リスクマネジメント講習会【基礎編&上級編】を開催しました
開催した日:
2026年2月7日8日と2日間にわたり、リスクマネジメント講習会(基礎編)と、リスクマネジメントディレクター養成講習会を開催しました。
今回の講師陣は株式会社ON-WIPSの田口眞嗣さん、NPO法人エヌエスネットの北川健司さん、環境教育事務所ネイチャーブランドプランニングの小川カツオ3人です。
3人ともに、NPO法人自然体験活動推進協議会(CONE)の安全部会のメンバーです。

講師陣(小川、北川、田口)
● 2月7日午前 (基礎編)
2月7日の午前中はリスクマネジメント(基礎編)で、田口さんが登壇されました。
講義の主な内容は、「自然体験活動指導者安全管理ハンドブック」に沿って進められますが、CONE安全部会の部会長で、講習会も多々実施されており、具体的な事例を交えながら講習を進められるので、よりリアルなリスクマネジメントの世界が脳裏に浮かんだのではないでしょうか。
田口さんが、講習の中で繰り返し触れられたポイントが3つありました。
▢リスクマネジメントの手順
確認 → 評価 → 処理 → 検証
▢リスクマネジメントの四本柱
- 安全管理マニュアルの整備
- スタッフトレーニングの管理
- 保険の加入
- 安全管理者の設置
▢ハザード(危険要因)の分類
- 人的要因
- 物的要因
- 環境的要因
特に人的要因は、人間が関わった要素が含まれれば、全てヒューマンエラーとなり、アクシデントの8割以上がヒューマンエラーを根拠とすると伝えられました。

講習中の田口講師
午前中の最後のセッションは、「事故事例から学ぶ」でした。
過去に実際に発生した子ども会の水難事故を例にあげて、事故の要因や対策などを検討しました。
午前中の締めくくりとして、事前対策(安全管理マニュアル、スタッフトレーニングの管理)、保険の加入の重要性に言及されました。
● 2月7日午後 (ディレクター養成1日目)
最初は田口さんが、この講習は「活動現場の指導者向け」であることを説明され、午前中に触れたリスクの概念を復習しながら、リスク・ハザード・ペリル・アクシデント・インシデントがあることなど。リスクの確認、評価、処理、リスクコントロールについて説明されました。
次に、私が「活動におけるリスク」について解説し、ワークショップを行いました。
①活動実施前のリスクマネジメント、②活動実施中のリスクマネジメント、③活動実施後のリスクマネジメントの観点について触れ、それぞれの段階で、リスクマネジメントの手順は、「確認」「評価」「処理」「結果の検証」を行う旨の説明を行いました。

リスクマップの説明中(小川)
続いて、3グループに別れ、グループワーク「ヒヤリハット体験からリスクを洗い出すワークショップ」を行いました。
参加者が所属団体で経験した、ヒヤリハットを付せんに書き出し、人的要因・物的要因・環境要因に分けてみます。

付せんを使ったワークショップ
午前中に田口さんが、人が関わった要素があれば「人的要因」とふれたこともあり、人的要因のヒヤリハットが9割を越すグループもありました。
さらに、これらのヒヤリハットをリスクマップ(縦軸:損害の規模、横軸:事故の発生度)に貼り直し、リスクの処理について考えていただきました。
次に北川さんが、「事故事例」について研究分析した内容を紹介してくれました。
この「セッションの目的」は
- 自然体験活動の事故事例を知り、現場における活動リスクを理解する
- 事故事例から事故発生の原因について研究する
- 自然体験活動中の事故事例の分析を基に、再発に備える
北川さんは具体的な事故事例として、長良川などでの「水難事故」や、民泊でのわいせつ事件など実際の現場事例を振り返って、どのようなリスクマネジメントが必要かを考えました。

講習中の北川講師
その後、参加者が過去に遭遇した「事故事例」を出し合って、まとめるワークショップを行いました。
ここでは事故を絞り込んで、それに対するリスクマネージメントを検討してもらいました。
7日の最後のセッションは「ヒューマンエラー」です
定義としては、「すべきことをしなかった、またはすべきでないことをしたなどの人間の行為によって、意図しない結果が起きること」です。
具体的な例として、食物アレルギーの事故、保育園の送迎バスに園児を放置し死亡事故に至った事例を紹介し、講義の後にヒヤリハットを分類し、要因を探るワークショップを体験していただきました。
多くの要因は、「能力不足」と「慣れ、悪習慣」のどちらかに分類されることに気づいていただいたと思います。
● 2月8日 (ディレクター養成2日目)
2日目は、①緊急事態への対応、②安全管理体制、③アクションプランと検定、④ふりかえりの4つのセッションです。
北川さんによる「緊急事態への対応」では、グループで事故発生時にどのように対応するかをシュミレーションするワークショップを行い、このシュミレーションから、スタッフに必要なトレーニング内容を検討しました。
その後、保険に関する基礎に触れ、保険には傷害保険と損害賠償保険がある。傷害保険は全てのケガや疾病に対して有効な訳ではない。損害賠償保険は賠償請求し過失割合が決まってから支払われる。「スタッフには絶対に、保険で支払います」と言わせてはいけないなどに言及されました。
授業形式では最後となるセッションは、田口さんによる「安全管理体制」についてでした。
安全管理体制のセッションとは、安全管理マニュアルとスタッフトレーニングのことです。マニュアルは2つ必要です。
1つは「事業運営マニュアル」でこれは予防的な意味で作成します。
2つ目は「緊急時事故対応マニュアル」で発生事案にどう対応するかです。
次に参加者自身が以前つくったマニュアルについてグループワークで話し合いました。
その後は、スタッフ研修(トレーニング)の内容の検討です。
1.実施期間は良いか。
2.対象者は誰を考えているか。
3.研修内容は適切か。
以上をアクションプランに反映させ、 ①安全管理の基準統一研修、②ヒヤリハットの減少に向けてのトレーニングなどの意見が出てきました。
安全管理体制の要点
①現場における安全管理マニュアルの作成と継続的な見直し
②スタッフトレーニングの実施
③適切な保険の加入
④「ヒヤリハット」「アンケート」「事故事例」の分析
⑤リスクマネージャーとの情報共有
続いて「検定」です。今回2日間学んだことを基礎に、2つの課題に取り組んで、アクションプランを考えてもらいました。(参加者の皆様の検定結果は、自然体験活動推進協議会よりお知らせしますよ。)
そして2日間の締めくくりとして、修了証の授与です。
メイン講師である田口さんから、みな笑顔で終了証を受け取って、リスクマネジメント・ディレクター講習を終えました。

田口講師より履修証が付与されました
最後に、参加者と講師が円陣に座り、2日間の気づきや、今日から取り組んでいくことについて語りました。
「安全管理マニュアル」の作成や見直しに取り組みます!といった言葉が参加者全員の脳裏に残った瞬間となったのではないでしょうか。
報告者:小川カツオ(環境教育事務所ネイチャーブランドプランニング)
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529



