「ヘンタイせんせ」企画 第3弾 やってみよう!相澤さんと草花あそびを実施しました
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10月半ばを過ぎてもまだ蒸し暑さが残る10月17日(木)、「New草花あそび研究所」を主宰する相澤悦子さんを講師にお招きして、草花あそびの意義や可能性について話を伺い、実践を行いました。保育や幼児教育に関わる19名が参加しました。
午前中は相澤さんの自己紹介を兼ねて、自身が実践されてきた草花遊びの紹介をしていただきました。
冒頭、今回の講座タイトル「ヘンタイせんせ企画」に驚いたが、実は葉脈フェチであることを告白されました。
曰く「人間のイケメンには興味がないのですが、葉脈のイケメンにはちょっとこだわりがあります。キンモクセイは知的なイケメンだったり、カラスウリはワイルドなイケメンだったり、推しの葉脈が結構あります。その葉脈を上手に生かして草花あそびができたときは、もう推し活冥利に尽きるという感じです。」
参加者から笑いがあふれ、一気に和やかな雰囲気になりました。
小学校の教員に憧れ、教員免許を取得後、非常勤で小学校と幼稚園の現場で働いたことがある相澤さん。2016年から新しい草花あそびを考える活動を始めて8年目になるとのことです。
モットーは『かんたんで、たのしくて、完成度が高い草花あそび』。これまで草花あそびと草花工作合わせて700種類以上考え、複数の書籍を発行しました。子ども向け図鑑の中にも草花あそびが紹介されています。
最近ではネットニュースにも取り上げられることがあり、海外からも「フラワー折り紙」「ボタニカル折り紙」と紹介されたそうです。
※海外には「草花あそび」に該当する言葉がないようです。
続いて、草花あそびが幼児教育の中でどのような意義を持つのか、について話していただきました。
文部科学省が定めている「幼児教育要領」の第2章の「環境」の項目に
(1)身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。
(2)身近な環境に自分からかかわり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。
(3)身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。
といったねらいが定められており、草花あそびはまさに「あそび」を通して、(3)に掲げられているような感覚を豊かにする効果が期待できるとのことです。
さらに、相澤さん自身が子ども時代、幼稚園に行くのが苦手で、お茶の実を拾って持っていることが心の拠り所になったそうで、子どもの寂しさや不安に寄り添う力が草花にはあるのではと話しました。
こうした話は、実際に子どもと日々関わる参加者にとって、非常に説得力のあるものでした。
後半はスライドで草花あそびの実例を紹介していただきました。
特別な道具や材料がなくても、遊べるのが草花あそび。
並べるだけ、顔を描くだけ、指に挟むだけ、つまむだけといった、シンプルな方法でも十分楽しめます。
中でも、タンポポの綿毛は、咲き終わって7日後くらいまでの間に摘んでおくと、飛ばない綿毛として使えるそうで、皆さん「へぇ~」と驚いていました。
午後はいよいよ実践です。
まずは相澤さんから葉っぱを使った草花あそびを4つ紹介してもらいました。
「サクラのハート&ろうそく」「イチョウのチョウ」「オオバコのカエル」「モミジの赤とんぼ」の4つを、実際に相澤さんの指導の下、実践しました。
やってみて気づくのは、葉っぱそれぞれに個性があるということ。乾燥具合によっても曲げやすさが変わります。
相澤さんの手際のよさ(速さ)にも驚きました。
最後は、各自でオリジナルの草花あそびにチャレンジしました。
それぞれ気になる草花を見つけて、形を見立て、オリジナルの草花あそび(工作)を行いました。
30分あまりの短い時間でしたが、素敵な作品が完成しました。
テーブルの上に並べて作品発表会を行いました。
ハロウィンをイメージしたもの、かわいらしい人形、中には長良川の花火大会とそれを眺める船を表現した作品もありました。
相澤さんも、参加者の想像力&創造力にビックリされると共に、草花あそびを是非広げていってくださいとコメントいただきました。
特別な道具や準備がいらない草花あそび。子どもの頃の気づきは一生の思い出になるという相澤さんの言葉通り、草花あそびを通して多くの子どもが森や自然に親しむきっかけとなることを願っています。
【参加者の声】※アンケートから一部抜粋
・草花遊びを通して、子どもが植物のことをいつの間にか知ることができる。体験からの学びや気づきは一生の宝物だと改めて思いました。タイムカプセルのようなものになるといいという話がとても印象的で、子どもの将来の種まきになる草花遊びは無限に広がる世界だと感じました。葉脈フェチなところや推し活するように草花遊びをする先生は、やはり変態で素敵でした。
・相澤先生は木の葉、草花の特徴をよく知り、植物を大切にしているからこそ、対話して作ることができるのだと思いました。草花、木の葉の関心を深め、感性も磨いていきたいです。
・葉っぱ一枚とっても、その日その時間の環境や、乾燥具合などで作りやすさが変わるので、その違いも見極め、適切な葉っぱを選ぶなど参考になった。相澤さんの考え方や草花あそびへの想いも聞けて、とても感銘を受けた。
報告者:大武圭介(ウォーリー)NPO法人ホールアース自然学校
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529