自然体験指導者講座「森林サービス産業に向けた『流域ツーリズム』成功例に学ぶ」を開催しました

開催した日:

 NPO法人ORGAN理事長である蒲勇介さんをお迎えして、自然体験指導者講座『森から海へ、流域でつながる長良川文化〜地域の文化を掘り起こし磨き上げる流域ツーリズム〜』を開催しました。

 講師の蒲さんは、絶滅寸前だった岐阜和傘を経済産業省伝統的工芸品指定に導いた活動を通じ、森と川と海をつなぐ持続可能な産業モデルを実践されており、他にも「水うちわ」や「芸舞妓」の復活なども手掛けています。  
 また今回は、岐阜県立森林文化アカデミーの小林謙一准教授が講座のファシリテーターを務めました。

 最初に「講座参加にあたって、何を楽しみに来られたのか」を参加者にお聞きし、それに沿う形で蒲さんがお話して下さいました。

本日の講座について説明する蒲さんと小林先生

本日の講座について説明する蒲さん(右)と小林先生(左)

 蒲さんは現在46歳で、23年前に「流域にこだわって」仕事をし始め、現在のNPO法人ORGANを設立して約15年。当初から長良川流域全体を対象として活動しているとのことです。

 15年前の全国の県に対する評価を見ると、岐阜県の外部評価は約50%と福岡県と同じレベルでした。 
 しかし、この2県の内部評価、つまり県民の評価は真逆で、岐阜県は20%台、福岡県は60%台。岐阜県の若者は「自慢できるものが無い」、福岡県の若者は「自慢できるものが多い」という状態でした。
 岐阜県には「シビック・プライド(Civic Pride)」がない。それは岐阜にシンボリックな何かがないからだと感じ、自分たちが誇れるものをどう生み出すのかが課題と認識されていました。

ORGAN:設立に至る経緯などを説明する蒲さん

ORGAN設立に至る経緯などを説明する蒲さん

 ORGANのまちづくり活動は、①長良川おんぱく、②小売事業(長良川デパート、和傘CASA)、③不動産開発/活用事業(古民家改修)、④日本版DMO化、⑤旅行会社化、⑥伝統文化後継者育成(和傘、舞妓)、⑦不動産まちづくり会社設立など、多岐にわたります。

 珍しい取り組みとして「水うちわ」復活プロジェクトがあります。一度途絶えていた技術を職人にお願いして復活させました。岐阜の古い文献に、「長良川の鵜飼いでは岐阜団扇と渋団扇を川の水に浸けてから仰いで涼んだ」という話があり、これを水うちわの利用法に取り入れてみたところ、大当たりしたそうです。

ORGANのまちづくり活動を紹介する蒲さん

ORGANのまちづくり活動を紹介する蒲さん

 どんなことにも「ストーリー」が必要であり、「ストーリーが付加価値を生み出す」ことの重要性を力説されました。 
 お話の内容は、ファシリテーターである小林先生が随時、ホワイトボードにキーワードとして記されていました。

小林先生の記録(1)

小林先生の記録(1)

小林先生の記録(2)

小林先生の記録(2)

 「長良川おんぱく」では、『若手/移住者 × 地域文化 × 地元人』による新たな視点が生まれました。

 ORGANの課題解決アプローチは、営利事業と非営利事業の狭間で、「守りたい文化が失われゆく現状」を「新しい生き残り方で、持続可能な文化継承」につなげていくことです。

 そのためORGANの着地型体験観光の4ステップは、①体験イベント、②体験販売、③高付加価値体験、④地域旅行会社化という流れを考えているとのこと。
 ORGANのビジネスモデルは「 B to B」へシフトしつつあります。

ORGANの目指すリジェネラティブツーリズムについて語る蒲さん

ORGANの目指すリジェネラティブ・ツーリズムについて語る蒲さん

 ORGANはツーリズムの中でも「リジェネラティブ・ツーリズム(Regenerative tourism)」を目指しています。これは、「再生型の観光」を意味し、旅行先の状況をより良くするような旅のあり方です。

 「長良川で自然に還る旅」⇒ 「高付加価値な滞在型観光」⇒ 「地域文化への再投資・人材育成」⇒ 「世界的視野で文化を提供」というサイクルを回すことで、「再生型の観光」につなげていくという考え方です。

 今回の蒲さんのお話は『地域にとって何を考えるべきか』を改めて問い直す講座であり、かつ小林先生の的確なファシリテーションのお陰で、あっという間の2時間でした。
 中身の濃い講座、本当にありがとうございました。

 以上報告は、JIRIこと川尻秀樹でした。

 

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