「ひだ木遊館 木っずテラス」での『はだしのトレイル』づくり

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 昨年(2024年)11月にオープンした「ひだ木遊館 木っずテラス」の来館者が、9月に1万人を突破しました。
 これを記念して、木っずテラスは『はだしのトレイル』をつくることにしたので今回、morinosスタッフがお手伝いに行って来ました。

飛騨地域の「自治体の木」について説明するスタッフ

飛騨地域の「自治体の木」について説明する木っずテラスのスタッフ

 『はだしのトレイル』はmorinosで、「はだし研究者」として知られる金子潤さんをお招きして長年実施してきたプログラムで、裸足で歩くことで自然との一体感を味わいながら、身体感覚が鍛えられ、五感も研ぎすまされる活動をする施設です。

 今後、木っずテラスでも屋外での活動を始める契機となるよう、一般募集された小学生や保護者の皆さんとともに、第一段階のトレイルづくりに取り組みました。

  • 今日利用する敷材についての説明を聞く小学生利用する敷材についての説明を聞く小学生

 「飛騨らしさ」を出すため、2005年の広域合併前の「市町村の木」を思い出し、かつその樹種の利用も郷土の誇りとして伝えることができるような取り組みをしました。
 例えば高山市は10市町村が合併しましたが、高山市・国府町・宮村はイチイ、久々野町・荘川村・上宝村はシラカバ、丹生川村はヒノキ、清見村はホオノキ、朝日村はアカマツ、高根村はモミが指定されていました。
 他にも飛騨地域一円を考えると、白川村はブナ、古川町はイチイ、宮川村はケヤキ、神岡町はヒメコマツ、小坂町はヒノキ、萩原町はイチイ、金山町はモミジ、馬瀬村はスギでした。

ヒメコマツのチップの臭いを嗅ぐ小学生

ヒメコマツのチップの臭いを嗅ぐ小学生

 そこで、トレイルの敷材はこれらの樹種の樹皮・木材・葉っぱなどと、飛騨を代表する河川の小石を使用することにしました。材料は木っずテラスのスタッフが、飛騨地域の仲間に声を掛けて集めました。①宮川の小石、②アカマツの葉、③ヒノキの樹皮、④ヒメコマツのチップ、⑤スギの樹皮(粉砕済)、⑥ブナの樹皮(粉砕済)、⑦モミジの葉、⑧イチイの薄板、⑨シラカバの樹皮です。

 それぞれの材料について、簡単な質問をしながら、樹種名やその利用のされ方、特徴などを学んでもらい、同時に香りも嗅いでもらいました。

木枠でルートを決める小学生

木枠でルートを決める小学生

 次に、トレイルのルート決定です。スタート地点とゴール地点は決まっていましたので、ルートを真っすぐにするのか、少し曲げて作るのかを、参加した小学生に決めてもらいました。

決定したルート

決定したルート

小学生が決めたルートに丸太の木枠を固定するスタッフ

小学生が決めたルートに丸太の木枠を固定するスタッフ

 ルートが決まったら、木っずテラスのスタッフがルート沿いに丸太を設置。その間に、小学生たちには敷材として使うマツとモミジの葉を、枝から丁寧にもぎ取ってもらいました。

アカマツの枝から葉を外しとる小学生

アカマツの枝から葉を外しとる小学生

 ルートの区画が完成したので、小学生の皆さんが①宮川の小石、②アカマツの葉、③ヒノキの樹皮、④ヒメコマツのチップ、⑤スギの樹皮(粉砕済)、⑥ブナの樹皮(粉砕済)、⑦モミジの葉、⑧イチイの薄板、⑨シラカバの樹皮を順に設置していきました。

宮川の小石を敷き詰める小学生

宮川の小石を敷き詰める小学生

 飛騨を代表する樹種の1つであるイチイは、伝統工芸品「一位一刀彫」の材料であり、「宮笠」の材料でもあります。こうして敷材に使う樹種の利用についても学びながら、トレイルづくりをしました。

次々にトレイルの区画を完成させる小学生

次々にトレイルの区画を完成させる小学生

 こうして本日分のトレイルが完成したので、全員でトレイル体験です。

 靴や靴下を脱いで、裸足でトレイルの上を歩いてみます。歩きながら香りを嗅いだり、足裏の感覚で痛いかどうかも確認しました。

全員で完成した部分を渡り初めする

全員で完成した部分を渡り初めする

面白くなってトレイルを往復する小学生

面白くなってトレイルを往復する小学生

 「はだしのトレイル」体験も終えてから、全員に感想を聞きました。

「木のにおいを嗅いで面白かった」「トレイルづくりが楽しかった」「また来て、今日の延長をつくりたい」「いろんな樹種を覚えることができて良かった」など、様々な感想が寄せられました。

最後に感想を述べる小学生

最後にみんなで感想を共有

 こうして「ひだ木遊館 木っずテラス」に新たな名所ができました。このトレイルはこれからも延長される予定です。今後も皆さんの協力を得ながら、飛騨らしい施設になっていくことをmorinosスタッフは願っています。

 以上報告は、JIRIこと川尻秀樹でした。

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