第3回『くらしをつくる森のこけこっ子キャンプ』実施しました!

開催した日:

冬の気配も感じる青空のもと、『くらしをつくる森の“こけこっ子”キャンプ』3回目(最終回)が、11/28(土)-29(日)の1泊2日で行われ、親子13組・29名が参加して無事終了しました。

最終回となる3回目は、いよいよくらしを共にしてきたニワトリの屠畜を行います。
そして前回までとは異なり、今回は親子での参加!。
親子でくらしをつくる、そして、命と向き合う2日間が始まりました。
キャンプのスケジュール

子どもたちは着いて早々遊び始めたり、ニワトリに会いに行ったり、すっかりmorinosの環境に慣れた様子。
はじまりの会では、自分の親の自己紹介を聞いてなんだかソワソワ、そして早く遊びたくてウズウズ!
だけど遊びの前に、最初は大切な「住」を整える時間です。テントで寝るか、野宿をするか、コテージで寝るか、親子で場所を見ながら相談して決めました。
テントの組み立て ハンモック

寝床の準備が終わると川へ釣りに行った親子もいました。釣れるかあまり期待できなかったものの…広場に戻ってくるとみんなびっくり!なんと2匹も釣れていました!しかも、釣り竿ではなく木の枝を使って!みんな「すごーい!!」と大盛りあがりでした。
魚釣り  釣れた魚

親子で過ごした午前中とはうって変わり、午後は大人も子どもも、それぞれが自分の好きなことを選びます。前回盛り上がった“水風船戦争”や、毎回恒例の広場でドッジボール、木登り、ドラム缶風呂、森歩きなど、各々自由に過ごしました。
いつもは子どもが誰かしら「四寸傘(山の中の遊び場)に行きたい!」と言い出すのですが、今回「山に行きたい」と言ったのは大人のみ。急遽大人の山歩きツアーが開催されました。
「まさか大人もこんなにゆっくり過ごせるなんて」
「一瞬子どもの存在を忘れてしまいました(笑)」といった感想も聞かれました。
帰ってこられたのは日が落ちて真っ暗な18時頃。目一杯、晩秋の森を満喫された様子でした。
木登り 木にぶら下がる子ども
ドラム缶風呂ボール遊び   大人だけで森散策

思いっきり遊んだあとのごはんは格別。焚き火にあたりながら、おでんをお腹いっぱい食べました。
夕食配膳風景 夕食いただきます

夕食のあとは、みんな集まって翌日の屠畜の話をしました。解体の流れや方法、大切な3つの瞬間「死ぬ瞬間」「お肉になる瞬間」「食べる瞬間」の話の後に、それぞれ何をしてみたいか話し合って役割を決めました。
そして、大人も子どもも、今の気持ちを言葉にしてみました。怖さ、さみしさ、様々な感情は、その“瞬間”にどう変化するのか、はたまた、変わらないのか。自分の気持ちとじっくり向き合いました。
  解体の流れ説明図ワークシート

澄んだ空気に包まれた翌朝、寒さでなかなか眠れなかった人もいたようですが、みんな焚き火の前で暖をとってホットココアで温まります。
早朝のたき火

具だくさんの味噌煮込みうどんを食べて、テントや寝袋を干したらいよいよ屠畜の準備です。
子どもたちは自分で胸にしっかりニワトリを抱いて屠畜場所に移動しました。
3つのグループに分かれ、止め刺し(絶命させること)の担当の子はスタッフのサポートのもと、吊るされたニワトリの正面に立ちます。今まで“仲間”として過ごしてきたニワトリたち。怖さに立ち向かう子どもたちを、仲間みんなで見守ります。

命が消える、その瞬間、ニワトリの目や足をじっと見つめる子どもたち。その真剣な眼差し、怖さを感じながらも目をそらさずにいる姿は、親にとっても初めて見る姿だったようです。

屠畜2 真剣な表情 

皮をむいたり、羽をむしったり、それぞれができそうなことに挑戦しました。お腹を開けると卵になる途中の“きんかん”もたくさん見つけました。お肉はもちろん、心臓、腸、食道、全部触るとまだ温かく、命の温度を感じます。
解体作業 解体作業

解体が終わると大人の出番、精肉作業に入りました。見慣れているささみや軟骨が、当たり前ですが、1羽からこのくらいしかとれないと思うと、今までお店ででてきた料理には一体何羽分のニワトリが使われていたのだろうと想像してしまいます。
精肉した鶏肉鉄板で塩焼きにして調理
出来上がった鳥づくし料理

精肉された肉は、シンプルにバーベキューに!塩だけの味付けで肉の旨味を味わいます。同時に市販の鶏肉も同じように調理し、その味を比べてみることにしました。鶏ガラもしっかりとって、あったかおじやになりました。
いただきます

いよいよ最後の“瞬間”、食事の時間がやってきました。みんな全力で「いただきます!」
モモ肉、ムネ肉、ササミ、皮、一口ひとくち味わいます。最後に感想を聞いてみると「捌いた肉のほうが弾力があって美味しかった」という声が多く聞かれました。

食べたあと、もう一度今の自分の気持ちをワークシートに綴りました。子どもの感想には「思ったよりこわくなかった。ニワトリがこういうふうにさばかれるのかが知れてよかった。こんどからはのこさないようにきちんと食べる。」
「肉になるにつれ、かわいそうだったきもちはなくなっていくようなきがした。」
「ニワトリの命をもらうのでありがとうという気持ち」
という感想が綴られ、大人からは「1人で生きているのではなく、多くの命、仲間、自然、全ての恩恵を受けているとかみしめ、それを子どもたちと共に味わえたことはとても嬉しかった。」という感想などがありました。

そしてキャンプも終盤、全体の振り返りは、大人と子ども分かれて行いました。
大人の振り返りからは、「いつもは色々制限してしまうけど、ここでは制限しようという気持ちがなくなった。子どももイキイキしていた。」「(子どもは)止め刺しの前は無理だと言っていたけれど、自分から手を上げて挑戦して怖さを乗り越えた。」「止め刺しをしている時に落ち着いてやっている姿を見て心から尊敬した。」などという感想がありました。
普段どおりの姿、いつもよりも自分の気持ちを外に出して思いのままに過ごしている姿、命を頂くということに目をそらさずに真剣になる姿、様々な姿を見られたようです。
ひな鳥を抱く  親子の時間

「くらしをつくる森のこけこっ子キャンプ」は3回連続で、同じ子どもたちが参加し、さらに今年度は新たに最終回だけ親子で参加するという試みをしてみました。遊びながら、自然の中で過ごすことの心地よさと不自由さを知り、普段とは違う場所、仲間と過ごし、泣いたり笑ったり怒ったり驚いたり、色んな感情を経験した子どもたち。
知らないうちに“はじめて”をたくさん超えて、きっと本人たちも知らないうちに、たくましくなったのではないでしょうか。

子ども皆で集合写真

子どもたちが経験したことを、最終回で少しでも大人(保護者)のみなさんにも肌で感じてもらえたら嬉しいです。そして、大人にとっても、自然との距離が今までより近くなったら嬉しいなと思いました。

またいつか会えるのを楽しみにしています!

こけこっ子キャンプスタッフ一同

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開館時間:10:00 〜16:00
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
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ぎふ木遊館
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