「morinosカフェVol.16 in中津川 若者のたまり場づくりで気づいたこと―高山市・村半のチャレンジ」を開催しました

開催した日:

16回目を迎えたmorinosカフェ。ゲストを迎えてざっくばらんに話す交流の場です。
今回はmorinosを離れ、中津川市に7月にオープンしたばかりの「ひと・まちテラス」で12月14日(木)の夕方に行われ、17名が参加しました。
村半

ゲストの牛丸大輔さんと赤尾めぐみさんは、共に高山市役所の総合政策課に所属し、「若者等活動事務所 村半(むらはん)」の担当者です。
村半は、高山市内の古い町並のなかにある、明治時代に建てられた古い町屋を改装した施設です。昔の人々の暮らしぶりを随所に偲ぶことができる歴史的価値の高い伝統的建造物でもあります。
その建物を若者等の活動場所とすることで、地域全体の活性化や持続可能なまちづくりにつなげる、ということが村半整備の目的です。

冒頭、参加者同士のコミュニケーションを円滑にするため3-4人で簡単な自己紹介を行いました。ほぼ全員が地元中津川市や隣の恵那市からの参加者で、今回の参加動機や普段の活動について話しました。
morinosカフェ16

その後、村半の取り組みについてゲストの2人から紹介していただきました。
最初に牛丸さんから、高山市の現状と課題について写真やグラフを使って説明がありました。

岐阜県北部・飛騨地方の中心である高山市は、日本最大の面積(東京都とほぼ同じ)を持ちますが、92%が森林で人口は8万4000人ほどしかいません。その一方で、高山祭や古い町並に代表されるような日本を代表する伝統文化が暮らしに息づき、豊かな自然や食文化があります。また、コロナ禍を経て観光客(外国人含む)が再び増えているとのこと。
 

そんな高山市が抱える大きな課題の1つが、少子高齢化です。
morinosカフェ16村半
特に市内に4年制大学がないため、高校を卒業すると多くの若者が市外・県外へ出て行ってしまいます。
一方で、高山市が行った地元高校生に対する意向調査によると、進学や就職で市外にいったん出て行っても、将来戻りたいと思っている人は35%いるとのこと。
こうした若者が戻ってくる際の受け皿(働き口・すまい等)をつくることは行政の役割の1つですが、同時に少しでも多くの若者が「将来戻りたい」と思えるようなまちにする。そのための若者等の活動拠点が村半なのです。
村半プレゼン高山市高校生進路意向調査概要
コロナ禍の令和2年7月のオープン以来、令和5年の6月までの3年間で61,019人が村半を訪れました。また、利用登録者数は個人が1,388人、団体が201団体あります。このうち、個人登録の大半は10代~20代の若者です。

続いて現場担当の赤尾さんから、実際に若者と接する中で感じたことや、村半スタッフの心得などを話していただきました。
前職でライターをしていた赤尾さんが力を入れているのが、若者に届けるための情報発信。InstagramやX(旧Twitter)を活用するなど、若者には親しみやすいSNSでの展開に力を入れているそうです。利用者とスタッフという関係性を超えて、地元の高校生には積極的に「おかえり」などと声をかけているそうです。 

そんな赤尾さんたちスタッフの心得は、
1.村半は自己完結型の施設であること
2.成果を大人の手柄としない
3.過度の入れ込みはしない
の3つ。

また、村半流のスタイルは上記3つの心得をベースに、大人の目線ではなく、子どもや若者のためにはどのようにしたら良いのかを考え行動するようにしているそうです。例えば、みんなにとっての自分の居場所にする、考えを押し付けたり行動を決め付けるような対応はしない、などのスタンスで運営されているとのこと。

どれも「なるほど」と思わせるスタイルで、赤尾さんの自然なアプローチが若者の心を掴んでいるんだなぁと納得しました。

一通り紹介していただいた後、個人で感想や質問を付箋紙に書き、小グループで共有しました。
その後、付箋紙をホワイトボードに張り出し、赤尾さんと牛丸さんからコメントをいただきました。

牛丸さん、赤尾さんからは
「素晴らしいフィードバックやコメントをいただき嬉しかった。」
といったコメントをいただきました。
ひとまち・テラス

また、初めて「ひと・まちテラス」を訪れた2人が「すごい既視感がある」とおっしゃっていましたが、ここでも学校帰りの高校生たちが、それぞれお気に入りの場所で談笑したり勉強したりする姿が見られました。
こうした学校や家庭以外で、大人が若者と程よい距離感を持ちながら見守る場所をつくる。
村半の取り組みは、県内各地で広がる新しい公共施設整備や、若者の居場所事業のヒントになるのでは、と強く感じました。

参加者の声(アンケートより抜粋)
・とても刺激的でした。もともと村半に興味がありましたが、ゲストの2人に会えて、更に強く惹かれました。やはり大切なのは「人」。
・利用者が自ら活動していくのを静かに見守る…。素晴らしすぎる。安心して滞在できる居場所。静かに見守ることのできる大人でありたい。
・赤尾さんの溢れ出る熱量、牛丸さんの一見クールだけど滲み出る熱量のバランスが伝わってきました。

報告者:大武圭介(ウォーリー)NPO法人ホールアース自然学校

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