高山西保育園へ森の出前体験! 伐採した木による思い出づくり

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 高山市名田町にある『高山西保育園』、この園の前はホテル、園の横はコンビニという街中にある保育園で、10月に新しい遊具を導入するため現在生えている約20年生のシダレザクラやケヤキ、グミの木を伐採すると聞きました。

 そのまま業者の方に依頼すると、通常伐採された木は産業廃棄物となります。それでは樹木がもったいないので、今回は私たちが介在して園児が樹木を伐採し、その樹木を使って思い出に残る作品を作ることにしました。

今日何のために、何をするのか園児に尋ねるJIRI

今日は何のために、何をするのか園児に尋ねるスタッフのJIRI

 最初にスタッフのJIRIから、園児のみなさんに「今日は何のために、何をするのか知っていますか?」と質問しました。

 すると園児たちは一斉に「新しい遊具が来るので、サクラやケヤキ、グミの木を伐ります」と答えてくれました。下の写真の手前にある木がシダレザクラで、その奥にケヤキ、その奥にグミがあります。

本日伐採するシダレザクラとケヤキ、グミの木

本日伐採するシダレザクラとケヤキ、グミの木

 伐採に先立ちJIRIが「祓詞(はらえことば)」を読み上げて、園児のみなさんと「清め塩」を左・右・左と順に3本の樹木を清めました。これまでアリなどの観察に役立ってくれた樹木に、敬意を表して伐採のご挨拶をしたのです。

伐採のための「清め塩」をする園児たち

伐採のための「清め塩」をする園児たち

 さて、伐採はスタッフのどいっひが、2人の園児をサポートするように両手挽き鋸で伐り進めました。このサクラは切株直径が20cmほどですが、園児が伐り進めるには大変です。

 どいっひがサポートして鋸を入れる量を調整し、順調に伐ることができました。

両手挽き鋸でシダレザクラを伐る園児たち

両手挽き鋸でシダレザクラを伐る園児たち

 

そろそろ伐倒されるシダレザクラ

そろそろ伐倒されるシダレザクラ

 伐採しているシダレザクラの横には滑り台があるので、伐採したサクラが倒れ込んで危害を加えると大変です。

 そこでシダレザクラの梢に赤いロープを結び、JIRIの合図で伐採に加わらなかった園児たちに、引いてもらいました。

 子どもとは言え、園児たちの力は相当強く、うまく目的の方向に倒れてくれました。

シダレザクラをロープで引き倒す園児たち

シダレザクラをロープで引き倒す園児たち

 伐採したシダレザクラにはアリが良く観察されたそうです。切り株を眺めながら、年輪を数えたり、匂いを嗅いだり、アリはどこに行ったのか心配したりと、園児たちなりに様々考えていました。

切株の年輪を数えたり、臭いを嗅いだりする園児たち

切株の年輪を数えたり、匂いを嗅いだりする園児たち

 伐倒された木を適当な長さにして、園児たち自身で円盤に切り出してもらいました。

 ここでもスタッフのどいっひが園児のサポートをしながら切り進みました。切ったばかりの木は水分が多く、乾燥した木よりは柔らかいのですが、それでも相当苦労しながら円盤1枚を切り出しました。

伐採された丸太から円盤を切り出す園児たち

伐採された丸太から円盤を切り出す園児たち

 また園児たちに3樹種の木材だけでなく、どんな葉っぱがついていたのかを確認してもらうため、各自で葉を取りに行ってもらいました。集めてみるとグミの葉裏が銀色に輝くのを発見したり、ケヤキの葉がザラザラであることに気が付いたり、子どもたちなりの発見が次々生まれます。

伐採したシダレザクラ、ケヤキ、グミの枝や葉を確認する園児たち

伐採したシダレザクラ、ケヤキ、グミの枝や葉を確認する園児たち

 園児が円盤をすべて自力で切り出すのは大変なので、スタッフの福ちゃんがスライド丸鋸でシダレザクラやケヤキ、グミをそれぞれ30枚ほどを切り出しました。

 園児たちは切り出された円盤に、この夏の思い出や好きな昆虫、キャラクターなど様々なものを描いてくれました。予想していた以上に絵が上手で驚きでした。

思い出になる絵を円盤に描く園児たち

思い出になる絵を円盤に描く園児たち

 下の写真のようにケヤキの葉とグミの葉に、オレンジ色のペンで顔を描く園児もいました。

自分が利用した円盤の葉にも絵を描く園児

葉にも絵を描く園児

 円盤に描かれたものは、高山西保育園内で保護者の方々にも見てもらえるようボードに飾られました。

園児たちの作品の一部

園児たちの作品の一部

 最後に、今回の活動のまとめ、「ふりかえり」です。

 園児が集まって輪になり、1人1人感想を言ってくれました。例えば「伐採で木が倒れた時気持ち良かった」とか「初めて木を伐って嬉しかった」とか、「絵を描けて嬉しかった」とか、自分の考えをしっかり話してくれました。

今日の活動について順番に感想を発表する園児たち

今日の活動について順番に感想を発表する園児たち

 園児による「ふりかえり」が終わったら、全員で記念撮影したいとのリクエストがあり、スタッフが加わって樹木が無くなった園庭でパチリ。

伐採した園庭での記念撮影

伐採した園庭での記念撮影

 記念撮影を終えて、morino de van(森の体験出前カー)に荷物を積み込んでいると、園児たちが「この自動車の前で写真を撮りたい」と言ってくれたので、再度記念撮影しました。自動車のデザインが良かったようで、嬉しく感じました。 

morino de vanの前で記念撮影する園児たち

morino de vanの前で記念撮影する園児たち

 今回は園庭に生えていた樹木の伐採と、それを使った思い出づくりでした。子どもたちにとって樹木の伐採は普段体験したことがなかったため、強く印象付けられたようです。

 以上報告はJIRIこと川尻秀樹でした。

 

 

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