目からウロコの「外遊びが育む“からだ”の発達」講座、実施しました。
開催した日:
5/30(金)に、「外遊びが育む”からだ”の発達〜どうして?やめてくれないその遊び、その動き、発達のために必要かも?〜」講座を実施しました。
子連れでも参加したい!と子どもと一緒に来てくれたママさん、これから発達支援に取り組みたい方、保育士さんなどが集まってくださいました。
はじめに、自己紹介を兼ねて
①自分の名前と、子どもがいる人は人数・年齢
②普段子どもとどんな外遊びをしているか(家庭で、仕事で)
③子育てや子どもの発達についての困りごと
④参加の動機
をシェアしました。
子どもの体重が増えない、指しゃぶりをする、姿勢が悪い、嫌なことがあると人を噛んでしまう、ご飯のとき汁物をジャーっとこぼす、などなど・・・職場での困りごと、家庭での困りごとがたくさん共有され、「わかる」「あるよね」と共感が生まれていました。
その後講師の本田さんから、みんなの困りごとには「原始反射」というものが関わっていること、原始反射が問題なのではなく必要な動き(反射)を十分使わないまま体が成長してしまい、反射が統合していないので困りごとにつながることなどを説明してもらいました。
原始反射が統合されていないと特徴的な体の動きが残るので、実際にいくつかチェックしてみました。
「はい、力抜いて〜」「足を開いてみて〜」「はだしになって歩いてみると・・・」などなど、
指示通りに動いてみたあと、「それやってみたら手がこうなった人は?」「このとき足の指がこうなった人、原始反射が残ってます」と解説がありました。
自分に使いきれていない反射が残っていることがわかったり、実際に目の前で反射が残っている状態を見たり、大人でも反射が統合していない事実に驚いたのでした。
反射のチェックのあとは、それぞれの困りごとがどの原始反射と関係があるのか、なぜその動きをしたがるのかなど、全体で学びを深めました。
個別の質問に答えていると、あっという間に時間は過ぎ、午前中の予定が終了。
今回の参加者は、子育て中か子どもと関わる仕事などをしているなど、子どもと関わっている人ばがりでした。
そのため、本田さんから「原始反射の統合をすすめる活動をしている方のセミナー動画(上映会用の有料動画)を、希望する参加者の方にみてもらえると参考になると思う」と強い希望をいただき、昼休み中に上映会を行うことにしました。
『主体性とは何か、どうしたら主体性を引き出す関わりができるか』について、
・「お菓子食べたい」「YouTubeみたい」「歯みがきしたくない」は主体性なのか?
・「お料理したい」「靴下自分ではきたい」という能動性を、達成感とともに叶えるためには?
・「サッカー辞めたい」に対する対応は?
などの内容の動画を視聴しました。
意欲に溢れたみなさんは、昼食を食べながらも学び続けたのでした。
午後はmorinosひろばで、実際に遊びの中でどんな動きが生まれるか、その動きは反射と関わりがあるかを見ていきました。
「こんな動きをずっとしてて・・・」という悩みに対して、「それは足の反射に対して体が欲してる動きだから止めないで満足するまでさせてあげてほしい。でも、こういう場所でされると危ないと思うから、別の場所でできるよう場を整えてあげるといい」と返答がありました。
また、「草を引っこ抜いたりちぎったりしていることないですか?」という問いに対して、「その草のその感触が好きでやっているのか、いろんな草を触って違いを楽しんでいるのか、ちぎるという感触を楽しんでいるのかで対応が変わります」との答え。参加者からの質問に対して次々に返答や対応策がとびだし、参加者からは「遊びに対してそこまで観察していなかった」「あの困った動きにそんな意味があったなんて」「こうしたら?と別の提示をしていたけど、おせっかいなことだったとは」「これからは、そうかその刺激がほしいのねとおおらかに見守れそう」など現場を見ながらの質疑応答は尽きませんでした。
最後は、室内に戻ってまとめの時間をとりました。
今日の感想や印象に残ったことを漢字一文字で表して、書いた意図とともに紹介し合いました。
「行動に目を向けるだけでなく、その子を満たしてあげるにはどうしたらいいかと考えることが大切だと感じました」
「子どもたちのやりたい事を観察して思いっきり楽しんでもらうことがとても大切なのだと思いました」
「子どもの発達のために今何をしてあげたらいいのか、今の接し方遊び方でいいのか、わからずにモヤモヤしていましたが、答えは今の子どもにあるんだな、とわかり少し気持ちがスッキリしました」
など、ふりかえりを全体で分かち合うことで、お互いから学びあうことができました。
たくさんの方に原始反射や発達について知ってほしいという思いから始まったこの講座。参加したけど保育園の先生にも知ってほしいという人、都合がつかなかった人などから、また実施してほしい!と希望をいただきました。
ありがとうございました。
参加者の声(※アンケートより一部抜粋)
・ダメなことを止めるのではなく、他のやり方で満たしてあげたいと思いました。
・やってはいけないと頭ごなしに言うのではなく、やっていることにはちゃんと理由があり、刺激がほしいのだと子どものことを理解する気持ちの余裕がでました。
・原始反射という言葉は知っていたが、原始反射が統合しないと、困難なことが起こることをしり驚いた。大人になっても獲得されていない人が多いことも驚きでした。
・不思議なことに、講座を受けてから、あえて靴下を脱がせて遊ばせていたらグンと成長したなぁと思う部分が子どもにあって、その他が統合されていくと発達が進むという理論がなんとなくこれのことかな〜と感じることもありました。
・とことん、今子どもが関心があることに付き合っていこうと思います。また、反射が発達に繋がるとは考えもしなかったので、とてもビックリしました。こどもに関わる人みんなが知っているといい話じゃないかな、と思いました。
報告者:森林総合教育センターmorinos 瀧上(まいまい)


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