林業の一端を経験・実感 高山市立清見中学1年生
開催した日:
飛騨牛の里としても有名な岐阜県高山市清見町、その清見町の中学1年生のみなさんに、森について考えてもらい、森の手入れを手伝ってもらい、林業という仕事の一端を実感してもらいました。
この体験活動は、高山市役所森林政策課のみなさん、清見里山プロジェクトのみなさん、飛騨高山森林組合のみなさん、地元森林技術者のみなさん、そしてmorinosによって企画運営されたものです。
今回の研修は清見中学校の生徒さんから、「山の管理はどうしたら良いの」と質問があったことから始まっています。
本日林業体験する森林の所有者である塩谷さんから、「この森をどうしたいのか」についてお話しいただきました。数年前の豪雪で手入れ不足のスギ林が雪害に遭い、停電が続いたこと。そして近年はイノシシやクマ、シカなどの野生鳥獣の出没が多発するような手入れ不足の山が増えていること。
森林所有者として若い人たちに現状を理解し、一緒に問題解決して欲しいことを伝えました。
まず山に向かう前に、「人工林をなぜ間伐しなければならないのか」を理解してもらうため、『木の気持ちを味わう』体験としてスギの枝を手に持って100㎡の中に立ってもらいました。1人1人がスギの立木になった気分で活動です。
「樹齢20年生で樹高10mならば、枝張りは2mくらいかな?」と言いながら、両手を広げて枝と枝の間隔を確認しました。
次に、樹齢45年で樹高20mなら、枝はどれほど混み合うのかを体感してもらい、「なぜ間伐しなければならないのか?」について考えてもらいました。
スギの枝がしっかり光合成できる間隔を取ることの必要性を理解し、そのためには成長経過に合わせて順次、間伐をしなければならないことも学んでもらいました。
ではここから、ヘルメットや手鋸、水筒を持って山に入ります。
今日は薄曇りの天気で、比較的涼しいスギ林に足をすすめました。
今回の森林整備は『将来の木施業』を学んでもらうので、中学生のみなさんには森の中に設定された10m×10mのプロット内の「残すべき将来の木」をグループ毎に選木してもらいました。
中学生のみなさんは4グループ毎に、「どうしてこの木を将来の木として残すのか」を発表してもらい、その残す木を育てるためにどの立木を間伐すべきかも発表してもらいました。
実際の間伐を体感してもらう前に、八賀さんが「伐採届」について説明されました。
山の木は勝手に伐採するのではなく、違法伐採にならないように「伐採届」を出すことを学んでもらいました。
いよいよ実際の間伐です。今回は森林技術者である直井さんと橋本さんにお世話になって伐採を見学します。
まずは受け口をつくった時点で、チェーンソーに記されたガンマークで伐倒方向を確認することなども学んでもらいました。
伐採する前に、①このスギの木の樹高はどれほどか? ②年齢はどれほどか? を予測してもらいました。
いろんな意見が出ましたが、まず樹高は24mでした。
次に切株で年輪測定です。
予測は28年とか30年とかでしたが、数えてみると最低でも48年はあることが分かりました。
切り株を見ながら年輪を数えるだけでなく、スギの新鮮な香りも嗅ぎました。
続いてもう1本も伐採、今度は伐採木にロープをかけ、プーリーを介して中学生にロープを引っ張ってもらいました。
単にチェーンソーの伐採を見学するだけでなく、中学生自身が伐倒の手助けをしたのです。
伐採されたスギの枝を手鋸で枝払い体験。枝払いが面白いようで一生懸命やってくれていましたが、より面白いのはその切った枝の皮を剥ぐことであったようで、みんなこぞって剥いていました。
伐倒木は橋本さんと直井さんに3.1mに玉切りしてもらい、それにロープとスリングをつけて搬出のお手伝いをしました。
1本で0.07㎥ほどでしたが、結構重くて大変でした。
みんなで力を合わせて、森から搬出したスギ丸太、この丸太は後ほど飛騨高山森林組合に出荷してもらう予定です。
少しでも傷や土がつかないように丁寧に搬出しました。
最後に、清見中学校1年生と伐採をさせてもらった塩谷さん、そして清見里山プロジェクトの小木曽さん、斎藤さん、太田さん、森林技術者の直井さん、橋本さんと記念撮影です。
さて、今回の森林林業体験、高山市役所と飛騨高山森林組合のバックアップの下、地元の里山プロジェクトの協力があって実現したものです。みなさん、ご苦労様でした。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
休館日:火・水曜、年末年始(休館日が祝日の場合、翌平日が休館日になります)
Phone : +81-(0)575-35-3883 / Fax:+81-(0)575-35-2529