『田歌舎の世界:森と生きる知恵を学ぶ〜自給自足の暮らしとジビエローストづくりワークショップ〜』を開催しました

開催した日:

京都府美山町『田歌舎』の知恵を岐阜へ。田歌舎・藤原誉さんと学ぶ「森と自給自足の暮らし」

京都府美山町から、自給自足の聖地「田歌舎(たうたしゃ)」の代表・藤原誉さんをお招きし、1日講座を開催しました。

田歌舎 藤原誉さん
田歌舎 藤原誉さん

「食べるものは自分で育てる。住む場所は自分で建てる。命は自らいただく。」
そんな、現代人が忘れかけている「生きる力」の原点を、藤原さんの圧倒的な実践経験から学ぶ濃密な時間となりました。

音楽、アウトドア、から自給自足へ。自分を変えた「食」の力

講義は、藤原さんの意外な前歴からお話が始まりました。 学生時代は音楽に没頭しプロを目指していた藤原さん。その後、アウトドアメーカーでラフティング部門に所属しました。しかし、「本当にやりたいことは何か」を自問自答し、たどり着いたのが美山での田舎暮らしでした。移住後、自身のアトピーや花粉症、高血圧を「食」と「呼吸法」で克服したというエピソードには、参加者の皆さんも身を乗り出して聞き入っていました。 「外の環境(自然)を整えることと、内なる環境(体)を整えることは、地続きなんです」という言葉が、深く胸に刺さりました。

害獣駆除ではなく、命を「補充」する狩猟

「狩猟を始めたのは、自給自足のパズルの1ピースとして、タンパク質が必要だったから。害獣駆除が目的ではなかったんです」。
藤原さんの語る狩猟観は、非常にフラットで本質的です。 鹿や猪が増えすぎた背景、森林の植生の変化、そして「雑肉(アナグマやサルなど)」までをも無駄なく美味しく食べるための工夫。
「鹿は牛に近く、猪は豚に近い」。それぞれの肉の特徴やリスクを熟知しているからこそ語れる、リアリティ溢れる命の講座が展開されました。

森のエネルギーを凝縮する「焚き火ロースト」

午前中のワークショップでは、いよいよ本日の主役「鹿肉の焚き火ロースト」に挑みました。
焚き火会場となるフィールドへの移動中、参加者の皆さんには、足元に落ちているスギの枯れ葉を拾い集めてもらいました。

スギの落ち葉

スギの落ち葉

「これが最高の着火剤になるんです」と藤原さん。森にあるものを即座に道具に変える、自給自足の基本を歩きながら学びます。

ブロックとレンガで作った簡易炉

ブロックとレンガで作った簡易炉

「特別な道具は必要ありません。網と鉄板、そしてブロックがあれば誰でも家で再現できます」

拾い集めたスギの葉に火を灯し、針葉樹の薪を組んでいきます。

肉にオリーブオイルとハーブを揉み込み、火の熱量をじっくりと肉に伝えていく工程。

肉を仕込む

肉を仕込む

「火をおこしたら、熾火(おきび)ができるまで動かさない。熱量を分散させないのがコツです」焼けていく肉の香ばしい匂いと、弾ける薪の音。
参加者の皆さんは、藤原さんの鮮やかな手さばきを食い入るように見つめ、温度のコントロールや味付けの秘訣を五感で吸収していました。

驚きの美味しさ!ジビエ試食タイム

お楽しみの昼食時間には、田歌舎で実際に販売されている製品の試食が行われました。

鹿肉のロースト、アライグマ・タヌキのハム

鹿肉のロースト、アライグマ・タヌキのハム

用意されたのは、なんと「アライグマ」と「タヌキ」のハム、そして田歌舎で丁寧に製造された「鹿肉ロースト」です。
「えっ、アライグマが食べられるの?」と最初は驚いていた参加者の皆さんも、一口食べるとその凝縮された旨味に目を見開きます。
臭みは一切なく、丁寧な下処理と加工技術が光る逸品に、お箸が止まりません。

用意されたお肉はあっという間に完食!「命を余さずいただく」という藤原さんの言葉を、文字通り全身で味わい、実感するひとときとなりました。

森と暮らしを、自分たちの手に取り戻す

「テーマパークのような人工物は楽しいけれど、自然の中には『楽しさ+学ぶもの』がある!」

大工として国産材100%の家を建て、1.5haの田畑を耕し、日々山に入る藤原さん。 その暮らしは決して「不便を楽しむ」ためのものではなく、自然のサイクルと自分の命を同期させる、とても合理的で豊かな選択なのだと感じさせられました。
最後は、参加者同士での活発な質疑応答。 「野菜の肥料はどうしているのか?」「大工の技術をどう身につけたのか?」 次々と溢れ出す質問に、一つひとつ丁寧に、時にユーモアを交えて答えてくれる藤原さんの姿に、参加者の皆さんの目には「自分たちにもできることがあるかもしれない」という小さな希望の火が灯っているようでした。

自然の厳しさを知っているからこその優しさと、力強さ。
『田歌舎の知恵』がmorinosの森に響き渡った、忘れられない一日となりました。

報告者:小川カツオ(森の知恵共創共同事業体)

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