「カタチ」を捨てて「在り方」へ。森のだんごむしの1年をふりかえって

開催した日:

2008年からスタートした森のだんごむし。
今年で16年目を迎えました。
新たなチャレンジから始まり、例年通り(笑)悩み、話し合い、
色々とすったもんだもある、この暖かくてめんどくさい!? 森の中の大きな家族。

そしておかげさまでいつものように、素敵な卒園式を迎えることができました。
あ、卒園式といっても、セレモニーなんかなくって、
みんなで合宿して焚火の周りで過ごしたり、みんなで餃子作ったり
歌ったり、踊ったり、スライドを一緒に見たり。。
一緒に暮らしてお祝いする、食事も空間もみんなみんな手作りな卒園式です。

考えてみれば日々ドタバタの中、1日1日をじっくりと振り返る暇もほとんどなく
過ごしているわけで、こうして森と子ども、そして母親たちのことを
じっくりと1年を思い返してみる機会を与えてくれるのが、
この卒園式の時期ぐらいなのかもしれません。本当に嬉しく、そしてありがたいことです。

私ナバはというと、他の保育園や森のようちえんの園長先生とは、まったく違っていて、
頼り甲斐もなく、言い出しっぺという中途半端な立ち位置で、孫に甘すぎる爺じのように
ニコニコプラプラしていて、お母さんたちの苦労などほとんどわからずに(気づかずに)、
森の中で子どもたちとテキトーに遊び、やりたいことやって、そして
大人気もなく一緒になって喧嘩したり、子どもを泣かせたりしながら、
ややもすると活動中子供と一緒に昼寝しちゃうような感じで過ごしているわけで。。

まあ、ナバが頼りないからお母さんたちが成長するのかもしれないんですが。。

それでも、そんなナバや思い悩む母親たちを、ちゃんと受けとめてもらえる大きな家族のような
そんな森のだんごむしは、やっぱりなんだかんだ言って、ものすごい空間だなぁと思うし、
こりゃぁ他にはなかなかないなぁと思ったり、いやいやこれは保育園や幼稚園が生まれる
はるか昔からあった、森の中で人類が暮らしていた頃からの姿なんだろうなぁと思ったり。。。
森に寄り添う暮らしの中で、子どもも親も育っている気がします。

今年は例年にも増して特に大きな挑戦でもありました。
今までは、森のだんごむしだけに通う親子が一丸となって運営していたのですが、
今年は創立以来初めて、1組を除いて、すべての親子が他の園に子供を通わせながら
週2〜3回、森のだんごむしをやるという運営でした。

初めはどうなることやら。。そんなんで大丈夫なのかなぁ?と
思っていたのですが、結果はオーライ!

この1年間で気づかされたのは、私たちはどうしても「カタチ」や「理想的なあり方」
「正しい〇〇」に引っ張られ過ぎてしまうんだなぁ。。。ということ。もしかすると
社会全体が「こうでなきゃ」病におかされてるのかもしれません。

熱い思いを持ったメンバーだけで、じっくり、しっかりと思いを一つにして理想のカタチ
を目指していかないと。。とか、しっかりとした理念やリーダーのもとで、一致団結して
理想の保育を実現しよう!!とかついつい気合が入り過ぎてしまいがち。。

でも、実は、そんなんじゃなくて、森を舞台にポワッと集まったメンバーが、
多少ぎこちなさはありつつも、少しずつ、超非効率でめんどくさいこと重ねながらも
そこにいる子どもたちのエネルギーに押されながら、そして共鳴しながら
大きな家族のような安心安全な空間を自分たちの力で無意識に創り上げちゃって
思わずフワッとそういう空間が生まれちゃうというのもひとつの在り方かなぁと
思い始めたのです。 

そしてそんな大人たちの在り方に包まれながら、
子どもたちは無意識に大切なことを体全体で吸収していくのかなぁと。

だから、泣いたり、笑ったり、ぶつかり合ったり、考え続けたり
喜んだり、怒ったり、迷ったりしながら、子供と一緒に生きていく、
ただただ、暮らしていくっていうのが、改めて本当に素敵だなぁと思わされたし
みんなが成長するいい空間だなぁと思いました。

卒園式に向けて、お母さんたちがウクレレ弾きながら歌うために
ザ、ブルーハーツ の「夕暮れ」という曲を頑張って練習していました。

その歌詞には偶然なのか必然なのか、今年一年のことを彷彿させる
こんなフレーズが、

「はっきりさせなくてもいい あやふやなまんまでいい
僕たちは なんとなく 幸せになるんだ」

これからの時代は、「カタチ」から「在り方」へ
なんとなく幸せになっちゃいましょう!

卒園おめでとう!

そして来年度もまた
めんどくさい大家族のような
森のだんごむしでいきましょう〜。

なんちゃって先生 萩原ナバ裕作

 

 

 

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