美濃小学校5年生、morinosで森林・林業体験をしました!
開催した日:
11月11日(月)、morinosでは美濃小学校5年生に向けて林業体験を実施しました。
まずはスタッフの挨拶。今回は森林文化アカデミーの杉本先生、塩田先生、新津先生、谷口先生、
morinosスタッフのまいまいが5年生の体験をサポートします。

右から杉本先生、塩田先生、新津先生、谷口先生
午前中はクラスに分かれて林業体験と森林散策を行いました。
林業体験はテクニカルセンター前のグラウンドで実施しました。
グラウンドに移動すると大型機械が用意されていました。
まず、杉本先生がメタセコイアの木を指差し、「あの木は何kgでしょうか?」と質問。
「100 kg!」「500 kgくらいかな…」「1 tあるんじゃない?」といろんな答えが出ました。

先生が指さしたメタセコイアの木。何kgあるのでしょうか?
正解はなんと約900 kg。とてもじゃないけど人力で運ぶことができません。
そこで、活躍するのが林業機械。
今回体験してもらうのは、チェーンソー、グラップル、フォワーダの3つ。
チェーンソーで木を伐採して丸太を切り出し、グラップルで丸太を持ち上げ、フォワーダで丸太を運ぶ擬似体験を行いました。
チェーンソー体験では、刃のついていないチェーンソーのエンジンをかける練習をしました。
杉本先生がエンジンのかけ方や、今回刃はついていないけれど、ソーの部分は危ないから触らないことを教えてくれました。

チェーンソーのエンジンのかけ方やどのように使うかを説明
チェーンソーには様々な大きさがあります。小さいチェーンソーは軽く、パワーも小さいので小さな木を伐るのに適している一方、大きいチェーンソーは重く、パワーも大きいので大きな木を伐るのに適しています。
最初は比較的簡単な小さいチェーンソーからチャレンジしてみました。エンジンをかけるのは初めてでしたが、1回でエンジンをかけることができた子や先生の支えのおかげでできるようになった子まで様々でした。
小さいチェーンソーのエンジンをかけた子は大きいものにもチャレンジ。ところが、これがなかなか難しかったようでした。
力いっぱいスターターを引き、エンジンがかかったときは満面の笑みを見せてくれました。

力いっぱいチェーンソーのエンジンをかける
続いてはグラップルを操縦して、切り出された丸太を動かす疑似体験として、丸太を積み上げました。
運転席にはたくさんのレバーがあり、それぞれに役割があります。

グラップルを使って丸太を積み上げる。微調整が難しい。
大型機械を使って丸太を積み上げるのは至難の業で、微調整や細かな動きが必要です。
アカデミーの学生が指導し、慣れない操作ながらも少しずつ感覚を掴んできました。
最後の林業機械はフォワーダ。丸太を運ぶ役割です。今回は塩田先生の指導のもと、フォワーダを動かしました。

フォワーダの操作方法を教える先生
まっすぐ走ったり、コーンを避けるジグザグ走行をしたり…。
コーンにぶつかりそうになると、周りの5年生が「危なーーーい!」「コーンに当たっちゃう!」と声をかけていました。
レバーを駆使しながら動かすことは結構楽しいみたいで、「ゲームみたいで面白い!」という子もいました。
森林散策では新津先生と谷口先生のお話を聞きながら、森に入って「大杉」と呼ばれている大木の杉の場所まで歩きました。
森に入る前に軽くレクリエーション。
まず、谷口先生が「面積の大きな葉っぱと、今から一瞬だけ見せる葉っぱと同じもの、合計2枚を探してね」と言い、一瞬だけモサモサした葉っぱをカバンから取り出して見せてくれました。
それを見た5年生はなんの葉っぱか即座に理解し、早速探しに行きました。
正解は「スギ」の葉っぱ。これは見慣れているから簡単簡単、と児童たちは口を揃えて言っていました。
大きな葉っぱも持ってきて、みんなで比べっこしました。

拾ってきた葉っぱの大きさ比べ
続いては目をつぶって森の音を探してみました。どんな種類の音が聞こえるか、みんなで音を立てずに、よーーーく耳をすましました。
すると、鳥の声やどんぐりが落ちる音など、色んな種類の音が聞こえました。
森に入る前と森の中ではどんな音の違いがあるのか、ワクワクです。
最後はみんなで風の方向を感じました。
再び目をつぶって風が吹く方向に体を向けました。
目を開けると、みんな同じ方向かと思いきや別の方向に体を向けている子も。
自然に吹く風、森から吹いている風が入り混じり、一人ひとり感じ方が違ったようです。面白い発見ができました。
さて、いよいよ森の中へ。谷口先生作の「フォレストビンゴ」を持って出かけました。
ビンゴの内容は森の動物の痕跡や切り株、きのこや虫、鳥など森でみつかるもので、それらと林業や私たちの暮らしがどう関わっているか伝えながら林内を歩きました。

