自然体験指導者講座 Nature Game入門『 “センス・オブ・ワンダー”を受け止める! 』

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 幼児教育に関わる大人(保育園・幼稚園・こども園・児童センターほか)の方々、自然体験指導者とそれを目指す方を対象とした講座 Nature Game入門『 “センス・オブ・ワンダー”を受け止める! 』を開催しました。

 今回は「わらべうた」や「絵本」などを活用しながら、五感を使って自然を深く体験することで、自然の不思議や面白さにワクワクする時を楽しみます。同時に、子どもたちの “センス・オブ・ワンダー”を受けとめ、わかちあえる穏やかな心をよみがえらせることを目指します。

 メイン講師は岐阜県シェアリングネイチャー協会理事であり、日本自然保護協会自然観察指導員、岐阜県環境教育推進員などとして活躍する原 令子さん、そしてサブ講師に岐阜県シェアリングネイチャー協会理事で森林インストラクターとして活動されている三浦美奈子さんです。
 お二人とも保育士や親子を中心に、子どもたちの感性を豊かにするような自然体験活動の普及に取り組み、ネイチャーゲームを通して子どもたちが自然を読み解く力をつけるために尽力されています。

 最初は、となえ歌の『ゆすりゃゆすりゃ』です。全員でサークルになって「ゆすりゃ、ゆすりゃ、柿の木まで、ゆすりゃ」と木の名前をかえて唱えながら両手を左右に振ります。次の人は同じように、「ゆすりゃ、ゆすりゃ、○○の木まで、ゆすりゃ」と唱えて、次々に唱える人が変わっていきます。

 これを「木の名前を自分の名前に変更したバージョン」では、両手を前後に振りながら自己紹介します。アイスブレイキングを兼ねた活動です。

「ゆすりゃゆすりゃ」する参加者

「ゆすりゃゆすりゃ」する参加者

 次のアクティビティは『あんたがさどこさ』を利用したお手玉バージョン、お手玉の中身はクロマメやアズキ、ギンナン、ジュズダマ、チャの実、ドングリなど様々あって、その感触の違いも楽しみながら、参加者の感覚を研ぎすましていきます。

お手玉を使ったアイスブレイキングする参加者

お手玉を使ったアイスブレイキングする参加者

 3つ目のアクティビティはレースを利用したのものです。

『おおかぜこい』というわらべうたを歌いながら、レースをふったり、花にしたりと手の触覚をお手玉以上に研ぎすまします。

3つ目のレースを使ったアクティビティをする参加者

3つ目のレースを使ったアクティビティをする参加者

 続いてフィールドに出て『感触の宝箱』の実践です。これは何が入っているか分からない布袋に手を入れ、触ってみた触感から、同じような触感のものを探してくるゲームです。

フィールドで『感触の宝箱』を体験する参加者

フィールドで『感触の宝箱』を体験する参加者

 参加者は、袋の中身を触って感じた触感を表すものをmorinosひろば内から集めてきます。それを全員で確認し、葉っぱであったり、木材であったり、樹皮であったり、集めて来るもののバラエティに驚きながら、その感触を全員で共有します。

 各自、自分が想像もしなかったものを触ってみて、「なるほど!」と驚いていました。このゲームではあえて、袋の中身を答え合わせしないのが特徴です。

 こうして感覚を研ぎすますフローラーニングを進めました。

参加者各自が触って感じたものを探して並べる

参加者各自が触って感じたものを探して並べる

 次は『カメラゲーム』です。最初に、原さんがカメラ役、三浦さんが撮影者役をつとめて見本を示します。

『カメラゲーム』の見本を示す原さんと三浦さん

『カメラゲーム』の見本を示す原さんと三浦さん

 『カメラゲーム』は、最初に全員が「何を撮影するか」の題材探しに向かいます。題材が決まったら、撮影者役の人が目をつむったカメラ役の人をエスコートして、被写体の前まで誘導して構図が決まったらシャッターの代わりに肩を叩いて合図します。撮影者役の人はカメラ役の人に、自分が映したい被写体に構図を的確に合わせなければなりません。なかには誘導が強引な撮影者について行くのが大変そうなカメラ役の人もいました。

