はだしのトレイル-8回目
開催した日:
金子潤さんによる『はだしのトレイル』づくり。
今回は雪が降ったこともあり、トレイル作成をメインにするのではなく、前回紹介のスザンヌ・シマール博士の地中の菌類に注目する観点から、より森の多様性を考えるためのFood Forestづくりを目指そうということになりました。
さて 菌類で何か面白いものがないかと探っていた金子さんが、Merlin Sheldrake 博士を紹介して下さいました。
博士は自分の書籍にヒラタケの菌を植え込んで、ジップロックで一次菌糸をまん延させ、二次菌糸から子実体(きのこ)を発生させ、それをソテーして食べている姿を公開しています。ヒラタケは白色腐朽菌なので、リグニンも分解するのですが、この書籍にはリグニンに近い物質が入っていたのかもしれません。
こんな話をしている中で、スー・スチュアート・スミスさんの『庭仕事の神髄』に面白いことが記されている話に展開。彼は「庭の三つの効果」として太陽光・運動・土との触れ合い、を挙げています。
その中で「古代の祖先たちが、豊富な太陽光、運動、土との接触を通じてセロトニンのレベルを上げていた」と記しています。現代の医学的でも日光を浴びると、私たちの脳内では「セロトニン」という神経伝達物質が分泌され、このセロトニンは精神の安定や安心感や平常心、頭の回転を良くします。
庭で土を掘り返すことによって、土壌中のバクテリア、放線菌類の働きによって匂いが発散され、それが脳に働きかけてセロトニンレベルを上昇させることを、神経科学者のクリストファー・ローリ博士が公表しています。
また皮膚のケラチノサイトには五感があり、皮膚が音も感知する。人間が体毛を無くして皮膚を通して情報を得るようになったとも考えられ、そうして得た膨大な情報を処理するため脳が発達したと考えられている。
現在のリモート学習のように、目と耳だけに頼る学習ではなく、肌感覚で学ぶ必要がある。
そんな話が続き、さてさて、今回は森の多様性の観点から、この森林文化アカデミーにはない「Food Forest」を設定することになりました。
現在作成してあるフーゲルカルチャー(Hugel Kultur)にFood Forestを作るべく、森林文化アカデミーのすぐ下にある道の駅「にわか茶屋」で金子さんが仕入れてきた地元栽培の柑橘類(キンカン、ダイダイ、ユズ、カボス)とダイズを実生から育てることとなりました。
まずは裸足になって、スキャナーで足の裏を測定し、少しウォーミングアップの裸足体験をしてから、再度、足の裏をスキャンすることになりました。
真冬出が全員が裸足なって、石の上を歩くことから少しずつ実践。
最初はゆっくり歩いていましたが、途中でウッドデッキの端を利用して、足の裏や筋肉をほぐします。
金子さんの掛け声に合わせて、ふくらはぎを伸ばしたり、前屈したり、様々なストレッチでほぐします。
裸足で歩くのに慣れたところで、全員が小走りで石の上を裸足ウォーク。
誰一人、「冷たい」とも言わず、もくもく修行のように走っていました。このウォーミングアップで相当足の裏感覚が変わります。
石の上や丸太の上で慣れたため、参加者の皆さんは砕石の上を歩いて適度な刺激はあるものの、「何ともない」と言っていました。私も同感です。
この写真をご覧になると、「冬なのにはだしで歩くなんて」と思われるかもしれませんが、意外に耐えられる冷たさでした。
15分ほど裸足のウォーミングアップしただけですが、意外に足の裏感覚は変化しました。足の指がしっかり開かなかった人も開けやすくなりました。
写真のベテランの方なので、足の指がしっかり均等に開いています。
以前設定したフーゲルカルチャー(Hugel Kultur)にFood Forestを作るべく、土壌構造がなるべく壊れないように、秋に植え込んだ白菜を包丁で切り取って収穫し、そこに金子さんが仕入れてきた地元栽培のキンカン、ダイダイ、ユズ、カボスの種子を埋め込みました。
最後に「どうぞの森」に設置してある『はだしのトレイル』を金子さんと共に歩きました。
ここはさすがに雪があるため、大変冷たいのですが、「冷たい、冷たい」を連発する私たちを尻目に、金子さんは次回のトレイルづくりを思案していました。
さて、次回は本格的に近自然工法のトレイルづくりの延長です。
早くコロナ禍がある程度治まり、みんなでもう存分『はだしのトレイル』を楽しめるようになること期待しています。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。
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