谷口先生作フォレストビンゴ
森でハンター(猟師)もやっている新津先生は、樹皮がはがれた木を見つけてシカによる獣害について話しました。
生き物が増えることはいいことではありますが、増えすぎるのは困りものだということを教えてくれました。

シカの頭骨を使って獣害について解説
森の中を少し登った先では道路を見つけました。
この道路は普段私たちが使っているような一般的な道路ではなく、木こりが木を伐って、その木を工場や私たちのもとへ機械を使って運ぶためのものだと教えてくれました。
しばらく歩き、大杉のあたりで休憩を取りました。
休憩がてら今度は森の中で森の音を聞いてみました。
耳をすますと、主に聞こえてきたのは鳥の鳴き声。
入口で聞いたときよりも森の中での鳴き声は種類が多く、場所も様々なところから聞こえてきました。
水の音が聞こえた、という子もいました。
この近くでは谷に沿って水が流れている箇所があり、一見水がなくても地下に流れている音が聞こえているんだ、と先生が教えてくれました。

先生の解説を聞きながら森林散策
昼食をとったあとは、みんなで動物の気持ちになってかくれんぼをしました。
オニはフクロウ、隠れる人はネズミの気持ちになりました。
このかくれんぼのルールは以下のとおり。
オニも隠れる人も一歩も動けません。
ただ、フクロウは首を回すことで左右それぞれ270度の広い範囲を見渡すことができるので、オニのフクロウ役もその場でくるくる動いてネズミ役を探すのはOK。
隠れるネズミ役は、常に捕食者であるフクロウ役を目で見ながら隠れないといけません。
3分間で、フクロウはどれだけネズミを見つけられるか、ネズミは見つからずに隠れきれるかの勝負です。
また、3分間隠れきり、一番フクロウに近かった子はMVM(Most Valuable Mouse)として表彰!

ルール説明をするまいまい
かくれんぼが始まると、ネズミたちは一斉にはだしの森の中へダッシュし、フクロウに見つからないよう姿勢を低くしたり、木の陰になる場所を探したり…必死になって隠れました。
フクロウ役が言うには、派手な格好をしていたりモゾモゾ動いていたりしている子は見つけやすい、とのことでした。
このかくれんぼでは、ちょっとした茂みや低木、今回は隠れられなかった地面の下や木の上なども小さな生きものにとっては隠れ家となること、そしてたくさんの生きものが暮らせる森にするには、土や植物など色んな要素が必要だということも体験してもらえたと思います。

どこに隠れているのかわかるかな?
体を動かしたところで次はみんなで山登り。見晴らし岩まで登りました。
道が険しいので、5年生以上しか通れない特別な場所だ、と伝えると5年生はワクワクしながら登っていきました。
みんなヘトヘトになりながらも懸命に登っていきました。

険しい道をみんなで励まし合いながら登る
やっとの思いで見晴らし岩にたどり着きました!
ここからだと美濃市内を見渡すことができます!!
美濃小学校はどこかな?と尋ねると一斉に指をさして教えてくれました。
担任の先生が美濃小学校に電話をかけると、しばらくして校庭に先生や6年生が現れました。

見晴らし岩から見えた美濃小学校(中央)
5年生が「やっほー!!」と大きな声で呼びかけると、校庭の先生たちは大きく旗を振り、6年生も「やっほー!!」と応えてくれました。
学校に戻ってから先生や6年生に聞いたところ、ちゃんと5年生の姿が見え、声も届いていたそうです!

帽子を振りながら元気に「やっほー!!」
美濃小学校から見えるところで、森を守る仕事や林業をしている人がいます。そして林業を学ぶ人たちがいます。
どんな人がいて、どんなことをしているのか、今日のプログラムを通して感じてもらえたかと思います。
また、フォレストビンゴをやってみて、森と林業や私たちの生活とがどう関わっているのか、考える機会になりました。
社会科の担任の先生からは
「今回のことを共通体験として授業の中でも扱っていくので、『あのときのアレ』で児童がピンときてくれるはず。たくさんの材料も経験も頂いたので授業でも活かしていきたい」との声を頂きました。
事前の打ち合わせでも「morinosでの体験1回で終わらず、社会の授業とつながっていると良い」とアカデミー教員から声が上がっていたので非常に良い機会となりました。
3K(きつい・汚い・危険)と言われる林業ですが、楽しそうにしていたアカデミー教員やスタッフ、学生を見て「こんな大人もいるんだな」「こんな仕事もあるんだな」と思い、小学校に行くたび山を見て思い出してもらえると嬉しいです。
以上、報告はジミーこと臼井大喜でした。


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