林業のプロが取り組むE-MTBフォレストツアーの可能性を考えました

開催した日:

前々日に降った雪が若干残っている中、1月26日(金)「E-MTB体験~林業のプロが取り組むE-MTBフォレストツアーの可能性~」を実施しました。
ゲストは、掛川市森林組合の尾崎友昭さんと、コンセプト株式会社の佐藤雄一さん。岐阜県内各地から成人18名が参加しました。

尾崎友昭さん

尾崎友昭さん

佐藤雄一さん

佐藤雄一さん

最初に今後の活動につながることを目的に、少人数の参加者同士で自己紹介を行いました。森林サービス産業や、アウトドアレクリエーションなど、共通するテーマが多く、初対面でも話が盛り上がりました。

続いて尾崎さんから、掛川市森林組合の取り組みを紹介していただきました。
静岡市と浜松市の中間に位置する掛川市は、人口11万5,000人、森林面積11,300ha(人工林が60%以上)の町で、お茶の生産も盛んです。

今回、紹介していただいたE-MTBを使ったフォレストツアー、10人程度の少人数でガイドと共にE-MTBに乗り、地域の森林・林業の理解を深めるツアーです。ツアー実施によって、案内するスタッフのモチベーションアップや、説明力アップにもつながっているそうです。
人に伝えることで、自分の仕事への理解が深まるということですね。
さらに外部にアピールすることで、楽しそうな森林組合というイメージ発信にもつながり、結果として求人にも効果が上がっているとのこと。
E-MTB講演会

説明を一通り聞いた後、実際に持ってきていただいたE-MTBの試乗を行いました。
E-MTBとは、電動アシスト付きマウンテンバイクのことで、未舗装路や悪路でも走行可能な自転車です。電動アシストにより、漕ぎ始めが楽で特に坂道は平地を走っているような感覚で登ることができます。
E-MTB

操作方法や特性の説明を受けた後、5台のE-MTBに分乗して森林文化アカデミー構内を体験試乗しました。
ほとんどの参加者がE-MTB初体験で、漕ぎ始めのアシストの力強さに驚き、感動していました。
また、マウンテンバイクなのでタイヤの幅が広く、安定しているので初心者でも比較的スムーズに乗ることができます。
E-MTB試乗

戻ってきた後、グループに分かれて感想や疑問・質問を共有しました。
それらを付箋に書いて貼りだし、尾崎さん・佐藤さんにコメントしていただきました。

【主な感想】
・E-MTB欲しくなった。
・移動時間がアクティビティになる。
・坂道が楽しくなる。
・老若男女問わず楽しめる。

【主な質疑】
Q1.E-MTBはレンタルなのか、購入しているのか。
A1.E-MTBは1台30-50万円ほどするため、リースがメインだが、購入しているものもある。

Q2.事故やけがはないのか。どのようなリスクマネジメントを行っているか。
A2.これまで大きな事故は起きていない。ガイドは救命救急講習を受講しており、ツアー実施時はサポートカーが伴走して事故や故障に対応できるようにしている。旅行傷害保険加入も行っている。

Q3.山主や地域からツアーに対する反発はないのか。
A3.山主からの反発は特にない。ただ、茶畑を通過することがあり、茶農家やコース沿いの民家への周知とお願いは丁寧に行っている。

Q4.料金はどのように決めているのか。いくらくらいが適正価格だと思っているのか。
A4,ツアー料金は、13,800円/人としている。これはガイド料、レンタル料、ランチ代、サポートカー等の経費から積算して決めている。高いという人もいれば、安いという人もおり、受け止め方は人それぞれ。このツアー料金だけで採算が取れて儲かっているわけではないが、スタッフのモチベーションやスキルアップにつながるだけでなく、森林組合のPRにもつながっていると感じており、当面はこの価格で続けようと考えている。

他にも、リピーター向けに新たなツアーのネタをどのように集めるか、地域の観光や企業とどのように連携していくか等、かなり突っ込んだ質疑がなされ、終始熱気に包まれていました。

参加者には「ぎふ森のある暮らし推進協議会」の会員が複数いて、森林空間活用の1例としてE-MTBフォレストツアーが、今後岐阜県内でも試行されると面白そうだと思いました。

【参加者の声】※アンケートより
・山林を木材生産以外に使う事例として、とても良い取り組みを知ることができました。事業としては大きな儲けにはならないものの、世の中に林業のことを知ってもらい身近に感じてもらう、「林業の工場見学」的なものだと思いました。E-MTBについても免許も必要なく、性別、幅広い年齢の利用が可能で、観光や通勤通学に対して坂の多い中山間地での活用に有効だと感じました。
・内容も、知りたいことが知れて有意義でした。活動内容が似ている方多くて、参加者同士の会話も楽しかったです。
・E-MTBに初めて触れることができ、サイクリングの領域の拡大を認識できました。人とのつながりも得られました。

報告者:大武圭介(ウォーリー)ホールアース自然学校

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