『カメラゲーム』に取り組む参加者

『カメラゲーム』に取り組む参加者

 さて午前はここまでです。

 午後1番は、原さんがネイチャーゲームに取り組む契機となった絵本『あそぼうよ もりのなかで』を紹介しながら、各自が持参した絵本の内容説明をする『絵本バスケット』を実施しました。これは『フルーツバスケット』の絵本版です。

『絵本バスケット』の方法を説明する原さん

『絵本バスケット』の方法を説明する原さん

  『絵本バスケット』では、本を紹介した人がお題を発表します。例えば「葉っぱの描いてある絵本」と呼ばれると、自分の絵本に「葉っぱ」が描いてある人が席を変わらなければなりません。座席は1つ少なくしてあるので、移動に遅れて座れなかった人が、持参した絵本の内容を紹介していきます。

 「ひみつのカレーライス」という絵本を紹介された事例では、カレーを食べた少年の口の中に1粒のタネが残り、そのタネを蒔いてみると木になって、カレーやご飯、器、福神漬けまで実りました。みな初めて知った絵本に、興味津々になりました。

自分がおすすめの絵本を紹介する参加者

自分がおすすめの絵本を紹介する参加者

 次にフィールドワークとして『わらしべウォーク』に取り組みました。

 これは最初に1枚の葉を拾い、歩きながらより自分にとって魅力的な1品を探し、より良い1品に変化させていくものです。

『わらしべウォーク』する参加者

『わらしべウォーク』をする参加者 

 各自が集めてきたものは、美しい葉や変わった石、ヤマノイモのムカゴ、魅力的なドングリの殻斗など、様々です。

『わらしべウォーク』の成果品を見せ合う参加者

『わらしべウォーク』の成果品を見せ合う参加者

 次に、参加者が集めた1品を、自然の中でその1品にとって居心地の良さそうな「すみか」を探し置いておきます。1品にとっても、プレイヤーにとっても、いい感じのすみかでなければなりません。

 1品をすみかに置いたら、3~4人グループでお互いの場所を訪問し合ってシェアリングです。

『森のすみか』をグループシェアリングする参加者

『森のすみか』をグループシェアリングする参加者

 次に三浦さんが、『あおむけ ごろん』という絵本を読みました。絵本の内容を聞いた参加者は、森の中でシートを敷いて寝転がります。

絵本「あおむけ ごろん」を読む三浦さん

絵本「あおむけ ごろん」を読む三浦さん

 ヤマザクラやコナラ、クリの生えた林内であおむけになって、森の中の空と、背中で感じる大地を体感します。

 一定時間寝転がったら、グループで感じたことをシェアリングです。

「あおむけ ごろん」を実践する参加者

「あおむけ ごろん」を実践する参加者

「いつも以上にリラックスした」「あまり聞けていなかったいろんな音を聞くことができた」「地面ってこんなに冷たいんだと感じた」「枝先の葉が冬支度しているのを感じた」などです。

 普段、森の中で座ることがあっても、寝転んで全身で森を感じる体験はなかなか無いので、いい経験になりました。

 最後にまとめの「ふりかえり」です。

 ネイチャーゲームでは①自然への気づき、②フローラーニング、③教えるのではなく分かち合うことが大切であると、再度確認し合いました。

 そしてグループに分かれて、自分たちの職場で実施できそうな事柄についてもふりかえりました。

最後に室内で全体のふりかえりをする原さんと三浦さん

最後に室内で全体のふりかえりをする原さんと三浦さん

 参加者は「五感を使う大切さ」「感じたことを共有する大切さ」「子ども目線で実践すること」「全員でシェアリングするとより理解が深まる」など発表して講座を終えたのです。

 ご参加頂きましたみなさん、また講師の原さん、三浦さん、本日はありがとうございました。

 以上報告はJIRIこと川尻秀樹でした。

 

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