です。

 これまで放置されたままで入りにくくなっていた歩道沿いには、ネザサが群生し、その中にドウダンツツジやアジサイなどが植栽されており、こうして再整備で有効利用されることで、植栽木も喜んでいるように感じました。しかし腐った木の階段や、それを止めているサビた番線など、突っ込みどころ満載の道でしたが、意外に保育士の先生方は気づかれないようでした。

園長さんやバスの運転手さんが刈ってくれた歩道

園長さんやバスの運転手さんが刈ってくれた歩道

 

 洞戸保育園の乾千穂園長先生やむげがわ保育園の雅志先生のお声がけもあって、保育士の先生方は、今自分が歩いてきた山道を振り返って見て、どうこが危険なのかを再確認していました。

 

一山超えて、今歩いてきた山を確認する

一山超えて、今歩いてきた山を確認する

 

 民家の間を通り、柿野川沿いを歩き小さな橋を渡ります。ここまで来る川沿いの道にはフェンスをよじ登るボタンヅルが多く生えており、これは毒成分プロトアネモニンを含むため危険です。また道路の右側を歩くのか、左側を歩くのか、安全確保上と交通ルール上の問題も見つかりました。

 この小さな橋を渡って、子どもたちは柿野川に降りて遊ぶそうです。

 この川は小さいですが、大変急勾配なため水流が早い。どこで遊ばせ、どこで大人が安全確保するのか判っていないと危険です。

柿野川の危険ヶ所を探る

柿野川の危険箇所を探る

 

 コースを一周してきたので、3グループ(約18人)ずつ、3か所に分かれての情報シェアリングの時間を30分とりました。

 お互いが学びあう、普段話せない別の保育園の先生同士が話す、いい時間を過ごしました。

グループシェアリングの時間です

グループシェアリングの時間です

 

 さて、2週目はJIRIの解説を含めて、全員でのリスクマネジメントです。

 山を登るときは、どうしても前方下側ばかり見て歩きます。可能なら途中で止まって景色を堪能したり、頭上を見上げてなにかを探したりしましょう。ここまでに、危険な刈り跡や落石しそうな大きなチャート、ヌルデ、ヤマウルシ、ヤマハゼ、テイカカズラ、カクレミノなど接触性皮膚炎を引き起こす植物もありました。

2回目はJIRIが解説していきました

2回目はJIRIが解説していきました

 

 山の尾根筋にある東屋付近で、何が危険かを再度考えました。ここで最初に出た意見は、東屋の椅子の危険性です。椅子がグラグラで怖い。これをどうする。もしも椅子がいるなら、木を輪切りにした丸太椅子の方がいいかも?

 尾根にはタラノキがあって危険でないか? いやいや危険なことを教えつつ、山菜として食べられることを教える方が重要。ここに来るときは、刺抜きピンセットなどを持参して遊びに来れば良いのでは?

 JIRIからは「もう一度、ここでは何が危険だと思いますか」と問いかけましたが、「全員シーン!」

 「私は雷だと思います」それは山頂であり、周囲が切り開かれている。もしもゴロゴロという音や、ピカッと光が見えたなら、今歩いてきた上に小さな広葉樹が茂っている方(下の写真なら右側)に退避すべきです。

山の尾根筋で危険性を考える

山の尾根筋で危険性を考える

 

 山を下りてから、もう一度見返して考えてみました。上にある東屋、見えている斜面は伐採跡地で鋭利なチャートがゴロゴロした山道、人家は近いが子どもたちの安全はどう確保する。なぜ雷が来たら戻った方が良かったのか。様々な考えを投げかけます。

山をもう一度振り返る

山をもう一度振り返る

 

 この柿野川は冬にはほとんど水量が無いくらい渇水する川です。今の水量は夏の水量ですが、大水が出て氾濫したこともあります。

 全員がしっかり上流と下流を見て、どこが急勾配になっているのか。どこが泡立つような状態になっているのか。どこを利用すべきか。具体的に考えます。

 夏にはアブも多いので、その対応策も考えます。

柿野川で危険度の確認

柿野川で危険度の確認

 

 ここで考えることの一つに、「柿野川の集水域」があります。現在私たちがいるのが下の写真の最下方です。写真の緑色の線は稜線です。緑色の線で囲まれた部分が集水域ですが、この川に来る水の多くは山県市側の上流で降った雨です。

 つまりこの洞戸市場地区で雨が降らなくても、山県市柿野地区でゲリラ豪雨が降れば増水するため、少しでも水位が上昇し始めたら、退避しなければなりません。

集水域の地図

集水域の地図

 

 柿野川のリスクマネジメントを考えるとき、まずは地元のお年寄りに「川について聞いてみる」。次に現場をしっかり確認する。そして地図や地質図などで河川のバックグラウンドをしっかり確認する。これが重要です。

現場だけだく、バックグラウンドも見れるといい

現場だけだく、バックグラウンドも見れるといい

 

 最後、本日のまとめや反省を16:30分過ぎまで、全員で共有して一日を終えたのです。

 自主勉強に来られた保育士のみなさん、どうもご苦労様でした。

最後にまとめのお話をするJIRI

最後にまとめのお話をするJIRI

 

 さて、関市保育士さんの自主勉協会、次回は来年1月です。それまでみなさんリスクマネジメントについて、いろいろ考えておいてくださいね。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

 

 

 

 


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