Hügelkultur(フ-ゲル床栽培)に挑む
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みなさん、『Hügelkultur』ってご存じですか?
持続可能な環境をデザインする「パーマカルチャー」、その専門家であるセップ・ホルツァー氏(オーストリア)、ジョフ・ロートン氏(オーストラリア)やポール・ウィートン氏(アメリカ)らが、植物の育ちにくい砂漠などでも、灌漑設備や施肥などの手入れ不要な豊かな苗床「Hügelkultur」として広めています。
もともとは、ドイツや東欧で何百年も前から行われてきた、古くから伝わる手法のようで、シュタイナー教育(ヴァルドルフ教育)で知られるシュタイナーが提唱したバイオダイナミック農法の中にも登場します。
Hügelkulturでは苗床を地面から高く盛り上げるのが特徴で、ドイツ語のHügelは「丘」を意味しています。中には枯れ木や枝、枯れ草を敷いその上に土を被せて「Hügel Bed(ヒューゲル栽培床)」としており、ウィートン氏は「埋められた森」と表現しています。自然農法の高まりと共に、世界各国で脚光を浴び、実践されているものです。
そこでmorinosでも、ナバさんや森林文化アカデミー学生が、伐採された丸太や林地残材の枝葉、庭木の剪定枝、刈り取られた雑草、おが屑やコンポストトイレ産物などを利用して、Hügelkulturに挑みました。
まずは、土台となる原木を並べるところから。原木は森林文化アカデミーの雑木林で伐採され、林地に放置してあったコナラやイヌザクラの丸太をmorinosの職員(センター長自ら)と学生らで汗まみれになりながら集めてきたもので、これをきれいに並べました。パーマカルチャーには、「地域の素材」「活用されてない素材」「地球に還りやすい素材」を使うことが多く、今回の素材も全て「理想的」なものではありませんが、色々と工夫をして作ってみました。
太い丸太の上に、よく腐朽した樹皮(バーク)やおが屑を載せて、その上に少し細めの丸太原木を載せてきれいに並べます。
見栄えの奇麗さも大事ですが(デザインなので)、丸太が崩れないような安定性も求められます。
学内にあるコンポストトイレから土嚢袋で運んできた内容物も微生物のおかげで、いい堆肥になっていました。これを入れれば土壌動物もたくさん来るので有機物がうまく利用されていくはずです。
次に、針葉樹のヒノキの枝を上に置いていきました。針葉樹である必要はありませんが(実はあまり適してないとも)、一般的にヒノキの材成分の影響で殺菌力が強いとされているので、これは試験的にヒノキを使ったと理解してください。ただし、このヒノキの枝も放置されて樹皮下に昆虫類が入ったものを利用しました。実験です。
この写真はヒノキの枝を並べた状態で、撮影したものです。全体的に有機的な自然な曲線を描いてくれています。ここまでが少し硬い素材なので、おおよその形が出来上がりました。
ヒノキの枝の上に、ヒノキの枝葉、アラカシの枝葉、サクラの枝葉を載せて、様々な生物が住み着いてくれるようにしました。この枝葉がつくる空間が昆虫にとっても微生物にとっても重要です。上に載せていく土壌で内部な窒息しない役目も果たします。
最後に緑肥としての草刈りされた雑草や剪定緑枝を載せて、その上から土をかぶせます。土はmorinosの建設残土を主体として(粘土質と石が混ざるガチガチで多くの植物が育つには最悪の土)、それに少し有機質を混合してかぶせていきます。
パーマカルチャーの理念の一つに「Problem is Solution (問題は解決(もしくは解決の糸口)」という言葉があります。
さてみなさん、今後、このHügelkulturがどのように変化していくのでしょうか!? morinosの実験は続きます。
以上報告、JIRIでした。
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休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
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