中学生の森体験 ~美濃市立昭和中学校1年生~
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こんには、JIRIです。
今回は岐阜県美濃市の昭和中学校1年生のみなさんが、morinosに『森体験』しに来てくれました。そもでスタッフととしてJIRI、イダッチ、カミムゥ~の三人が午前中は演習林体験、午後からは火起こし体験を一緒に楽しみました。
最初に森の入り口で、「葉っぱのとっかん」、「草笛」、「どんぐり帽子の笛」を伝授して、「グループで最低2人が音を出せるか」の挑戦。それが終わったら、森の入り口で「森の神さまお邪魔します」と挨拶し、スラッシュマツが生える森を通過。
演習林はヒノキが主体で、そこにスギや広葉樹類に加え、北米産のスラッシュマツが生えています。このスラッシュマツの大きな松ぼっくりを拾ったり、その松ぼっくりをジリスなどがかじったマツのエビフライを探したり、針葉が3本のマツの葉で「松葉相撲」をしたりしました。
林道に出ると、主にヒノキが生えた森林に少しだけスギが生えている場所に出ました。そこで「ヒノキぼっくり」と「スギぼっくり」を観察し、午後からの「火起こし」に使えそうな燃料材も調達しました。
少し歩いて行くと、林道にマツでもヒノキでもない、「ぼっくり」を発見。そこで先生も含めて昭和中のみんなに質問「このぼっくりをおとした上の樹木は漢字で『栂』と書きますが、これは何と読むのでしょうか?」
何やらこそこそ話し声は聞こえますが答えが出ません。そこで先生が「ツガ」と回答されました。木偏に母で栂(ツガ)ですよ。可愛いぼっくり、正確には「球果」と言うんだね。
毎年オオタカが営巣する108年生のヒノキとスギの林では、オオタカが狩ったハトの骨を見ながら、演習林の「山の神」を通り、渓流の冷たい水を触って、目指すは美濃市が一望できる「岩山山頂」です。
ここから見ると、昔の城下町や市役所、自動車道のインターチェンジ、大型スパーマーケットも確認でき、美濃市が山に囲まれていることや美しい長良川、現存する日本最古の近代吊橋も、遠く関市や岐阜市の一端も確認できました。
下山の途中は森林文化アカデミーの初代自力建設「四寸傘」に寄って、ここで記念撮影。ここでも森林植生の違いや、人の踏圧による雑草類への影響を観察し、ウワミズザクラの白い花が咲く横で、記念撮影しました。
下山してきて、「森の入り口」看板のあるコナラに、みな手を当てて「ありがとう御座いました」と挨拶をしていました。中学生のみんなはそれぞれ火起こし用の燃料材を手にしています。
下山したらお待ちかねの昼食タイム、約30分間のお昼ご飯を終えたら、いよいよ本日の最終仕上げ、『火起こし体験』です。ここではイダッチとカミムゥ~が大活躍。
最初にイダッチから火起こしに利用する道具の簡単な説明、火錐棒、火錐棒押さえ、火錐板、ロープ、麻縄について説明し、それぞ5つのグループに分かれて、自分たちが使いたい道具を選択して、火起こし準備万端。
1年生になったばかりの中学生、違う小学校から来た子とも、初めての共同作業! 力の入れ具合、掛け声、など仲間を気遣いながら、火種を育てなければ火起こしは成功しません。
このグループは短い火錐棒に固執して、火錐棒を回すロープをうまく操作していました。
こうした作業を繰り返すこと約30分、火錐板から「煙」は出るものの、なかなか火種を育てるまでには至りません。
最初に「火種」を取り出して着火したグループ。
火錐から出た火種を、麻ひもをほぐして綿状にしたもので包んで、ゆっくり息を吹きかけ、煙が出てきたら、腕を振って空気をたくさん送り込んで炎を出させます。
友人たちは炎で髪が燃えないよう、手で押さえてくれています。これも仲間を気遣うチームワークです。
ほぐした麻ひもから炎が出たので、それを自分たちで山から持ってきたスギの葉、枝、ヒノキ枝、枯れたシダなどを積んだ薪台に入れて、着火成功!
火起こしに取り掛かること、35分ほどで最初のグループが火起こしに成功しました。
自分たちで着火した焚火は格別に暖かいらしく、この後も60分近く、火を絶やさないように薪を探してきては、焚火を管理しながら楽しんでくれていました。
最後に残った5グループ目、まったく諦めることなく、グループで知恵を絞って協力し、とうとう着火に成功。しかもいい薪をひろっていたこともあって、煙もあまり出ない焚火を作ることができました。
そして火起こしの後は、morinosで少し遊んで、最後は本日の感想発表。
普段は行くことのない森、そして険しい岩場を仲間に励まされながら歩きとおした自信と仲間への信頼、そして仲間と手こずりながら成功した火起こしの達成感。
いい思い出を発表してくれました。mironosはまたのお越しをお待ちしております。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
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