地に足をつけて歩こう ―はだしで味わう森歩きを実施しました。
開催した日:
初夏を思わせる強い日差しの中、裸足で歩くことを通して、「私」と「大地」との“あいだ”にある足から森を見つめ直すプログラムを行いました。岐阜県内から10名が参加しました。
ゲストは金子潤さん。3年前に愛知県から山梨県清里に移住し、自ら「裸足」で野山を歩きながら、「裸足」をキーワードに研究活動、森づくり、体験ツアーを始めています。
morinosでは2021年から金子さんと一緒に、裸足で過ごして心地が良い森づくり「はだしの森づくり」に取り組んできました。
最初に森の情報センターで裸足になって足形を取りました。半日の体験で足形に変化が見られるでしょうか。
金子さんから、自身のプロフィールや裸足の研究に取り組むようになったきっかけ、そしてmorinosでの取り組みについて紹介していただきました。
裸足で歩く前に、足指や足首を中心にストレッチを行いました。右手の指を左足の指の間に入れ、足指を広げたり、足首をゆっくり回したりするうちに、指先が温かくなってきた参加者もいました。
準備が整ったら、いよいよ「はだしの森」に向かってスタート。
葉っぱやチップ等が敷き詰められたトレイルをゆっくり歩きながら、足裏の感覚を味わいました。
「はだしの森」の中では、金子さんから土壌や菌糸に注目して森づくりに取り組んできたことが紹介されました。当初に比べて森の中が明るくなったこと、葉っぱを敷き詰めたり、水の流れを直線ではなく曲がるように変えたことで、土壌中の水分が多くなったこと等も紹介していただきました。
その後、演習林に入って「森の中の四寸傘」経由で、「山の神」に向かいました。この間は五本指シューズを履いて歩いたのですが、山の神周辺はコケがびっしりと生えておりとても気持ちよさそう。早速靴を脱いで裸足でコケの感触を確かめました。
金子さんの提案で、コケの上に座ってリラックスし、自分の呼吸を意識しながら全身で風を感じてみました。
森歩きを終え、森の情報センターに戻って再び足形をとって前後で比べてみました。
足指の開き方が若干、広がった人がいれば、あまり変化が見られなかった人もあり様々でした。
金子さんからは足裏の形と機能について解説。特に現代では平坦で歩きやすい場所が増えたことで、小指を使って踏ん張らなくてもよくなり、小指を使わないようになってきたとのことでした。
金子さんから最後に
「足裏はフィードバック。森の中でボーっとして環境を感じ取ったように、できるだけノイズを減らすことを心がけるとよい。靴は1つの例だが、身に着けているものを減らすこともその1つの方法です。」
とのコメントをいただきました。
足裏から刺激をたくさん受け、心身共にスッキリした半日の体験でした。
【参加者の声】(アンケートより一部抜粋)
・裸足に慣れると、足の裏が痛くなくなるのかと思っていたが、そうではないと知って驚いた。脂肪が増えるということにも、ビックリしました。小指が生き返るように意識していきたいと思いました。
・土に触れること、足は大地と人間との最初の接点。そして、森を見つめ直す。はだしで過ごし心地よい森づくり。森からの繋がり、改めて森から人の繋がり、魅力のある取り組みだと感じました。
報告者:大武圭介(ウォーリー)NPO法人ホールアース自然学校
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529