十人十色、森で探して自分色の葉っぱをつくろうを実施しました

開催した日:

秋晴れの下、「ソダテルラボ」の宮崎喜一さん、名川敬子さんをゲストに迎えてアートワークショップを実施しました。8組18名が参加しました。

今回のテーマは「葉っぱ」。
午前中は紅葉が進む森で葉っぱと向き合い、五感で森を感じました。
最初に絵本『もみじのてがみ』を名川さんに読んでいただき、森に訪れる秋のイメージを膨らませました。

様々な葉っぱ
もみじのてがみの朗読
続いて、印象派の代表的な画家の絵を見ながら、チューブ入りの絵の具が開発されたことで画家が屋外に出て、日光の下で絵を描くことができるようになったという歴史を紹介してもらいました。そして、画家たちが使っていたパレット(絵を描く時に使用する絵具を混ぜる板)の写真を見ながら、誰がどのパレットを使っていたのかを考えてみました。
パレットには色とりどりの絵の具が置かれており、画家の個性が垣間見えました。
 

「そんなパレットをこの森で作ってみよう」という宮崎さんの提案で、様々な色の素材を集めてロープで囲んだ地面の上に即席パレットづくりに挑戦しました。
紅葉が進んだ森には、赤や黄色、茶色といった葉が目立ちますが、常緑樹の緑や、黒っぽい樹皮もあり、予想以上に様々な色が集まった「森のパレット」が完成しました。
森のパレットづくり
森のパレット

その後、集めた葉っぱや帰り道の足元に落ちている葉っぱを拾いながらモリノスへ戻りました。

午後からは、集めた葉っぱをじっくり観察し、限られた色の色鉛筆を使って画用紙に葉っぱを描きました。今回使ったのは「カリスマカラー」と呼ばれる、プロ用の画材です。

最初に名川さんから、絵を描く時に大切なポイントを教えてもらいました。
・お腹に力を入れてまっすぐ座り、身体の正面で描く。
・鉛筆は手を動かすのではなく、腕全体で大きく使って描く。
・想像でなく、よく見て描く。
 

その後、色見本と同じ色を、限られた色鉛筆を使って表現する練習をしました。
黄色やオレンジ、青や紫を重ねていくと、だんだん茶色になっていきます。黒を使わないで濃い色を表現するコツが少しずつ分かってきました。

いよいよ葉っぱをモデルに見立てて、はがきサイズの専用紙に色鉛筆で描き始めました。
正しい姿勢で、よく見て、腕全体で描く。
大人も子どもも夢中で描き、微妙なグラデーションや葉脈を丁寧に表現することができました。
名川さんからは「失敗はないからね。他人と比較するんじゃなくて、自分がどれだけ納得できるかが大切だからね。」と声をかけていただきました。
本人はもちろん、参加者同士でも作品を見せ合って「すごい!」「リアル!」と歓声が。

「親子4名がこんなに長い時間、しゃべらずに描き続けたことに驚きました。」
「お父さんが真剣な表情をしているのを初めて見た。」

最後に作品を小さなスクラップブックに貼って、全員で記念撮影。
参加者が普段気づいていない感性を、森の力を活かして、楽しく素敵に引き出していただいた、宮崎さん・名川さんに感謝です。
ありがとうございました~。
十人十色の記念撮影

参加者の声※アンケートより一部抜粋
・自然の中で色を見つけることはとても気付きがありました。同じ色でも色々な色があったり、真黒と真白はないんだ、と気が付いたり、自然をよく観るということが森を感じることに繫がりとても気持ちが良く、楽しかったです。何より出来上がったパレットの美しさに見惚れてしまいました。
・絵を描く時間では、色鉛筆が本当に描きやすく、色を塗ることに没頭してしまい時間が足りないと思ってしまうくらいでした。道具の力ってすごい!(笑)普段知ることもない色鉛筆を経験させてもらい、色を塗ることが本当に楽しかったです。絵を描くことが楽しいと思えて没頭している自分にびっくりしました。
・多動、不注意もある子ども達なのでどうなることかと不安でしたが、色の塗り方や発言など、ちょっとしたことを褒めてくれることに嬉しくなって、子どもたちも最後は夢中で絵を描いていました。帰ってからも葉っぱの絵を一生懸命描く姿が見られ、参加してよかったと思いました。褒めること、認めること、受け入れることの重要性を知る良い機会となりました。

報告者:大武圭介(ウォーリー)NPO法人ホールアース自然学校

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