グリーンウッドワーク指導者養成講座(森を見る)~ナイフワーク編~
開催した日:
11月22日から24日までの3日間、ナイフワークと「森を見る」をテーマにしたグリーンウッドワーク講座を開催しました。
この講座は『グリーンウッドワーク指導者養成講座2025』に応募いただいた中で選考から漏れた方を対象に、指導者養成講座の内容を一部に絞り、短期講座として特別に実施しました。全国から集まった参加者は、年齢も職業も経験もさまざま。短い日程ながら、技術だけでなく、考え方や視点までを持ち帰ってもらうことを意識した3日間です。
初日のテーマはナイフワーク。持ち帰ってすぐに実践してもらえるよう、テキストを使いながら、一つひとつの動きを丁寧に確認していきました。

ナイフのグリップは10種類以上ありますが、大切なのは「すべてを覚えること」ではありません。どのグリップを、どんな場面で使うのか。使う頻度の低いものは軽く触れる程度にし、よく使うグリップについては、なぜそれを使うのか、どんな時に生きるのかを時間をかけて共有しました。ただ技術を学ぶだけでなく、「どうすれば人に伝わるか」を考え続けること。指導者として大切にしたい視点でもあります。

2日目はいよいよ森の中へ。
講師には、樹木医であり兵庫県で特殊伐採などの仕事もされている吉岡正樹さん、
森林総合研究所の倉本惠生さんをお招きしました。
吉岡さんには、前日の夜、講座の導入として川合玉堂の絵や万葉集の一節を交えながら、昔の人の森の感じ方と、現代の森の見方を重ねてお話しいただきました。教科書には載っていない、AIにたずねても出てこない、現場からの視点です。
その前日の導入を受けて、まずはそれぞれが森をじっくりと感じる時間からスタート。それぞれがお気に入りの木を選び、じっくりと観察しました。その後、装備や伐採の基本、グリーンウッドワークで使う樹木の選び方について解説を受けながら、なぜこの木を選ぶのか、この枝を使うのかを、森の空気の中で考えていきました。

午後は森で採取した枝を持ち帰り、樹木同定の方法、葉や樹皮の特徴、その木が森の中で果たしている役割までを学びました。お二人の講師から、それぞれ異なる視点で木と森を見ていく、非常に奥行きのある時間となりました。
講座を終えた参加者のみなさんは好奇心に火がつき、夜の食事の時間も森や木の話が尽きることなく続きました。あちこちで議論が生まれ、それぞれが森のことを本気で考える、熱のこもった夜となりました。

3日目は研ぎと復習の時間。
研ぎは、どうしても悩みがつきものです。近道も裏技もなく、数をこなし、体で覚えていくしかない世界。
目指す刃の形、力の入れ方、イメージの持ち方など、大切にしているポイントはできる限りお伝えしましたが、最終的には一人ひとりが手を動かすしかありません。
その後は各自の復習の時間。時間ぎりぎりまで研ぎ続ける人、斧やナイフの使い方をもう一度確かめる人、前日の講師をつかまえて疑問を解消し学びを深める人。それぞれが、それぞれのやり方で、残りの時間を過ごしていました。

終了後のアンケートでは、「木々の名前の復習がてら森を散歩しました」「これからもさらに学び続けたくなりました」といった声もあり、ものをつくるだけではない、多様な学びが生まれた3日間だったことを感じています。
グリーンウッドワークの講座は、単に技術を身につけるための場ではありません。横のつながりをつくり、自分の手と体で確かめながら、これから先の現場へ進んでいくための土台をつくる時間だと思っています。今回の3日間で得た気づきが、それぞれの場所で、これからの活動に生かされることを願っています。最後は集合写真。
対生、互生、全縁、鋸歯、羽状複葉——今回覚えたキーワードを、それぞれ好きなポーズで表現して、パチリ。

文責:グリーンウッドワークラボ 山路今日子
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529



