”めんどくさい関係”の先の タカラモノ 〜森のだんごむし おかげさまで卒園式!〜
開催した日:
保育無償化という時代の中、保育園に預けないどころか自らの子どもだけでなく
わざわざ他人の子どもたちまで預かって森の中で保育をする「野外自主保育」。
雨の日も風の日も体調の悪い日も、炊事家事洗濯と、ただでさえ忙しい日々の
生活の中、どれだけ関わっても、どれだけ他人の子の面倒をみても賃金ゼロ。
「思い」だけでまわっている、貨幣経済からは遥かにかけ離れた世界なのです。
時代と逆行しているのかもしれないし、もしかすると最先端なのかもしれない。
そんな野外自主保育を2007年から続けてきた「森のだんごむし」の子どもたちと
そんな子どもたちを見守り続けてきたお母さんたちが今年もアカデミーの森と
山の神様に見守られながら、無事卒園しました。
「自主保育」と言っても、森のだんごむしは、もしかすると保育ではない
のかもしれません。保育が生まれるはるか前から、人類が太古から続けてきた
森の中に暮らす群れの子育てのあり方なのかもしれません。
母親たちが集い、目の前にいる子どもたちの「いまここ」に一喜一憂しながら
答えのまったくない「子育て」について、あ〜だこ〜だ自分が感じたことを
言い合いながら試行錯誤し、時には笑い、時には泣き、時には悩み、そして慰め合う、
そんな混沌とした3年間を過ごしてきました。
子どもはいつもみんなの真ん中にいます。
入園当初はお互いに遠慮しあっていた関係性も、長い時間を、ともに子育て
していく中で、日に日にストレートな関係性へと変化していきます。
互いの違いを認め合いながら少しずつ少しずつ信頼関係を構築していきます。
それもそのはず。子どもたちが成長していく環境を創っているのが自分たちなワケ
ですから、すべてが「自分ごと」になるわけで、自らの行動と他者との関係性が
すべて自分と自分の子どもに還ってくるという、めちゃくちゃシンプルでわかり
やすい場所なんです。
だから、過去に蓋をしてきた自らの課題や宿題に直面せざるを得ないことも
多々あります。それだけに、卒園する頃には、お母さんたちはめちゃくちゃ成長
しているのです。そして子どもたちはそんな母親たちの真剣な姿と、母たちの
とてつもない愛情に包まれながら、自らが生まれつき持っているより良く成長して
いく力を発揮して、ある意味勝手に大きくなっていくわけです。
そんな「超めんどくさい」3年間を経験したお母さんたちの考え方や行動は、
自称「子育てや保育の専門家」のそれよりも遥かに素晴らしく、心にジワ〜っと
響くのは、当然のことなのかもしれません。
今年はなんと、お母さんのひとり、るいちゃんが、森のだんごむしで
活動する中での日々の気づきをSNSで写真と共に呟いていたものを
再編集した100ページ以上にも渡る冊子が完成!
冊子の中には、日々の写真とともに
子どもの様子をしっかりと観察していたからこそ、そして
子どもたちにどう関わればいいのか真剣に考えていたからこそ、
そしてそして、
超めんどくさい関係性にしっかりと向き合ってきたからこそ
生まれてきた珠玉のコトバがぎっしりと詰まっていました。
思わず唸ってしまいます。
近いうちに出版したい〜〜!出版社募集中!!
<以下抜粋>
つい大人の経験上「知っている」というつまらない慢心で、余計な助言をしそうになる。
「なんでも知らないことが必要で、知っていることは役に立たない」と言ったのはゲーテ
だったかな・・・。
今まさに、全身で感じ取ろうとしていること、失敗を重ねようとしていること、発見の
手前まで来ていること、その機会をうばっちゃいかんなぁと・・・。
改めて森のだんごむしの存在意義を再認識できた瞬間でした。
ああ、ず〜っとやり続けてきて本当によかった。
卒園式は、最高の天気の中、昨年や一昨年に卒園した子どもやお母さんたちも大集合。
セレモニーというよりは、みんなで一緒に御飯を作って、一緒に笑って
のんびりおしゃべりしながら、卒園スライドを見ながら、いつもの感じで
子どもたちとお母さんたちの成長をお祝いしました。
これもまた森のだんごむしらしい。本当にいい卒園式でした。
卒園おめでとう!
なんちゃってせんせい 萩原ナバ裕作


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