教員主催プログラム「ひとの絵をみる わたしをつくるークロッキー体験を通して審美眼を磨く」を実施しました

開催した日:

森林文化アカデミーのユニークな講師陣によるスペシャルプログラム。今回は木造建築専攻の松井匠先生をゲストに迎え、クロッキーと呼ばれる人物や生物を素早く描く体験を行いました。岐阜県内から10名が参加しました。

自己紹介と概要説明をした後、いきなり1枚目のクロッキーに挑戦してもらいました。
A3判の用紙にB5の柔らかい芯の鉛筆を使い、モデルとなった松井先生を描きます。
制限時間は5分と短いため、細部を描くというより、構図やバランスを意識しながら、顔や指先といった印象に残るところを描くのがポイントです。
クロッキー体験ガイダンス風景
クロッキー体験1
クロッキー体験2

連続2枚描いた後、松井先生からクロッキーの基本についてミニレクチャーがありました。
・鉛筆は通常の持ち方でなく、親指と人差し指でつまむように持ち、腕を使って描く。
・鉛筆の芯は長く鋭く削って、細い線から太い線まで描き分けられるように。
・対象物と用紙の位置に注意する。首を動かすとブレるので、視線を動かすだけで描けるようにイーゼルを動かす。
などなど。
クロッキー体験講義風景

その後、参加者が描いた絵をみんなで見ながら、松井先生からの講評が。
「線に迷いがなく、スッと描けていますね。」
「余白の使い方がうまいですね。」
「顔の表情が雰囲気出ていますね。」
松井先生からは、様々な視点・言葉が参加者1人1人に投げかけられました。
昔、学校の美術の授業では、こんなこと言われなかったなぁと思い出しながら、さらに2枚描きました。
クロッキー体験3

この後、モデルを変えてさらに3枚連続を2回、合計6枚描きました。
今度は参加者も他者が描いたクロッキーを見て講評しました。
連続で描いた3枚から自分が気に入った絵を1枚選び、どこが気に入ったのかコメントしました。

2時間ちょっとで合計10枚を描き終えた後、1枚目から10枚目まで、順番にテーブルに並べてそれぞれ見比べてみました。
明らかに1枚目に比べて最後の絵は線が少なく、はっきりと描かれている人が多くなっているのが印象的でした。
クロッキー体験 

最後に今回のクロッキー体験での気づきを言葉に書いてもらい、全員で共有しました。
・同じものを見ているのにその人らしい線で、その人の角度から見るとどれも個性的でとても興味深かった。
・「見る」ということは、とてもシンプルだと思った。
・見る、描くだけでなく、見せるという意識。
・1枚目より線が少なくなった。(見る時間が長くなったから?)

松井先生からも、最後に一人ひとりに対して並べた10枚の絵を見ながら講評をいただきました。
それぞれの特徴を捉えた温かいコメントと、さらによく見て捉えるためのヒントが印象的でした。
クロッキー体験

今回、自分自身の絵を含めて、他の参加者も入れると100枚以上の絵を見たことになります。クロッキー体験を通じて、よく見ることができるようになり、「よいもの」とは何なのかを考えるきっかけになったのではないでしょうか。
参加者が描く線の迷いが、徐々に少なくなるのを見て、そのことを強く感じました。

【参加者の声】※アンケートより抜粋
・見えたものを正直に描くということは、対象だけじゃなく自分の内面とも向き合う作業なんだなと感じ、難しさを感じつつも、同時に充実感もありました。そのままを見るという事の難しさと奥深さを少し知れたように思います。
・普段絵を描く、という習慣がないので、「見たままを描く」ということに集中すると、見る時にとても集中して細部まで見るようになった日曜日でした。こんなに意識に変化が起こるのかととても新鮮でした。

報告者:大武圭介(ウォーリー)NPO法人ホールアース自然学校

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