ネイチャーゲーム・リーダー研修を開催

開催した日:

 関市公立保育園保育士対象の『ネイチャーゲームリーダー養成講座』の2日目を、森林文化アカデミー演習林を利用して開催しました。

 最初の実習は「私は誰でしょう」です。

私は誰でしょうを実施する参加者

私は誰でしょうを実施する参加者

 

 「私は誰でしょう」で利用したカードで、次に実施したのが「動物交差点」です。自分の背中に取り付けられたカードの生き物が何かを、周りの人たちに質問しながら探ります。このゲームは先入観に惑わされない素直な視点、情報の確かさを判断する能力、仲間への思いやりを育むものです。

 2つのゲームが終了した時点で、自分が付けていたカードの動物について、その生態を確認しました。ウサギは2種類の糞をすること、ドジョウのヒゲは味覚を感じるなど、知らなかったことをシェアリングしました。

動物交差点で用いたカードの内容を確認する参加者

動物交差点で用いたカードの内容を確認する参加者

 

 3つめは「カメラゲーム」です。

 このゲームは①カメラマン(撮影者)と、②カメラ役の人の2人で実施します。カメラマンは目を閉じたカメラ役の人を誘導して、カメラの仰角や距離、広角か望遠かなどを告げて、カメラ役の人の肩をシャッターに見合立てて、3秒ほど見てもらいます。

カメラゲームの見本を示す大坂さんと原さん

カメラゲームの見本を示す大坂さんと原さん

 

 参加者はカメラマンとカメラ役に分かれ、ペアになって撮影ポイントを探します。カメラマンは何を撮るのかいいません。だから撮影したかったものと、カメラが目に焼き付けたものとが一緒かどうかわかりません。だから、角度や距離の情報が重要なのです。

 目をつぶって歩いて行き、角度や距離が限定されるため、周りの余分な風景が雑念となり難いので、新鮮な風景を目に焼き付けることができます。

カメラマンとカメラ役の人がペアになって撮影に挑戦

カメラマンとカメラ役の人がペアになって撮影に挑戦

 

 午前のフィールド実習の最後は『KYT(危険予知トレーニング)』です。

 そもそも「良い自然体験活動」は ⇒ 「安全に終了すること」

 そのためには①予知と②予測が重要。見えるものと見えないものがある。

 まず3人ずつ一組で、今回使用するフィールドのKYTを実施し、足下から樹上の危険をチェックしてから、グループ発表です。どこの、何が、どのように「危険」なのかを伝え、そのため「どうすべきか」を発表しました。

フィールドのKYT

フィールドのKYT

 

 ネイチャーゲームの進め方の中で、大坂トレーナーは

 例えば『私は誰でしょう』は「答えが出れば良いのではありません」、「このゲームは生き物の生態について興味を持ってもらうことが狙いで、食べられるか、美味しいか、などという質問をするものではない」

 また『カメラゲーム』は、「美しいものへの愛情や友達との信頼を育むためのもので、最初にしっかり、カメラの機能、誘導の仕方、ルール、をしっかり説明すること」などを再確認されました。

 他にもリーダーやコーディネーター、インストラクター、トレーナーの役割についても説明されました。

午前の復習とネイチャーゲームの進め方について

午前の復習とネイチャーゲームの進め方について

 

 午後からのフィールド実習は、まず「森の美術館」です。2種類の額縁を持って、自然の中の宝物や絶景を切り取ります。芸術品である必要はありません。自然を楽しむのが目的です。

森の美術館を実践

森の美術館を実践

 

 いくつか作品を見た中の一つ、『ともだち』と言う作品は「落ち葉の中に顔を見出した」人の作品です。虫が葉を食べた痕ですが、よく見ると顔に見えてきませんか。

 見方によって、面白いとか、不思議さを、他の人に伝えることが重要なのです。

落ち葉の中に顔を見出した人の作品

落ち葉の中に顔を見出した人の作品

 

 次のゲームは「サイレントウォーク」です。ここでは一周約300mほどの長い距離を、ペアになった人たちが、言葉や音を発することなく、見つけたものを互いに伝えあいます。

 このゲームの醍醐味の一つが、「けさを味わう」ことで、インスピレーションを感じることもポイントです。身振りはオーバーアクションにならないこと。またゲーム開始前に、体感してもらう人にしっかり内容を伝える必要があります。

サイレントウォークに挑戦

サイレントウォークに挑戦

 

 次は、「フォールドポエム」です。

 これは英語で「Folding Poem」と呼ばれるこのゲームは、詩をつくるとか、感じたことを発表することが苦手な人でも、簡単に自然に取り組むことができるゲームです。

 できあがった詩の素晴らしさに、書いた本人たちも、聞いた他の人たちも、作品の素晴らしさや、作者の詩心に驚かされました。

 このゲームは野外活動で体感した感動を分かち合うためのゲームでもあり、自分の前に詩を書いた人の内容を見ることなく、次の人が書けるような誘導がポイントでもあります。

フォールドポエムを発表する参加者

フォールドポエムを発表する参加者

 

 フィールド実習の最後は、秋に最適な「大地の窓」です。ここではアベマキの落葉が多く見られたので、それを主体に実施しました。落ち葉に包まれる人は、バンダナで口元近くを保護して、みんなで乾いた落ち葉を集めてきました。

落ち葉のお布団、「大地の窓」を体感する

落ち葉のお布団、「大地の窓」を体感する

 

 写真の中央下の落ち葉の盛り上がり、分かりますか?

 たくさんの落ち葉に埋もれて、大地の窓になった人は「樹冠と空だけが見える」、「落ち葉や森の土の香りがする」などの感想を聞かせてくれました。

落ち葉落ち葉のお布団、「大地の窓」を体感するに埋まって「大地の窓」を満喫

落ち葉のお布団、「大地の窓」を体感する

 

 さてさて、大坂トレーナーから「本日のまとめ」をお聞きしました。

 実施したゲームの実施上の注意点や特徴など、もう一度、フィールド実習を思い起こして復習していきます。

 例えば最後にフィールド実習した「大地の窓」では、単にゲームのやり方だけでなく、ゲーム終了後にダニの確認などのチェックの必要性なども示唆され、そして最後に30分のペーパーテストを実施しました。

最後に、まとめとペーパーテスト

最後に、まとめとペーパーテスト

 

 さて、今回の関市公立保育園保育士対象の『ネイチャーゲームリーダー養成講座』、コロナ禍の中、特例の養成研修でしたが、新しい8名の指導者とともに、自然の不思議を多くの人に伝えられるよう、今後の活動に期待します。

 また、morinosでは、12月19日にリーダー以上の資格者限定の報告会・勉強会を開催しますので、多くの資格者のご参加お待ちしております。

 以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。

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