『森の恵みと音楽のひととき』を開催しました

開催した日:

 森の歌会で有名な山田証さんによる『森の恵みと音楽のひととき』を開催しました。

 講座はまず山田証さん(以下、証さん)による野草に関する簡単な講義から始まりました。自分自身の体験談、地元のものを地産地消することの意味、季節のものを食べることの大切さについての証さんならではの視点で語っていただきました。

 そして証さんのギター演奏に合わせての、楽しい自己紹介へと続きました。

自己紹介を兼ねたアイスブレイキングする証さん

自己紹介を兼ねたアイスブレイキングする証さん

 さて、続いてフィールドワークです。

 最初に採取した野草は「ヤエムグラ」です。見分け方の特徴や、証さんがどのように食べているのか解説された後に、みんなで採取タイム。

ヤエムグラを観察する参加者

ヤエムグラを観察する参加者

 次は「スイバ」と「ミドリハコベ」探しです。ここではスイバとギシギシの見分け方、ミドリハコベとコハコベの違い、食べる場合の注意点など、野草ソムリエである証さんの実践から生み出されたトークが炸裂しました。

スイバの見分け方を説明する証さん

スイバの見分け方を説明する証さん

 証さんは野草を採取する度に、『野草と大地に感謝する』ギター演奏と歌を披露され、それに参加者も同調して楽しく野草採取しました。

 途中で「ヒメジョオン」、「ハルジオン」、「スギの雄花序」も採取。これは生のままスパイス的に利用する予定です。

 もちろん採取地までの移動時にも、証さんはギターをつま弾きながら歌い、参加者を飽きさせないプロならではのパフォーマンス。

移動しながら音楽にふれる参加者

移動しながら音楽にふれる参加者

 森林文化アカデミーを流れる渓流沿いでは「ノビル」の群生地を発見。

 球根は残しておけばまた発生するので、多くの人は地上部の茎を採取していました。証さんの解説を聞きながら特有の香りを楽しむ参加者もいました。

ノビルの茎を採取した参加者

ノビルの茎を採取した参加者

 アカデミーの校舎周辺では、「タネツケバナ」「オランダミミナグサ」「キュウリグサ」「セイタカアワダチソウ」「ヨモギ」「ヒメブタナ」「オオアレチノギク」などを採取。

 証さんのおすすめは「タネツケバナ」と「セイタカアワダチソウ」。特に「セイタカアワダチソウ」は肉料理におすすめらしいです。

肉料理にあるセイタカアワダチソウの説明をする証さん

肉料理にあうセイタカアワダチソウの説明をする証さん

 12種の野草を採取したのち、間違いがないか確かめるため、全員で採取した野草を名前毎に並べて再確認しました。

 こうして草の名前や特徴を繰り返し覚えることで、間違えることなく美味しい野草を楽しめるようになります。

集めた野草を鑑定する参加者

集めた野草を鑑定する参加者

 参加者は、採取した野草の中から、食べてみたいものをピックアップして、各自で水洗いしました。きれいに洗えば「タネツケバナ」は根まで食べられます。

自分たちが食べる野草を

集めた野草を水洗い

 各自が洗った野草をハサミで適当な大きさに切り、塩とオリーブオイルをかけ、クルトンを散りばめれば、『特製 野草サラダ』の出来上がりです。

 下の写真の女性が作ったサラダが美味しそうだったので、撮影をお願いしました。参加者はみな、各自で作ったサラダを前菜に、お弁当を食べました。 

完成させた野草サラダを手に記念撮影

完成させた野草サラダを手に記念撮影

 講師の証さんの『証飯』は、「玄米ご飯+野草ミックス+クルトン」です。2~3種類の野草が入るだけで、味に深みがでるそうです。

玄米ご飯に野草とクルトンを載せた「証飯」

玄米飯に野草とクルトンの「証飯(あかしめし)」

 さて、昼食の後は『音楽のひととき』です。

 場所を移動し広葉樹林の下にマットを敷いて寝そべります。

 すると証さんが「みなさんが森に寝そべって上を見上げると紅葉が一層美しく感じますよね。また落ち葉で見えませんが、みなさんが寝そべっている下には多くの樹木のタネがいるはずです。これは自然だけの話ではなく、私たちの心の中にもいろんなタネがあるはずです。そのタネを育てるためには、リラックスして心を落ち着ける必要があります」

 と解説し、参加者は1分ほど、自然の音、つまり木々を抜ける風の音、野鳥のさえずり、生活音など周辺から聞こえる音を聞き分ました。

森に寝転んで証さんの演奏淘汰を聞く参加者

森に寝転んで証さんの演奏と歌を聞く参加者

 続いて、①パイオニアソング、②雨粒ノック、③虹(にじ)、④咲いた咲いた、⑤ちょうちょ、⑥はちが飛ぶ、⑦どんぐりころころ、⑧まつぼっくり、⑨きらきら星、を歌って下さいました。

 森に寝そべって聴く歌はなんとも心地よいものでした。

 この森でのしめくくりは、詩人の長田 弘さんの『最初の質問』の朗読です。参加者は森の中で知らず知らずのうちに心が整っていくのです。

次々に心地よい歌と演奏を提供する証さん

次々に心地よい歌と演奏を提供する証さん

 30分過ごした森から、次の森に移動開始です。

 次の森は毎日、ニホンジカが訪れている森で、少し薄暗い状態です。

 違った森林環境で歌を聞くと、また気分も変わります。

次なる森に向かう参加者

次なる森に向かう参加者

 証さんはここで、①アンカレッジ、②静かな力、③全部良かった、の3曲を披露されました。

 森が薄暗いため少し不安そうだった参加者のみなさんも、証さんの歌を聞くうちに森に包まれるようにリラックスされていました。

寝転んだ参加者の間を歌いながら回る証さん

寝転んだ参加者の間を歌いながら巡る証さん

 morinosに戻ってから、今回の感想を述べてもらいました。

 野草があれほど美味しいとは思わなった。スイバとノビルが美味しかった。緑の味がした。今朝は愚痴を言いながら来たけれど、森に寝そべったらスッキリした。森に寝転んだら音をしっかり聞くことができた。森に寝ると「無」になれた。

 などなど、初めての体験に様々な発見があったようです。

最後も楽しく歌でしめる証さん

最後も楽しく歌で締める証さん

 最後に、証さんは写真家の星野道夫さんの『MOOSE (ムース)』の一節を紹介し、その土地の食べ物のお陰で、その土地ならではの自分ができることを説明され、1日を終えたのです。

 以上報告は、JIRIこと川尻秀樹でした。

 

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