はだしのトレイル28回目(今年度7回目)
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『はだしのトレイル』づくり、今回で合計28回目(今年度7回目)の作業はトレイル周辺の観察と林床整備、特に最近多くの方が利用することで歩道エリアが踏圧されつつあるため、今後オーバーユースによって林地が痛まないよう手直し整備することになりました。
今回のメンバーはいつも作業される方々なので、最初に金子潤さんが菌糸を活性化させて植生を豊かにするための第一段階である「土づくり」をしようと提案されました。
今朝は雨が降っていたので裸足で歩くには冷たい状態でしたが、多くの方が足の裏感覚を確認する意味で裸足でのトレイル確認をされていました。
裸足でトレイルを歩いてみると、確かに前回よりも踏圧によって歩道表面が硬くなっている感じがします。裸足だからこそ微妙な変化を感じ取れるので、足の裏感覚で再整備すべきポイントはどこかを探りながら現場確認していきました。
本日11月30日の状況ですが、「はだしのトレイル」内に生えているコナラやアカメガシワ、ミズメ、ブナ、イタヤカエデ、ドウダンツツジなどは半分ほど落葉している状況です。
林の雰囲気は整備前と比べると、樹冠層が適度に空いており、風通しも良くなっています。
トレイル周辺で枯れていたコナラを切って、トレイルの丸太として利用していた部分からヒラタケが発生していました。ヒラタケは寒くなるこの時期に発生する木材腐朽菌です。私たちが増やしたい外生菌根ではありませんが、これも自然界でお掃除屋さんの役目を果たすキノコでもあります。
トレイルに発生していたヒラタケ
ブナが生えている林床には腹菌類のホコリタケが10個ほど生えていました。古くなって褐色になった個体は大量の胞子を出しており、新鮮な個体は内部が白いマシュマロ状態でした。
落ち葉堆肥の中に紛れ込んだスギの枝葉があった場所では、スギエダタケが発生していました。
現場では木材腐朽菌も菌根菌も分け隔てなく、多くの菌類と植物が共生しやすいような森にするため、周辺森林から道路面に落ちてきた落葉などをかき集めることになりました。
今回の作業は ①落葉の採集、②林床散布、③粉炭施用+落葉落枝施用、④ルート内の剪定なので、少ない道具で作業を開始しました。
morinos周辺の道路に落ちていた落ち葉は「ゴミ扱い」されるので、掃除がてら落葉集めしてきました。
この中にはトレイルに無いイチョウの葉も含まれていますが、そうした落ち葉に潜む菌類が現場で繁殖することを期待しています。
コナラの落葉は主に、morinosの北側の路面で採取しました。
この周辺には様々な外生菌根菌が発生するので、この掃き集められた落葉にも多くの菌類が潜在していることを期待して運びました。
「はだしのトレイル」には落葉だけでなく、炭を叩いて壊した「粉炭」も混入させました。
一般に粉炭は土壌改良材や吸着材としても利用されますが、今回は菌類が繁殖しやすくなることを目的に混入させました。
再整備した「はだしのトレイル」は多くの落葉で満たされています。
上から3枚目の写真を見て頂くとトレイルの所々に黒い土が見えていますが、そうした場所はなくなり、歩いてみるとフカフカしています。
新しく開拓しつつあるトレイルにはイヌツゲが多く生えています。そのイヌツゲの伸びすぎた枝を整枝剪定してもらい、人が動きやすいようにしてもらいました。
次回は今年最後の「はだしのトレイル」づくり、12月21日(木)です。みなさまお忘れなく!
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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